平成26年度 第2回公開講座の様子

平成26年度 第2回岐阜市民病院公開講座実績

平成26年度第2回岐阜市民病院公開講座を開催しました

日時
平成26年5月31日(土)
午後2時30分~午後4時
講演内容

歯科用インプラントについて
岐阜市民病院歯科口腔外科副部長 小林 敦

口腔粘膜疾患について
岐阜市民病院歯科口腔外科部長  兵東 巌

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挨拶をする 上田宣夫診療局長及び講演者

平成26年5月31日(土)、岐阜市民病院内西診療棟4階サルビアホールにおいて、平成26年度第2回(通算42回)岐阜市民病院公開講座を開催しました。
「歯科用インプラントについて」と題して、岐阜市民病院歯科口腔外科副部長 小林 敦、続いて、「口腔粘膜疾患について」と題して、岐阜市民病院歯科口腔外科部長 兵東 巌からの講演を開催しました。当日は、120人と多くの市民にお集まりいただきありがとうございました。
歯の話は身近な話題でもあり、大変わかりやすい話で、盛況のうちに公開講座を終了しました。
また、アンケ-トにもご協力いたただきありがとうございました。
(講演内容については、要約を掲載

なお、次回は、6月21日(土)に、「認知症」~片道切符のバスに乗らないために~と題して
岐阜市民病院看護部長 小松 博子、岐阜市民病院看護部 認知症看護認定看護師 長屋千鶴子
からの講演を予定していますので、次回も出席くださるようお願いします。

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講演をする
歯科口腔外科副部長 小林 敦
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講演をする
歯科口腔外科部長 兵東 巌
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講演会の様子

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講演要約

歯科用インプラントについて
岐阜市民病院歯科口腔外科副部長 小林 敦

歯科用インプラントは1965年にブローネンマルク博士により臨床応用がはじまり現在では
一般に普及してきております。急速に普及するとともに最近ではインプラント治療のトラブルの報道などもあり良い印象をもってなかったり、我々も日常診療の中でインプラント治療というものを正確に理解されておられない方もまだまだ多いように感じるのが現状です。今回の市民公開講座では以下のような内容でインプラント治療につき説明を行わせていただきました。
・インプラントの利点・欠点
歯を喪失した場合、通常は ブリッジ、入れ歯、インプラントの3通りのいずれかの方法で治療となりますがそれぞれに一長一短があります。
インプラントの良い点としては直接顎骨に埋入するためよく噛め、見た目も自然で発音しやすく、隣の歯を削らなくても治療できることなどがあります。
悪い点としては保険がきかない自費治療であること、外科治療が必要なことなどがあります。
・インプラントの構造、メーカー、費用、生着率について
・インプラントの診査について
体の病気や生活習慣によってはインプラント治療を受けるのに注意が必要であったり
他の治療法を選択した方が良い場合もあります。
注意が必要な体の病気 糖尿病、高血圧、心臓病、脳梗塞、腎臓病、肝臓病、骨粗鬆症などについて
生活習慣では喫煙や歯ぎしりなどについて
・レントゲン、CT
インプラント体を埋入する予定の部位の残っている骨の厚みや幅、顎骨内病変の有無残存歯の状態などを診査します。
解剖学的に上顎は臼歯部の骨が薄いことが多く上顎洞という空洞への穿孔や
下顎は下顎骨内の下歯槽管の損傷などによる出血や神経麻痺などの偶発症などもあり
最新の歯科用CTの撮影によりそれらを3次元画像で確認できることで安全性は以前よりかなり向上しております。
その他 模型診査、歯周病検査など
・インプラント手術について
一回法、二回法について 
顎の骨が少ない場合について 骨造成について
使用する器材について
・インプラントの上部構造について
・当院で治療おこなった症例についての解説
・インプラントの予後について
インプラント治療をおこなったから永久に持つというわけではなく清掃を怠ると天然歯における歯周病のようにインプラント周囲炎という病気になり脱落したり除去しないといけない場合もあります。インプラントを長持ちさせるには清掃や定期的なメンテナンスが重要となります。

口腔粘膜疾患について
岐阜市民病院歯科口腔外科部長  兵東 巌

口腔の範囲は、平成8年5月16日厚生省健康政策局において、歯科口腔外科の代表・耳鼻咽喉科の代表・形成外科の代表により以下の取り決めが行われた。原則として、口唇・頬粘膜・上下歯槽・硬口蓋・軟口蓋・舌前2/3・口腔底・顎骨(顎関節を含む)・唾液腺(耳下腺を除く)を歯科口腔外科領域とする。
口腔粘膜疾患を炎症性疾患(10枚)・腫瘍性疾患(15枚)・その他(8枚)に分類し分類ごとに、その病態の写真を供覧した。その中で準悪性(前癌病変)とされる白板症の約3年に及ぶ良性から悪性への変化の臨床病態を示し、難治性口内炎とされる扁平苔癬の薬物治療についての経過の臨床病態も示した。

―まとめー
われわれ歯科医師はいつもお口の中を診ています。お口の中で何か違和感や異常があれば、町の歯医者さんを受診ください。ほとんどの問題がそこで解決します。しかし、そこで解決しない場合は私ども歯科口腔外科を受診ください。
町の歯医者さんを上手く受診ください。
歯石はどんなに上手に歯ブラシができても、必ず付着します。2~3か月に1度はチェックしてもらいましょう。そうしてお口の中を常に診ていただくことによって、歯周病・齲蝕を予防できます。また違和感や異常に関しては早期発見・早期治療につながります。


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