薬剤部

第38回岐阜県病院協会医学会において優秀演題賞に選ばれました

演題名
病院薬剤師を対象としたキャリアパスの作成-薬剤師のスキル向上を目指して-
発表者
池上遼

第38回岐阜県病院協会医学会において、「病院薬剤師を対象としたキャリアパスの作成-薬剤師のスキル向上を目指して-」の題目で優秀演題賞に選ばれました。

第56回東海薬剤師学術大会

日時
2023年12月3日(日)
場所
三重県四日市市文化会館

本学会はメインテーマを「和の心 ~未来へ~」としており、人生100年時代に突入する昨今、薬剤師の果たすべき役割は刻一刻と変化していると言える。本学会では【未来】の薬剤師像を考えることに主眼を置かれて開催された。
当院薬剤部からは、「GS1コードを利用した医薬品返品システムの構築」という演題にて発表をさせていただいた。聴講いただいた先生方からも様々なご意見・ご質問をいただき,大変勉強になった。本学会で得た学び・経験を日々の業務に活用・実践していきたいと考える。

発表演題内容
発表演題内容  発表者
GS1コードを利用した医薬品返品システムの構築 大野 佑城

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日本病院薬剤師会東海ブロック・ 日本薬学会東海支部 合同学術大会2023

日時
2023年11月12日(日)
場所
名城大学薬学部(八事キャンパス)

本学会はメインテーマを「臨床と研究の 融合で考える Pharmacist & Scientist」としており、病院薬剤師および薬学者にこれから求められている【臨床業務】と【基礎研究】を両立・発展させるためには何が必要で、どういったことが求められているのか、それらを議論することを主題に置かれての日本病院薬剤師会・日本薬学会合同での開催となっている。
当院薬剤部からは、「CADD-Legacy Ⓡ ポンプを用いた blinatumomab 在宅投与移行プログラムの検討」と「岐阜市民病院の倫理審査体制再編における薬剤師の関わり」の2つの発表をさせていただいた。聴講いただいた先生方からも様々なご意見・ご質問をいただき,大変勉強になった。本学会で得た学び・経験を日々の業務に活用・実践していきたいと考える。

発表演題内容
発表演題内容  発表者
CADD-Legacy Ⓡポンプを用いた blinatumomab 在宅投与移行プログラムの検討 藤井 祥矢
岐阜市民病院の倫理審査体制再編における薬剤師の関わり 勝野 隼人

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第38回岐阜県病院協会医学会

日時
2023年10月29日(日)
場所
下呂交流会館

今回の岐阜県病院協会医学会は「2040年の医療提供体制に向けて」をメインテーマとし、【岐阜県の地域医療構想のCOVID-19前後での検証】【多死社会を迎え今後の緩和医療、ACPを考える】の2つのサブテーマの下、開催された。
多様な職種から数多くの発表がなされていたが、特に業務報告・業務改善に関わるような発表が特に多く見られた。病院薬剤師を始め医療従事者の業務が多様化していく昨今、患者さんへの質の高いケアと業務の効率化・スリム化の両立は非常に重要であることを実感させられた。
本学会で得た学びや洞察を日々の業務にも生かしたい。

発表演題内容
発表演題内容  発表者
病院薬剤師を対象としたキャリアパスの作成-薬剤師のスキル向上を目指して- 池上 遼

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2023年度日本薬学会東海支部学術奨励賞を受賞しました

演題名
「がん化学療法における薬学的介入に関するQOLを基盤とした医療経済学的研究」
発表者
田中和秀

2023年度日本薬学会東海支部学術奨励賞を、「がん化学療法における薬学的介入に関するQOLを基盤とした医療経済学的研究」で受賞しました。

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▲(左)田中和秀/(右)安田昌宏薬剤部長

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第14回 地域連携における安心ながん化学療法を進める会の様子

日時
令和5年9月14日(木)
午後7時15分から午後8時30分
場所
岐阜市民病院
西診療病棟4階大会議室(サルビアホール)

近隣の保険薬局薬剤師の先生方をはじめ、42名もの先生方に参加いただき深く感謝申し上げます。
今年は、エムハート薬局みずほ店の吉田理人先生より、保険薬局においてがん関連の処方箋を受け付けてから、トレーシングレポートを作成するまでの流れや工夫している点などについて、講演を賜りました。
昨年に引き続き、保険薬局と病院における課題を共有するために、情報交換の場を設けました。保険薬局における課題については共通した項目が多くあり、各店舗の状況を理解することができ、大変有意義な会となりました。病院として、がん治療における知識共有の場を提供していくことも重要な使命であることが分かり、こうした研修会を定期的に開催していきたいと考えております。
今後も研修会を通して情報を共有し、安全で安心ながん化学療法を提供できるよう努めていきたいと思います。

