平成30年度 第9回市民公開講座の様子

平成30年度 第9回岐阜市民病院公開講座実績

平成30年度第9回(通算95回)岐阜市民病院公開講座を開催しました

日時
平成30年12月15日(土)
午後2時30分~午後4時
講演内容
~最新のお腹の治療法~大腸癌は内視鏡治療で治る?
消化器内科医長 杉山智彦
放置は厳禁!! 脂肪肝
がん診療支援部長 林秀樹
膵臓癌を早く見つけるには?
消化器内視鏡部長 向井強

平成30年12月15日(土)、岐阜市民病院内西診療棟4階サルビアホールにおいて、消化器内科医長 杉山智彦から、「~最新のお腹の治療法~大腸癌は内視鏡治療で治る?」を、がん診療支援部長 林 秀樹から、「放置は厳禁!! 脂肪肝」を、消化器内視鏡部長 向井 強から、「膵臓癌を早く見つけるには?」 を、テ-マに講演を行いました。当日は参加者数約120名と多くの方にお集まりいただきました。
また、講演会終了後、質疑応答を受けるとともに、アンケートにもご協力いただき、盛況のうちに終了できました。
なお、次回は、平成31年1月19日(土)に、中央手術部看護師長 竹中幸男、中央手術部手術看護認定看護師 石原奈々、中央手術部看護師 青木未侑から、「手術室からこんにちは パ-トⅣ 手術で大事なこと~安心・安全に手術を受けていただくために~」を、麻酔科部副部長 飯沼宏和から、「急に手術になった!私は安全に手術受けれますか?~麻酔科術前診察室から~ 」を、テ-マに講演を予定していますので、ぜひご参加ください。

(講演内容については、要約を掲載

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挨拶をする
診療局長(中央部門)加藤則廣
講演をする
消化器内科医長  杉山智彦
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講演をする
がん診療支援部長 林 秀樹
講演をする
消化器内視鏡部長 向井 強
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質疑に答える 講演者

講演要約

「膵臓癌を早く見つけるためには?~膵癌早期発見のための診療体系~」
岐阜市民病院 消化器内視鏡部長  向井 強

消化器癌の死亡数は癌による全死亡数の約半数(50.2%)を占めていますが、2016年の膵臓癌(以降、膵癌)の死亡数は男性の第5位、女性の第3位、全体では第4位まで上昇してきています。また、1年間で膵癌と診断される人数と死亡する人数はほぼ同数であり、多くの方が診断されてから1年以内で死亡される治療成績の最も悪い癌です。
膵癌の初発症状は腹痛(32%)、黄疸(19%)が多く、無症状で発見されるのは15%とされています。膵癌の診断には、体外式腹部超音波検査、CT検査、MRI検査、PET-CT検査のほか、診断精度が高く病理診断のための組織採取が可能な超音波内視鏡検査(EUS)が用いられます。膵癌の大きさ、周囲臓器や血管への広がり、リンパ節や他臓器への転移の状況によって進行度が決定されますが、さらに最新の「膵癌診療ガイドライン2016年版」においては、「切除可能膵癌」、「切除可能境界膵癌」、「切除不能(局所進行)膵癌」「切除不能(遠隔転移あり)膵癌」に分類され、それぞれに応じた治療が選択されます。
「切除可能膵癌」は外科的切除によって根治が期待できます。「切除可能境界膵癌」や「切除不能(局所進行)膵癌」に対しては、外科的切除による治癒率を上げることを目的に、手術前に化学療法を行い、治療効果に従って手術の可否を評価します。「切除可能境界膵癌」、「切除不能(局所進行)膵癌」との診断のもと化学療法が行われても、外科的切除による治癒が期待できないと判断された場合は、化学療法が継続されます。「切除不能(遠隔転移あり)膵癌」に対しては化学療法が選択されますが、最近では、2013年12月からFOLFIRINOX療法、2014年12月からゲムシタビン+ナブパクリタキセル併用療法が日本でも導入され、それまでの化学療法(ゲムシタビン、TS-1等)に比べて生存期間の延長が期待できるようになってきています。
膵癌の経過中には、癌の進行に伴って胃や腸の狭窄による食べ物の通過不良、胆管閉塞による黄疸を発症することがありますが、身体に対する侵襲が少ない内視鏡治療(消化管ステント留置術、胆管ステント留置術等)が発達してきています。
近年、膵癌が1cm以下で発見された場合の5年生存率は80%以上であることが報告され、膵癌の早期発見に対する取り組みが全国で行われています。また、膵癌発症の危険因子(危険率)として、家族歴(6.79倍)、慢性膵炎(診断から4年以内は14.6倍、5年以降は4.8倍)、膵嚢胞(分枝型IPMN)(年間1.1~2.5%)のほか、糖尿病(1.94倍)が注目されています。JA尾道総合病院の花田敬士先生は、これらに該当する方(膵癌発症の高危険群)に対する定期的な画像診断を行うことによって、尾道地区における膵癌の早期発見率が上昇したことを報告しています。当院も岐阜大学附属病院、岐阜県総合医療センターとともに「岐阜地区における膵癌の早期発見」率の向上を目的に、膵癌発症の高危険群に対する定期的な画像診断に取り組んでいるほか、2018年11月より「肝胆膵がんドック」を開始しました。少しでも気になる方には、是非とも気軽に受診をしていただきたいと考えています。

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