平成30年度 第12回市民公開講座の様子

平成30年度 第12回岐阜市民病院公開講座実績

平成30年度第12回(通算98回)岐阜市民病院公開講座を開催しました

日時
平成30年3月16日(土)
午後2時30分~午後4時
講演内容
看護外来
認知症看護認定看護師 長屋千鶴子
小児がんの現在
小児血液疾患センター長 篠田邦大
家族で一緒に考えよう~がんについて~
がん化学療法看護認定看護師 小瀬木裕美・近藤仁美

平成30年度第12回(通算98回)岐阜市民病院公開講座を開催しました。
平成31年3月16日(土)、岐阜市民病院内西診療棟4階サルビアホールにおいて、始めに、当初は公開講座のテーマにはなかった、認知症看護認定看護師 長屋千鶴子から、「看護外来」を、テ-マに講演を行いました。
次に、本題に入り、小児血液疾患センター長 篠田邦大から、「小児がんの現在」を、がん化学療法看護認定看護師 小瀬木裕美・近藤仁美から、「家族で一緒に考えよう~がんについて~」を、テ-マに講演を行いました。当日は参加者数、約100名と多くの方にお集まりいただきました。
また、講演会終了後、質疑応答を受けるとともに、アンケートにもご協力いただき、盛況のうちに終了できました。
なお、次回は、平成31年4月20日(土)に、耳鼻いんこう科部医員 小川博史から、「いびき」を、耳鼻いんこう科部医員 梅田実希から、「頭頚部がん~口腔がんについて~」を、テ-マに講演を予定していますので、ぜひご参加ください。

(講演内容については、要約を掲載

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講演をする
認知症看護認定看護師 長屋千鶴子
挨拶及び講演をする
小児血液疾患センター長 篠田邦大
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講演をする
がん化学療法看護認定看護師 小瀬木裕美
講演をする
がん化学療法看護認定看護師近藤仁美
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質疑に答える 講演者

講演要約

「小児がんの現在」
岐阜市民病院 小児血液疾患センター長 篠田邦大

日本では年間小児1万人~1万5千人に1人が小児がんを発症します。岐阜県の人口から考えると、県内で毎年30人前後の子どもが小児がんを発症する計算になります。小児がんは、成人で多い肺がんや胃がん、大腸がんなどはほとんどなく、白血病、脳腫瘍などが多くみられます。白血病では、発熱、リンパ節腫大、出血症状、骨痛などが初発症状として見られますが、いずれも日常診療の中ではありふれた訴えであり、診断がつきにくいことも多くあります。白血病は血液のがんであるため、診断には血液を作っている骨髄を検査する必要があります。骨髄の検査は腰の骨に太めの針を刺し、骨髄液を吸引して行います。正常の骨髄はあらゆる種類の血液細胞が存在しますが、白血病の場合はその多くを白血病細胞が占めます。診断がつくと、次は治療を行っていきます。白血病も含めがん治療の3本柱は、抗がん剤による化学療法、手術療法、放射線療法です。このうち化学療法は、成人癌に比べ小児がんでは有効なことが多く、治療の中心になります。 
また放射線療法は発達過程にある小児では避けられる傾向がありますが、近年周囲の臓器に影響の少ない手法が多く開発されてきており、小児がんでも実用化が進んでいます。また最近ではオプジーボ®等の保険診療で認められた免疫療法もでてきましたが、いまだに詐欺まがいの免疫療法も横行しており注意が必要です。これらの治療の進化により、現在小児白血病の80%以上が治癒する時代になってきています。当院で治療した小児がん患者さんも成人になり、看護師、検査技師等として働いている方もおり、また医学部、薬学部、放射線技師学校、看護学校に行っている方も多くいます。さらには結婚してお子さんを授かった方もおり、小児がんには夢も希望もあると思っています。

「家族で一緒に考えよう~がんについて~」
岐阜市民病院 がん化学療法看護認定看護師 小瀬木裕美・近藤仁美

近年、日本のがん対策の一つに、がんそのものの理解やがん患者に対する正しい認識を深めることを目的に「がん教育」が始まっており、その内容について説明します。がんの罹患率および死亡率は年々上昇しており、背景に人口の高齢化があると言われています。現在、がんの原因として分っているものには「生活習慣」「最近・ウイルス感染」「遺伝素因」「環境要因」があります。研究結果より、生活習慣や感染が原因でがんに罹患したと思われる比率は男性で53.3%、女性で27.3%と言われています。国立がん研究センター 社会と健康研究センター予防研究グループは、日本人のがんの予防にとって「禁煙」「節酒」「適性体重の維持」「食生活」「感染」「身体活動」の6つの要因を取りあげ、「日本人のためのがん予防法」を定めました。また、がんの発症に関連のある細菌やウイルスも分かっています。感染したらがんになる訳ではなく、がんの要因には生活習慣や遺伝要素など様々あり、いくつか重なりあった際に可能性が高まります。 しかし原因の分らないがんもあり、早期発見のためにはがん検診を受けることが重要ですが、受診率は50%に到達していないのが現状です。
次にがん治療および患者支援について説明します。がんの治療は「手術」「放射線療法」「薬物療法」が主な三大治療であり、がんの種類や進行度などに応じ治療法が選択されます。また、がんの治療に加え、がんに伴うからだと心のつらさを和らげる「緩和ケア」が同時に行われます。がんは今や2人に1人が罹患する時代になりましたが、調査結果からは「がんという病気や治療についての世の中の理解不足」が言われています。また大切な人ががんと診断されると、ほとんどの人は接し方がわからないと言われますが、患者さんは「病気になってもこれまで通りに接してほしい」「がんについて正しく理解してほしい」と願っておられます。病院は病気を治すだけではなく、家族のこと、お金のこと、進学や仕事のこと、介護のことなど相談を受けられるようになっています。当院には活用できる相談窓口として、がん相談支援センター、がんサロン、認定看護師による看護外来を行っています。また、がん情報の冊子配布や本の紹介などもしています。院内にある支援資源を上手に活用していただきたいと考えます。

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