講演内容
講演内容  講演者
【挨拶】
薬剤部における地域連携の方向性
安田 昌宏
【一般講演①】
外来化学療法センターにおける患者への説明の実際
大澤 友裕
【一般講演②】
保険薬局にてがん関連の処方箋を受けつけたら
エムハート薬局みずほ店
吉田理人 先生
【情報交換】
がん関連処方箋への対応で困っていること・工夫していること

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第13回 地域連携における安心ながん化学療法を進める会の様子

日時
令和4年10月28日(金)
午後7時15分から午後8時30分
場所
岐阜市民病院
西診療病棟4階大会議室(サルビアホール)

今年は3年ぶりに現地での開催となりました。29名の先生方に参加いただき深く感謝申し上げます。
令和2年度の診療報酬改定で連携充実加算が算定可能となり、2年以上が経過しました。保険薬局における特定薬剤管理指導加算2の算定増加に伴い、トレーシングレポートの報告件数も増加してまいりました。
今回は保険薬局と病院における課題を共有するために、情報交換の場を設けました。双方の課題を理解し、解決につながる事例もあり、大変有意義な会となりました。また、レクチャーでは特定薬剤管理指導加算2の算定に活用できるCTCAEを利用した評価方法についても情報提供いたしました。
今後も研修会を通して情報を共有し、安全で安心ながん化学療法を提供できるよう努めていきたいと思います。

講演内容
講演内容  講演者
【レクチャー】
CTCAE ver5.0 による副作用の評価
安田 昌宏
【一般講演】
薬薬連携の課題
~お薬手帳を用いた連携について~
森本 千尋
【情報交換】
連携充実加算 -現在の活動内容と連携症例の提示-
大澤 友裕

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第12回 地域連携における安心ながん化学療法を進める会の様子

日時
令和3年7月20日(火)
午後6時30分から午後7時30分
場所
オンライン(Zoomを使用して開催)

新型コロナウイルス感染症感染拡大防止の観点から、2年続けてオンライン開催となりました。今年は159名の参加いただき、参加された先生方には深く感謝申し上げます。
外来がん化学療法に対して、薬局薬剤師と病院薬剤師の連携はますます重要となってきました。そこで、今回は当院の化学療法の現状を共有し、経口抗がん薬院外処方への対応と題して、安全性確保の点からの注意点について学ぶ機会となりました。
今後も研修会を通して情報を共有し、安全で安心ながん化学療法を提供できるよう努めていきたいと思います。

講演内容
講演内容  講演者
【レクチャー】
がん化学療法における当院の現状と最近の話題
安田 昌宏
【特別講演】
経口抗がん薬院外処方箋への対応
~S-1 体表面積、腎機能確認を中心に~
V・drug 中部薬品株式会社
吉田達彦 先生
連携充実加算 -連携体制について- 大澤 友裕

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第11回 地域連携における安心ながん化学療法を進める会の様子

日時
令和2年9月17日(木)
午後6時30分から午後7時30分
場所
オンライン(Zoomを使用して開催)
テーマ
連携充実加算と特定薬剤管理指導加算2

新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い、今回はオンラインでの開催となりました。初めての試みではありましたが、111名の参加登録をいただき、参加された先生方には深く感謝申し上げます。
令和2年度の診療報酬改定において、連携充実加算と特定薬剤管理指導加算2が新設されるなど、がん領域における地域連携はますます重要となってきております。
今後も定期的に研修会を開催し、情報共有を図ってまいりたいと思います。

講演内容
講演内容  講演者
抗がん薬による皮膚障害について 安田 昌宏
乳がん化学療法と支持療法 堀 晃代
連携充実加算 -連携体制について- 大澤 友裕

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第35回岐阜県病院協会医学会において優秀演題賞に選ばれました。

