令和元年度 第3回市民公開講座の様子

令和元年度 第3回岐阜市民病院公開講座実績

令和元年度第3回(通算101回)岐阜市民病院公開講座を開催しました

日時
令和元年6月15日(土)
午後2時30分~午後4時
講演内容
糖尿病が原因で発症する目の病気について
( 失明原因第2位の糖尿病網膜症を中心に)

眼科部長 川上秀昭

令和元年度第3回(通算101回)岐阜市民病院公開講座を開催しました。
令和元年6月15日(土)、岐阜市民病院内西診療棟4階サルビアホールにおいて、眼科部長 川上秀昭から、 「糖尿病が原因で発症する目の病気について( 失明原因第2位の糖尿病網膜症を中心に)」を、テーマに講演を行いました。当日は参加者数、約90名と多くの方にお集まりいただきました。
また、講演会終了後、質疑応答を受けるとともに、アンケートにもご協力いただき、盛況のうちに終了できました。
なお、次回は、令和元年7月27日(土)に、呼吸器内科部副部長 石黒 崇から、「肺疾患の新しい治療薬 肺がん」を、呼吸器内科部医長 二村洋平から、「肺疾患の新しい治療薬 ぜんそく」を、テーマに講演を予定していますので、ぜひご参加ください。

(講演内容については、要約を掲載

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挨拶及び講演をする 眼科部長 川上秀昭 質疑に答える 眼科部長 川上秀昭

講演要約

「糖尿病が原因で発症する目の病気」
岐阜市民病院心 眼科部長 川上秀昭

糖尿病から起こる目の病気として、糖尿病網膜症、黄斑症、角膜上皮症、眼筋麻痺、屈折および調節障害、白内障などが挙げられる。
糖尿病網膜症は、年間3000人ほどが新たに中途失明となる失明原因第2位の疾患であり、高血糖が原因で網膜の毛細血管が障害され発症する。病期としては、単純糖尿病網膜症、増殖前糖尿病網膜症、増殖糖尿病網膜症の3つに分類される。単純網膜症では高血糖により毛細血管が障害され、網膜に点状・しみ状の出血や硬性白斑(漏出したタンパクや脂質)がみられる。増殖前網膜症では毛細血管が閉塞(網膜虚血)することで軟性白斑や出血の増多がみられる。増殖網膜症では硝子体出血、増殖膜形成、網膜剥離、新生血管緑内障がみられる。ただし、自覚症状は単純および増殖前網膜症の段階では現れないことが多い。増殖網膜症においても無症状の場合もある。眼科での治療は、単純網膜症ではなく血糖コントロールを内科で行う。増殖前網膜症ではレーザーを用いて網膜を光凝固する(焼く)。増殖網膜症ではレーザーと手術を行う。眼科での治療は視力を改善するよりも、これから悪化しないようにするのが主たる目的である。網膜が受けたダメージは眼科治療で改善することは基本困難である。このため眼症状がなくても定期的に眼科検診を受ける必要がある。
黄斑症は網膜症の病期にかかわらず発症する。症状は視力低下および変視症である。網膜症に比べ自覚症状はすぐに現れる。治療は、抗血管内皮増殖阻害剤を定期的に眼の中に注射する。黄斑部の神経に強い障害がおよぶ前に治療を開始し継続する必要がある。
角膜上皮症は上皮細胞の接着障害、知覚低下、涙液減少が原因で起こる。軽症例では角膜炎、中等症として再発性上皮びらんがみられる。治療は人工涙液やヒアルロン酸の点眼、眼軟膏、圧迫眼帯、ソフトコンタクトレンズあるいは血清点眼などが用いられる。
眼筋麻痺は外眼筋の神経を栄養する血管閉塞で起こるとされている。発症頻度は低いが、まぶたが開けられない、複視で歩けないだけでなくぎょろ目となり美容上も問題となる。一般に予後は良好とされており、発症3か月ほどで自然軽快する傾向がある。
屈折・調節障害は、急激な血糖コントロールをした時に起こりやすい。2--3か月で自然軽快するため経過観察する。あわてて眼鏡作製する必要はない。ただ、他の眼疾患の合併がないかについては十分検査しておく必要がある。
白内障は加齢性を原因とするものが9割占めている。糖尿病原因の白内障では、加齢性に比べ進行速度が早くまた羞明も強い。治療は基本的に手術のみであり、加齢性白内障と同じ手技にて行う。

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