平成30年度 第5回市民公開講座の様子

平成30年度 第5回岐阜市民病院公開講座実績

平成30年度第5回(通算91回)岐阜市民病院公開講座を開催しました

日時
平成30年8月18日(土)
午後2時30分~午後4時
講演内容
重力に立ち向かう脊椎外科
整形外科脊椎センタ-診療顧問(脊椎分野) 清水 克時
マイクロサージャリーを用いた手、足の皮膚欠損の治療
形成外科部長 大野 義幸
~腰痛に関する病診連携の場合~
整形外科部長 宮本 敬

平成30年度第5回(通算91回)岐阜市民病院公開講座を開催しました。
平成30年8月18日(土)、岐阜市民病院内西診療棟4階サルビアホールにおいて、当院の整形外科脊椎センタ-診療顧問(脊椎分野)清水克時から、「重力に立ち向かう脊椎外科」を、形成外科部長 大野義幸から、「マイクロサ-ジャリ-を用いた手、足の皮膚欠損の治療」を、整形外科部長 宮本 敬から、「~腰痛に関する病診連携の場合~」をテ-マに講演を行いました。当日は120名と多くの方にお集まりいただきました。
また、講演会終了後、3名の講師が、個別に時間を設け多くの皆さんからの相談を受けるとともに、アンケートにもご協力いただき、盛況のうちに終了できました。

(講演内容については、要約を掲載
なお、次回の第6回(通算92回)は、平成30年9月15日(土)に、「鉄剤で治らない貧血をご存じですか?」を、血液内科部医長 柴田悠平から、「"悪性リンパ腫"という病気をご存じですか?」を、血液内科部副部長 後藤尚絵から、「ヘルペスの話」を、皮膚科部長 米田和史から、「スキン-テアを知っていますか?」を、皮膚・排泄ケア認定看護師 竹田宏美から、講演を予定しておりますので、ぜひご参加ください。

koukaikouza30-5-1.jpg   koukaikouza30-5-2.jpg
挨拶をする 整形外科部長 宮本 敬 講演をする 整形外科脊椎センタ-診療顧問
(脊椎分野)清水克時
koukaikouza30-5-3.jpg koukaikouza30-5-4.jpg
講演をする 形成外科部長 大野義幸 講演をする 整形外科部長 宮本 敬

講演要約

「重力に立ち向かう脊椎外科」
岐阜市民病院 整形外科脊椎センタ-診療顧問(脊椎分野)清水克時

脊椎の病気をはじめとして、整形外科の病気は重力の影響をつよく受けます。健康にしているときには、重力のことをあまり意識することはないのですが、病気になって、しばらく寝込むと、起き上がるのに努力が必要になり、重力を感じるようになります。
この講演では、脊椎疾患の治療に、重力に立ち向かう努力が重要であることをお話しします。重力に立ち向かうには外科医の努力、手術の役割は限られています。脊椎インスツルメンテーション手術(脊椎にインプラントをもちいて固定する手術)は脊椎の手術を大きく進歩させました。この手術によって、重力を病変部から迂回させることができます。しかし、長期的にみると、脊椎固定した上下の隣接部に重力の負担を移動させることにほかなりません。脊椎疾患を発生させた原因が解消されないと、何年かののちには固定部位の隣の椎間板や、椎体に問題がおこり、固定手術の範囲をひろげる必要にせまられることがあります。手術の効果をながもちさせ、あるいは最初から手術を回避するには、ボディーメカニズムをよく理解して、重力とうまく暮らしてゆく、患者さん自身の努力が不可欠です。その時に、鍵となるのは、筋肉、とくに背筋です。筋肉のうち、体を動かす骨格筋は、随意筋ともよばれます。自分の意志にしたがって、随意に動かすことのできる筋肉ですが、逆に動かそうと思う意志が働かないと動いてくれません。脊椎疾患のある患者さんには、この意志に加えて、痛みをおこさず、うまく動かすための知恵が必要です。具体的には ①杖や歩行器などの歩行補助具を積極的に使うこと、②痛みをおこさないゆるい運動、③反復、継続が大切です。
医者まかせにせず、意識的に重力に立ち向かう努力が必要です。


ページの先頭へ