演題名
胃酸分泌抑制薬投与患者における血清マグネシウム値の比較
発表者
池上遼

第35回岐阜県病院協会医学会にて,「胃酸分泌抑制薬投与患者における血清マグネシウム値の比較」の題目で,優秀演題賞に選ばれました。

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第29回日本医療薬学会年会

日時
令和元年11月2日(土)~4日(月)
場所
福岡国際会議場、福岡サンパレス、マリンメッセ福岡、ホテル日航福岡

本年会のメインテーマを「新しい時代を担う医療薬学のこれから~薬学の英知の結集~」とし,医療が益々複雑化・高度化していく中において、全国各地から多くの方々にお集まりいただき、今後の医療薬学に求められることは何かを一緒に考え、新しい時代を担う医療薬学のこれからについて議論したいと考え,掲げられた。
ポスター発表では、「胸部心臓外科手術後の入院日数に影響を与える栄養学的因子の検討」と「端数調剤時のPTP のバーコード認証ができない医薬品鑑査の実態調査」の2演題を登録した。各先生方から様々な意見を聞き,大変勉強になった。また,製薬メーカー関係者から質問を受け,医薬品のヒートシールのバーコード印字は,必ず1個毎に印刷して頂くように強く要望させて頂いた。

発表演題内容
発表演題内容  発表者
胸部心臓外科手術後の入院日数に影響を与える栄養学的因子の検討 安田 昌宏
端数調剤時のPTP のバーコード認証ができない医薬品鑑査の実態調査 後藤 千寿
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「胸部心臓外科手術後の入院日数に
影響を与える栄養学的因子の検討」

「端数調剤時のPTP のバーコード認証が
できない医薬品鑑査の実態調査」

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第58回全国自治体病院学会in徳島

日時
令和元年10月24日(木)~25日(金)
場所
アスティとくしま、むらさきホール

今回の学会テーマは、「医療の源流と新時代の潮流」であった。「人口の減少と高齢化」さらには「医師の診療科及び地域の偏在」など、住民に身近な「地域医療」は大きな岐路に立っており,また、「働き方改革」など自治体病院を取り巻く環境は複雑さを増している。「地域医療」、ひいては「地域社会」を守るためにも、「自治体病院」が常に新しい医療の潮流を読み、経営努力を重ねることで、存在感を発揮することが何よりも大切である。「地域医療は我々が守る」との先人の熱い思いに今一度立ち返り、「自治体病院のこれから」を大いに議論し、「新しい姿」を探りたいと,このテーマが掲げられた。
本学会では、ポスター発表において,「かかりつけ薬局に対する患者の意識について」を発表した。多数の先生方から様々な意見を聞き,とても参考となった。今後の活動に活かしたいと思う。

発表演題内容
発表演題内容  発表者
かかりつけ薬局に対する患者の意識について 水井 貴詞
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日本早期認知症学会学術大会

日時
令和元年10月20日(日)
場所
じゅうろくプラザ

今回の学術大会は「多職種で挑む早期認知症の診断,治療,ケアと予防」をテーマとし、多職種からの研究や実践の発表を,一般演題としてポスターセッションで行い,シンポジウム4演題,特別講演2題の構成で開催された。この学会の特徴は,医療,福祉,生活,地域づくりに関わる多職種の会員から成り立っており,そのため,工学面からのアプローチとして,リハビリに関する介助機器の報告も散見された。
ポスター発表では、「認知症ケアチーム介入事例における急性期総合病院整形外科入院患者の薬剤について」を発表し,多数の先生から質問を頂いた。今後,高齢化が進み,早期の認知症を発見し,早期に介入し,進行を如何に止めるかが重要であると理解できる場であった。

発表演題内容
発表演題内容  発表者
認知症ケアチーム介入事例における急性期総合病院整形外科入院患者の薬剤について 渡邉 繭子
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第57回 全国自治体病院学会において最優秀演題賞に選ばれました。

演題名
調剤支援トータルシステムの開発と調剤過誤件数の推移
発表者
後藤千寿

58回全国自治体病院学会in徳島にて、第57回全国自治体病院学会の「調剤支援トータルシステムの開発と調剤過誤件数の推移」の題目が、最優秀演題賞に選ばれました。

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第10回 地域連携における安心ながん化学療法を進める会の様子

日時
令和元年10月17日(木)
午後7時00分から午後9時00分
場所
岐阜市民病院
西診療病棟4階大会議室(サルビアホール)

