平成27年度　第7回市民公開講座の様子

平成27年度　第7回岐阜市民病院公開講座実績

平成27年度第7回（通算58回）岐阜市民病院公開講座を開催しました

平成27年10月24日（土）、岐阜市民病院内西診療棟4階サルビアホールにおいて、平成27年度第7回（通算58回）岐阜市民病院公開講座を開催しました。最初に、「手と足の病気の最新手術治療」と題して、岐阜市民病院形成外科部長大野義幸から、次に、「高齢者に多い大腿骨近位部骨折の予防と治療」と題して、岐阜市民病院整形外科副部長山本孝敏から、最後に「四肢骨折の最新治療」と題して、岐阜市民病院整形外科医員中村 寛からの講演を開催しました。当日は、120人と多くの市民の皆様にお集まりいただきありがとうございました。最新の話題を皆様にわかりやすい説明があり、出席者はメモを取りながら熱心に聞き入っていました。活発な質疑応答もあり、公開講座も盛況のうちに終了しました。寄せられた感想には、非常にわかりやすく大変参考になった等の意見もありました。また、アンケ－トにもご協力いたただきありがとうございました。
（講演内容については、要約を掲載）

なお、次回の第8回（通算59回）は、11月28日（土）に、「脳卒中の急性期治療」と題して岐阜市民病院脳神経外科部長谷川原徹哉から、次に、「急性期の脳卒中リハビリテーション」と題して、岐阜市民病院リハビリテーション科理学療法士武藤智輝から、最後に、「脳卒中にならないための食事」と題して、岐阜市民病院栄養管理室管理栄養士下村美香からの講演を予定していますので、次回も出席くださるようお願いします。

挨拶をする 副院長　杉山保幸		講演をする 形成外科部長　大野義幸
講演をする 整形外科副部長　山本孝敏		講演をする 整形外科医員　中村　寛
質疑応答に答える 形成外科部長　大野義幸		質疑応答に答える 整形外科副部長　山本孝敏

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講演要約

「手と足の病気の最新手術治療」
岐阜市民病院　形成外科部長 大野義幸

今回の講演では外傷は除き，主として先天性疾患，変性疾患，炎症性疾患(関節リウマチなど)などのいわゆる病気について私が行っている最新の治療を紹介しました。
手の病気
ばね指：湯本式ガイド付腱鞘切開刀を用いた2-3mmの小皮切腱鞘切開術をエコーガイド下に実施しています。
手根管症候群：奥津法に準じた鏡視下手根管開放術を常用しています(皮切は近位手関節皮線上で15mmの横皮切です)。
手関節ガングリオン：背側，掌側ガングリオンともに詳細な画像診断(超音波，MRI)にて根部を推測，同定してから手関節鏡視下に根治術を行っています。
デュプイトレン拘縮：経皮切腱術から各種皮弁手術を用いた本格的手術を実施しています。手術治療ではありませんが，本年10月から保険適応となったコラーゲン分解酵素を用いた局所注射治療も実施しており，実例を紹介しました。
変形性関節症：母指CM関節症に起因する疼痛ならびに白鳥の首変形に対する治療例を提示しました。他関節でも関節形成術，人工関節，関節固定術などを駆使して治療します。関節リウマチ：罹患した関節の滑膜切除，人工関節，関節形成術，関節固定術，腱手術を駆使して変形の矯正，除痛，機能の回復，向上 を図ります。
足の病気
陥入爪：超弾性ワイヤを用いた陥入爪の矯正，その他の保存的治療を示し，尾郷法，児島法などの根治術の実例を示した。
モートン病：中足部足底痛を呈する代表疾患であり，病態を説明し，神経腫切除手術実例を示した。
先天性中足骨短縮症：ミニ骨延長器を用いた仮骨延長術を主に行い良好な結果を得ています。
外反母趾：中等度~重度の外反母趾でお困りの患者さんには，Mitchell法，Mann法に準じた手術を実施し良好な結果を得ています。
ハンマートゥー変形に対するPIP関節固定術を行っています。最近はPro-Toeといった新しいインプラントを導入して行っています。
糖尿病足：足部潰瘍，感染，壊死など各種段階の糖尿病足を他科（糖尿病科、血管外科、循環器内科など）と共同し，ギプス，装具を用いた保存的治療やデブリードマン，陰圧閉鎖療法，各種皮弁を用いた手術を駆使し，大切断を回避しながら救肢に努め，感染巣の除去，創治癒を図ります。
足底潰瘍，皮膚癌：正しい診断を行い，皮弁など各種治療法を駆使して治療します。
尖足変形：Ilizarov法などリング型創外固定器を用いた変形矯正を紹介しました。
手，足の病気でお悩みの方は市民病院形成外科を受診してください。