平成25年度 第12回公開講座の様子

平成25年度第12回岐阜市民病院公開講座実績

平成25年度第12回岐阜市民病院公開講座を開催しました

日時
平成26年3月22日(土)
午後2時30分~午後4時
講演内容
元気で長生きするために~ロコモティブシンドロ-ムの予防~
岐阜市民病院整形外科脊椎センタ-長(特別診療顧問) 清水 克時

  

kokaikouza201400403-1
挨拶をする
村川眞司 診療局長及び講演者
kokaikouza20140403-2
講演をする 
整形外科脊椎センタ-長(特別診療顧問)
岐阜大学名誉教授 清水克時

平成26年3月22日(土)、岐阜市民病院内西診療棟4階サルビアホールにおいて、平成25年度第12回(通算40回)岐阜市民病院公開講座を開催しました。
「元気で長生きするために~ロコモティブシンドロ-ムの予防~」と題して、岐阜市民病院整形外科脊椎センタ-長(特別診療顧問)清水克時からの講演を開催しました。
(講演内容については、要約を掲載
最近新聞等で話題になっているロコモティブシンドロ-ム(運動器症候群)については、身近な問題でもあり、当日は、180 人の多数の市民にお集まりいただきました。講演終了後にはたくさんの質問が寄せられ、わかりやすい説明があり、盛況のうちに公開講座を終了しました。また、アンケ-トにもご協力いたただきありがとうございました。
なお、次回は、4月19日(土)に、「病院薬剤師は、何をしているの?」と題して、岐阜市民病院薬剤部医薬品情報管理室長 小林健司から、続いて 「治験は、未来への贈り物」と題して、岐阜市民病院治験管理センタ-薬務室長 水井貴詞から、「地域の皆様が育てる薬剤師の卵」と題して、岐阜薬科大学講師 舘 知也から、最後に「薬局薬剤師から薬とかかりつけ薬局の話」と題して岐阜市薬剤師会薬剤師 吉田達彦からの講演を予定していますので、次回も出席くださるようお願いします。


▲ページの先頭へ

講演要約

元気で長生きするために~ロコモティブシンドロ-ムの予防~
岐阜市民病院整形外科脊椎センター長(特別診療顧問)岐阜大学名誉教授 清水克時

我が国は平均寿命では世界第一位であるが、ただ長生きすれば良いというものではない。介護を必要としないで、自立した生活ができる生存期間を健康寿命という。平均寿命から健康寿命を引いた年数、男性で8年、女性で7年の介護年数をいかに小さくして、健康寿命を延ばすかが大きな課題である。介護や支援が必要となった原因疾患は脳血管疾患が23.3%で第一位であるが、第二位に運動器疾患が並んでいることはあまり知られていない(運動器疾患は21.5%)。第三位に認知症14%、第四位に高齢による衰弱13.6%と続く。運動器の重要性を理解することは元気で長生きするための秘訣である。
日本整形外科学会はメタボリックシンドローム(メタボ)に加えて、ロコモティブシンドローム(ロコモ)という概念を普及させようと努力している。この言葉を提唱する意義は、1.加齢による運動器障害の先に要介護があること。2.運動器にたいする関心をたかめ、自己点検していただく。3.さらに運動器疾患の予防につながるようにとの願いである。ロコモの原因疾患は変形性ひざ関節症、変形性腰椎症、骨粗しょう症。整形外科疾患の3つで、いずれも大変数が多い疾患である。ロコモに対する整形外科の受け入れ態勢は病診連携による、業務分担と紹介のシステムである。少ない医療資源を有効につかうため、病院と診療所が業務を分担し、紹介し合うことで対応している。
運動器の医学からのメッセージは以下のとおりである。運動は食事や薬では代替えできない、運動は貯金できない、毎日継続することが必要である。逆に、若いときに運動の習慣がなかったひとでも、今日からよい運動習慣をはじめることには十分意味がある。運動には適切な強さと量が重要で、運動するときには体の力学(バイオメカニクス)を意識する必要がある、杖や歩行車といった歩行補助具をうまく使うことが重要である。
運動器にとって自発性は重要である。運動のエンジンになる骨格筋は随意筋ともよばれ、内臓をつくる平滑筋や心筋が不随意筋であるのと対比される。胃腸や心臓は眠っていても活動するが、骨格筋は自分で動かそうと思わないかぎり動かない。毎日少しずつ、無理のない運動を継続することが、運動器の健康にとって大切である。
あなたを動かす、あなたが動かす運動器(2005年「運動器の10年」キャッチフレーズ、佳作)


ページの先頭へ