地域連携における安心ながん化学療法を進める会は、今回で10回目を迎えることができました。今回は、肺がんをテーマとしました。免疫チェックポイント阻害薬が上市され、治療法が新しく増え、澤がんセンター長から「肺癌治療のUP DATE 2019」と題して、講演して頂きました。参加者は、保険薬剤師:23名、病院薬剤師:4名、医師:1名の計28名でした。講演のタイトルと演者および概要は以下のとおりでした。

一般講演①:「がん緩和領域の連携を考える -在宅にかかわる他職種へのインタビューも含めて」(講師:岐阜市民病院薬剤部 大澤友裕がん専門薬剤師)
薬局薬剤師は、がん患者への指導時に情報不足を感じており、まずは病院薬剤師が情報を提供していくことが必要である。しかし、今後は薬局と病院が事前にプロトコールを作成し、薬局薬剤師が電話フォローアップをして、病院へフィードバックするなど、双方向の連携が求められる。薬局薬剤師も副作用の症状緩和に直接かかわっていくことが必要と考える。また、在宅医療においては、多職種連携による在宅業務へのレベルアップが求められている。しかし、他職種への働きかけを十分行うことができておらず、薬剤師の知識や能力を多職種連携に生かすことができていないのが実情である。積極的に地域ケア会議や退院調整会議、勉強会等に参加し、そのような機会を利用してかかわりを持っていくことが必要である。また、現在直面している人員不足や多職種間のコミュニケーション不足などの現実的な問題に対して、具体的な解決策を打ち出していく必要があると講演した。

一般講演②:「CTCAE v5.0 を利用した抗がん剤の副作用チェック」(講師:岐阜市民病院 安田昌宏がん指導薬剤師)
①有害事象共通用語規準V5.0(CTCAE V5.0)について、② CTCAEを利用した殺細胞性抗がん剤の副作用チェック、③ CTCAEを利用した免疫チェックポイント阻害剤の副作用チェックの三項目についての講演があった。
岐阜市民病院では、免疫チェックポイント阻害剤を投与する前に、「各診療科の医師」、「薬剤師」、「看護師」、「栄養士」等の「がん治療の専門スタッフ」が集まり、症例ごとに免疫チェックポイント阻害剤投与の適否について検討会を行っており、その検討会でも問題になる免疫チェックポイント阻害剤の副作用チェックおよび対処法について説明があった。

特別講演:「肺癌化学療法 UP DATE 2019」(講師:岐阜市民病院 診療局長 澤祥幸がんセンター長)
がんの疫学として、2人に1人ががんになり、3人に1人ががんで亡くなっている。5年生存率が62.1%となり、10年前より10%上昇した。がんでの死亡は、男性が、肺癌、胃癌、大腸癌、肝癌、膵癌の順であり、女性が、大腸癌、肺癌、膵癌、胃癌、乳癌の順である。現在使用可能な殺細胞性抗がん剤は、60種類であるが、分子標的薬は70種類と多く上市されている。そのため、遺伝子を調べて治療する時代となった。今年から、多数の遺伝子を同時に調べるがん遺伝子パネル検査が始まったが、遺伝子が同定されても、それに対応する薬剤がない現実について話された。また、がん免疫療法が様々ながんで使用されるようになったが、肺癌では殺細胞性抗がん剤との併用が承認され、以前とは異なる副作用に注意が必要である。また、近年、肺癌領域ではタグリッソやアレセンサなどの分子標的薬が上市されている。これらの薬剤は非常に高額であり、患者が紛失することのないよう、薬局薬剤師が十分に服薬指導し、患者が自宅で確実に薬剤管理できるよう支援してほしいというメッセージをいただいた。

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大澤友裕がん専門薬剤師 安田昌宏がん指導薬剤師
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澤祥幸がんセンター長

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第52回日本薬剤師会学術大会

日時
令和元年10月13日(日)~10月14日(月)
場所
下関市民会館、海峡メッセ下関、下関市生涯学習プラザ、シーモールパレス

今回の学術大会は「原点」をテーマとし、「健康で安心な長寿社会の構築」に向け、薬薬学が連携して、地域住民の健康増進・疾病予防・在宅医療・介護など薬剤師に求められる役割を議論し、「薬剤師の原点」を見つめなおすプログラムが用意されていた。
この大会では、薬薬連携に関するセッションが多くみられ,地域包括ケアシステムの実施体制は整えられてきたが、稼働については市町村によってバラツキが大きいとのこと。人生100年時代に向け、地域包括ケアシステムは更なる深化が必要であり、携わる薬剤師は、医療連携・介護連携など多岐にわたって職能を発揮する必要がある事等議論された。
ポスター発表では、他院からの薬剤情報を全て揃えてから、手術や検査前の中止薬を確認する取り組みや、入退院支援センターへの薬剤師の常駐や入院時面談・持参薬確認について評価を得た。保険薬局の方からは、入院中に変更となった薬剤について、お薬手帳などに記載してもらいたいとの希望も伝えられた。今後の課題として考えたい。

