皮膚悪性腫瘍(皮膚がん)
はじめに
人口の高齢化に伴い高齢者の皮膚癌が増加しています。たかが皮膚の癌と思われるかもしれませんが、癌の種類によっては全身に転移して生命にかかわることもあります。皮膚癌に限りませんが、早期に発見して治療すれば大事に至ることはまれです。逆に長期間放置すれば転移の危険性のみならず、皮膚癌特有の問題、例えば癌により皮膚に穴があいて出血が止まらないという事も生じます。疑わしい場合は自己判断されず、まずは近くの皮膚科クリニックを受診してください。
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代表的な皮膚悪性腫瘍
対象とする疾患
1.皮膚がん
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悪性黒色腫(メラノーマ)、有棘細胞癌、基底細胞癌、ボーエン病、日光角化症、パジェット病、血管肉腫、菌状息肉症など |
2.転移性皮膚腫瘍
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乳癌、肺癌、大腸癌、腎癌などの皮膚転移 |
主な診断方法
1.画像診断
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非侵襲的な検査です。 |
ダーモスコピー
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早期診断に有用 |
PET-CT
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腫瘍の転移の有無の検査 |
2.病理診断
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腫瘍の一部を切除して診断確定する皮膚生検、センチネルリンパ節生検といってリンパ節転移の早期診断や手術の縮小化をする方法があります。 |
3.遺伝子解析
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主に悪性黒色腫で、治療方法の選択のために行います。 |
主な治療法
1.悪性黒色腫(メラノーマ)
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いわゆる"ほくろのがん"と呼ばれているものです。他のどのがんよりも悪性度が高く、転移もしやすいがんの一つです。治療は手術による切除が基本ですが、センチネルリンパ節生検や新規抗がん剤治療(免疫治療(PD-1抗体、BRAF阻害薬など)を取り入れています。 |
2.有棘細胞癌
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紫外線を長年浴びた部位や、やけど・怪我の痕などにできます。手術療法が主体ですが、抗がん剤や放射線にも感受性があり、進行の程度に応じて併用しています。 |
3.基底細胞癌
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高齢者の顔面にできやすいがんで、高齢化に伴い、皮膚がんで最も頻度の高いがんです。転移することはまずありません。手術療法が主体です。 |
4.ボーエン病
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表皮内がんといって、胃がんでいうと粘膜にとどまる最も早期のがんです。手術療法が主体です。多発する場合は内蔵のがんが合併することがあります。十分な全身検査を受けましょう。 |
5.日光角化症
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厳密には皮膚がんではありません。前がん状態といって、皮膚がんの一歩手前。高齢者の紫外線を長年浴びた部位(顔面、耳介、手背)に多発します。手術療法以外にクリームによる外用療法や液体窒素による凍結療法が用いられ、優しい治療が行われています。 |
6.パジェット病
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高齢者の陰部や乳房にできるまれな皮膚がんです。湿疹と間違われやすく要注意です。手術療法が主体です。 |
7.血管肉腫
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頭部の発赤、あるいは紅色の結節として生じるまれな血管系の皮膚がんです。手術で取り切れないことが多いため、抗がん剤による治療や放射線療法が主体です。 |
8.菌状息肉症
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皮膚のリンパ腫の代表で、何年もかかって徐々に進行します。ステロイド外用療法や紫外線療法で慎重に経過をみます。レチノイド(タルグレチン)などの新しい抗がん剤も導入しています。 |
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診療実績
皮膚がんの手術件数
2015年 |
2016年 |
2017年 |
2018年 |
2019年 |
2020年 |
2021年 |
34件 |
23件 |
43件 |
30件 |
32件 |
33件 |
31件 |
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