産婦人科 マイクロ波子宮内膜アブレーション

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マイクロ波子宮内膜アブレーション:MEA(子宮鏡下子宮内膜焼灼術)

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マイクロ波子宮内膜アブレーション:MEAは、子宮筋腫,子宮腺筋症、抗凝固剤(血液サラサラ薬)の内服や原因不明の過多月経(月経時の出血が多すぎて、日常生活に支障が生じている状態)の方に対して、月経量を減少させることを主な目的として、サウンディングアプリケーターを子宮内に挿入し先端から発せられるマイクロ波(電子レンジと同じ)で子宮内膜を破壊(凝固)する治療のことを言います。

2012年4月から保険が認められるようになり、全国的に普及していくと思われる治療法です。海外ではすでに数万人に実施されており、国内でも数百人が受けていると言われています。

対象は、お薬で満足な結果が得られない方、子宮摘出手術を受けたくない方、また閉経までの間、過多月経のない生活を送りたい方などです。一番のお勧めは閉経前(50歳前後)で月経量が多くてお困りの方で、子宮がそれほど大きくなく(新生児頭大まで)、手術を希望されない方です。また30-40代で粗大な子宮腫瘍がないのに過多月経でお困りの方で、妊娠希望がなく手術を希望されない方にもお勧めです。内膜を破壊してしまうので妊娠希望の方は対象外になります。また異型子宮内膜増殖症、子宮内膜癌の方も本治療では再発の危険性があるため対象外です。その他診察して無理な場合もあります。

麻酔は腰椎あるいは静脈麻酔で入院は2日から4日程度です。手術時間はほとんどが30分以内です。

利点としては、切開などの手術操作を行わないので、侵襲が少なく、合併症が少ない、術後麻酔の影響がなければすぐに日常の生活(職場)に復帰できることなどがあります。

術後の注意点ですが、水っぽいおりものが持続しますが、2-3週間程度で軽快します。この期間はシャワー浴にし、性交渉は控えましょう。術後4週間以上経過してからまれに細菌感染を起こすことがありますので、おりものの異常や下腹痛があれば早めに受診するようにしてください。

術後成績ですが、過多月経が解消する率は90%程度と言われています。過多月経が再発して5年以内に再度の子宮内膜アブレーションや子宮摘出術が必要になる方は5%程度と言われています。

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サウンディングアプリケーターの写真
先端の白色部分からマイクロ波が出て、通電時間50秒で最大7㎜程度破壊(凝固)できます。

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サウンディングアプリケーターによる子宮筋腫症例での施行時のイラスト
黄色い部分が破壊(凝固)されたところです。


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