発表演題内容
発表演題内容  発表者
入退院支援センターでの薬剤師の活動について 堀 晃代
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岐阜西地区 病・薬連携カンファレンスの様子

日時
令和元年10月9日(水)
午後7時00分から午後9時00分
場所
ホテルグランヴェール岐山

まだ、暑い日が続き、大型台風が日本列島に近づきつつある日に、40名の出席者を迎えることができ、大変うれしく思います。今回は、院外処方せんに記載してある検査値についての見方と脂質管理の重要性についての2テーマを挙げ開催しました。出席者は、 45名(保険薬剤師:28名、病院薬剤師:15名、医師:2名)でした。この勉強会の講演タイトルと演者および概要は以下のとおりでした。

一般講演①:「限られた検査値から推理する病気」(講師:岐阜市民病院 中央検査部 内木隆文部長)
肝機能を評価する検査値は、AST、ALTが良く知られている。ALTは、肝細胞に特異的に存在し、一方、ASTは、すべての細胞に存在しているため、ALTの10倍量存在する。AST、ALTは、肝細胞破壊マーカーであるため、肝細胞が炎症する肝炎で上昇する。慢性肝炎の場合は、ALTの半減期が長いため、ALTがASTより高値となる場合がある。しかし、肝硬変では、破壊される肝細胞が少ないため、AST、ALTが上昇しない場合がある。TP(総蛋白)、ALB(アルブミン)は、肝臓のみで生産されるため、肝障害時には低値となる。PT(プロトンビン時間)は、肝障害のマーカーであり、PTが20%では、シクロスポリンの投与量が、1/5量の投与でよい場合がある。肝障害を惹起する薬剤は、チクロピジン等の循環器用剤25%、抗生物質20%、抗がん剤15%、NSAIDs13%、その他27%である。
腎機能を評価する検査値には、BUN、Cre、Na、K、Cl等がある。BUN/Creが10以上である場合は、脱水等の腎外性因子であり、10以下の場合は、低タンパク食、透析後の状態である。また、高BUNは、脱水、重症心不全、低BUNは、肝不全、マンニトール過剰摂取等である。電解質では、高K血症は、なんらかの腎障害が考えられる。低Na血症は、肝硬変、腎不全、水中毒(精神科)、利尿剤投与が考えられる。
栄養代謝では、HbA1cがある。HbA1cは過去1~2ヶ月の糖の値を示す。測定法によって0.1~0.2の誤差があるので、同じ施設で測定するのが望ましい。
UA(尿酸)は、7.0㎎/dLが血液に溶ける限界濃度であるため、超えた場合は、結晶が析出し、痛風腎となることがある。
CK(クレアチニンキナーゼ)は、5,000以上で緊急性があり、甲状腺機能低下症でも上昇する。
末梢血のHb(ヘモグロビン)は、MCV(平均赤血球容積)の値で貧血の原因がわかる。WBC(白血球)は、15,000以上で異常値となる。3,000以下の場合は、膠原病、肝硬変、再生不良性貧血等考えられる。PLT(血小板)は、NASH(非アルコール性脂肪性肝炎)では15万以下、肝硬変では10万以下となる。
と院外処方せんに記載してある検査値についての見方について詳細に解説していただきました。

