心臓血管外科

《心臓血管外科外来の週間予定表はこちらです》

概要

心臓血管外科の診療内容は、心臓大血管手術・呼吸器外科手術・末梢血管手術であり、経験豊富なスタッフが手がけ、化学療法専門医としても活躍し、積極的な集学的治療を行っている呼吸器内科と毎週、合同の症例検討会を行い連携をとって、外科側のみの独断に陥らない総合的な治療法・手術適応を決定する様、心がけています。

▲ページの先頭へ

スタッフ紹介

murakami kyobusinsokekkangeka
村上栄司 成人心臓・血管手術、小児心臓手術、救急医療
役職
心臓血管外科長
心臓血管外科部長
災害医療部長
救急診療部副部長
輸血部副部長
主な資格、認定
日本外科学会専門医
心臓血管外科専門医
卒業年、主な職歴
平成3年岐阜大学医学部卒
岐阜大学医学部附属病院高次救命治療センター(講師)
福岡市立こども病院小児心臓外科
岐阜県総合医療センター小児心臓外科及び心臓血管外科
fujii_shinge202304.JPG
藤井涼 心臓血管外科
役職
心臓血管外科医員
主な資格、認定
卒業年、主な職歴
平成30年卒

▲ページの先頭へ

診療内容

心臓手術

心臓手術は主に成人の心臓疾患を行っています。冠動脈外科では、岐阜地区では平成9年よりいち早く拍動下のバイパス術を取り入れ、中でも、内科的なカテーテル治療と外科的治療を組み合わせたハイブリッド治療を循環器内科と密に協力することで行ない、より安全で、効果の高い治療を目指しています。平成16年の冠動脈バイパス術の拍動下バイパス術の割合は84%でした。
しかし、その後、循環補助下の拍動下手術も取り入れ、個々の症例の心機能に適した方法を選択するように心がけています。手術適応に関しては循環器内科との合同カンファレンスで決定しております。弁膜症手術では、単弁置換術、僧帽形成術、連合弁膜症に対する多弁手術などを行っています。冠動脈疾患との合併手術、不整脈の治療を同時に行う症例も増えています。

kyoushin01 人工心肺を使用した手術
kyoushin02 心臓手術

大動脈手術

大動脈外科では、解離性大動脈瘤、胸部から腹部に至るすべての部位の大動脈瘤の手術に対処しています。特に破裂性動脈瘤、解離性大動脈瘤に関しては一刻をあらそう緊急手術となることが多く、来院から手術室までの間を、いかに短縮できるかが、結果におおきく影響します。救急部、集中治療室、手術部、麻酔科と密に連絡をとり、迅速な対応ができるように心がけています。また、予定手術では全身状態、動脈瘤の形態を考慮して、より侵襲の少ないステントグラフト治療も行っています。また、最近では大動脈の基部再建(上行大動脈、大動脈弁、冠動脈再建を同時に行う)なども増えてきています。

ステントグラフト治療

動脈瘤手術は腹部であれば開腹、胸部で有れば開胸のうえ人工心肺の使用など、大きな侵襲をともなう治療です。当院では、より侵襲の少ない腹部、胸部ステントグラフト治療も積極的に行っています。どちらも、開胸、開腹を行わないで鼠径部の動脈から動脈の内腔をとおして人工血管を挿入します。また胸部では、脳へゆく血管にバイパスを作成した上で、ステントグラフトを挿入するデブランチング・ステントグラフト治療も行っております。

kyoushin03 腹部大動脈
ステントグラフト治療
kyoushin04 胸部大動脈
ステントグラフト治療
(デブランチ)

まだ、比較的新しい手術で、全身の危険因子、動脈瘤の形を考慮して、手術に比べてのメリットを考慮して適応を決定します。

末梢血管手術

末梢血管では人工血管を用いたバイパス術だけでなく、カテーテル治療も行っています。また、閉塞性動脈硬化症、糖尿病が原因の下肢虚血による壊死(足の傷)に対しての治療、アドバイスなども行っています。

肺・縦隔手術

呼吸器外科では悪性腫瘍・良性疾患とも胸腔鏡を用いた手術を標準で取り入れており、侵襲の少ない術式を心掛けています。筋肉をほとんど切らない腋窩小切開(脇の下の小さな縦切開)と内視鏡や器械を挿入する小さな穴で行う手術を標準として用いることにより、術後の早期回復に取り組んでいます。
肺癌は癌の死亡率の上位を占めるようになり、年々増加しています。最近の画像診断の進歩により発見される微少な病変は、内科的な気管支鏡検査、PET検査などでも確定診断が難しいことがあり、胸腔鏡で診断を目的とした手術を行うことが増えています。院内の病理医と協力し、術中診断から、そのまま根治術を行える体制をとっています。
一方、進行癌に対する化学療法・放射線療法と組み合わせた集学的な治療としての肺手術、気管支形成術、多臓器合併切除など困難な手術も積極的に行っています。平成20年よりハイビジョン胸腔鏡を導入、より詳細な画像で手術を行うことで、根治度を落とすことなく、安全な手術を心がけています。

kyoushin05 胸腔鏡手術
(3~4個のポート(穴)から
器械を入れ手術します。)
kyoushin06 ハイビジョン内視鏡
(モニターを見ての手術)

ペースメーカー手術

ペースメーカー手術も多数手がけていますが、最近では心室細動・粗動といった危険な不整脈症例に対する埋め込み式除細動器(ICD)の手術も多くなり、さらには心不全に対する両室ペーシング埋め込み術(CRT)も行っていますが、平成17年より、合併症や、大きな切開を必要としないペースメーカー手術は循環器内科の担当へ移行し、特に外科的な手技が必要なもののみ当科で行うようになったため、当科の症例数は減少しています。

透析シャント手術

透析シャント手術も血管外科の手技を活かして、自己血管・人工血管を用いて長期展望に立った手術をしています。特に人工血管ではポリウレタン人工血管を用い、早期に穿刺可能なシャントを作成しています。透析シャントに対するカテーテル治療も積極的に行っております。高齢化、成人病の増加に伴い、透析を必要とする方は、これからも増加してゆきます。シャントは透析患者さんにとっての命綱であり、院内の症例だけでなく、他院での困難な症例を多数引き受けています。

下肢静脈瘤手術

下肢静脈疾患も診療・手術を行っております。末梢血専用のエコー検査を導入し、丹念に不全となった静脈を見つけ、症例に応じた最小の傷で再発の少ない手術を行っています。伏在静脈の逆流による静脈瘤の治療には出血、疼痛の少ない波長1470nmのレーザー治療装置を用いた下肢静脈瘤血管内焼灼術(ELVeS)を行っております。また、下腿に残存した瘤に対しては、薬剤による硬化療法や、2-3mmの小切開による瘤切除(スタブ・アバルジョン)を追加します。

kyoushin07.jpg 波長1470nmレーザー焼灼治療器

▲ページの先頭へ

手術件数

sinzou-syujyutu20240325.png

▲ページの先頭へ


ページの先頭へ