一般講演②:「脂質管理の重要性~心血管イベント抑制の本質~」(講師:岐阜市民病院 循環器内科 第一内科 西垣和彦部長)
昨今は、医療の質が問われている時代であり、その疾患の本質が何か?、医療職として何をすべきか?、自分で学ぶことが重要であると医療人としての心構えから講演が始まった。
心臓は、1日10万回拍動し、その心臓を栄養している冠動脈は、右に1本、左に2本ある。冠動脈は、併存疾患により形態が変化する。高血圧症を伴うと蛇行し、高脂血症を伴うと太くなり、糖尿病を伴うと細くなる。
50~70%が、冠動脈のプラークがラプチャーして心筋梗塞が発症する。心筋梗塞による死亡は、年間66,459人、10万人にあたり524人、死亡原因の4位である。また、高血圧合併だと3.56倍、糖尿病合併で2.39倍、肥満で1.22倍、脳梗塞で1.31倍、心筋梗塞発症の危険となる。
プラークには、安定プラークと不安定プラークがあり、安定プラークは、繊維成分が多く含み、不安定プラークは、脂質に富んでいる。不安定プラークを安定プラークへ変化させるには、抗炎症剤がある。抗炎症剤は、HMG-CoA阻害剤、EPA(エイコサペンタエン酸)、高純度EPAが挙げられる。脂質の目標は、LDL100前後を維持すればよいと話された。
心筋梗塞を予防するには、血圧の維持、脂質管理、血糖管理が重要であり、抗炎症剤を服用することで不安定プラークを安定プラークにすることが、重要であることが理解できた。

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岐阜市民病院 中央検査部
内木隆文 部長
岐阜市民病院 循環器内科 
第一内科 西垣和彦 部長

栄養のための地域連携における在宅医療勉強会の様子

日時
令和元年9月28日(土)
午後3時00分から午後5時00分
場所
岐阜市民病院
西診療病棟4階大会議室(サルビアホール)

まだ、真夏日が続く暑い日にも関わらず40名の出席者を迎えることができ、大変うれしく思います。今回は、歯科医師から見た低栄養をテーマとして開催し、出席者の職種は、保険薬剤師:28名、病院薬剤師:4名、医師:2名、栄養士:3名、その他:3名でした。この勉強会の講演タイトルと演者および概要は以下のとおりでした。

一般講演①:「高齢者医療におけるONSの有用性」(講師:大塚製薬工場 学術 相馬正芳先生)
ONSは、特別な医学的目的のある食物の付加的な経口摂取である。高齢者のフレイルは、然るべき介入により再び健常な状態に戻るという可能性が含まれどう対応すべきかが重要である。高齢者の栄養障害の発生要因は、老年症候群と言われ、食事がとれなくなり低栄養となる。蛋白や脂肪の摂取量が減り低アルブミン血症となる。在宅においては、喫食率の把握が重要な課題である。以前は、ONSは食事摂取量の不足分を補填するように使用されてきたが、現在では、ベースにONSを摂取し、加えて食事をとった方が良いと話された。また、嚥下障害において、とろみ食が出されるが、とろみを増すには、とろみ剤を増量するのではなく、2度混ぜを行うととろみが増強するとトリビアな話もあった。

一般講演②:「当薬局における薬剤管理の工夫」(講師:プラス薬局河渡店 小池紫 先生)
プラス薬局河渡店では「断らない」が、基本理念である。薬局の概要は、薬剤師7名、事務員4名。調剤は69%が門前の皮膚科、施設25%、その他が6%の割合である。後発医薬品の調剤率は89.5%。在宅訪問は、昨年は在宅10件、施設143件、今年は在宅4件、施設182件の実績である。施設においては、事前に患者情報がFAXで入り、調剤時に利用している、また、診察前面談も行い、主治医との連絡体制も充実している。調剤した薬は、施設毎の決まりに合わせ、服用時間による色分けを行い、カレンダー等にセットを行っている。施設には看護師はいるが薬のセットする時間により他の業務が出来なくなるために行っている。今後は患者とのコミュニケーションを充実させ適正な薬物療法に寄与したいと話された。

特別講演:「口腔機能低下と低栄養の関係~在宅での管理方法のポイント~」(講師:朝日大学 歯学部口腔病態医療学講座 障害者歯科学分野 准教授 谷口裕重先生)
歯科医が出来ることは、口腔を管理することと口腔衛生であり、必要とされるキーワードは、予防と機能である。誤嚥性肺炎の多い県は1位香川県、2位熊本県、3位岐阜県となっているため、岐阜県で働いているので誤嚥性肺炎の予防に責務を感じる。機能低下としては、口腔機能低下症が挙げられる。口腔機能低下症が生ずる要因は、咽頭と口腔との解離が生じ、窒息するリスクが増加する。口腔機能低下症の年代別頻度は、40代39%、50代50%、60代60%、70代80%、80代以上100%である。口腔機能低下症を診断する検査はオーラル・ディアドコキネシス等様々あるが、口腔機能低下症を見分ける方法として、①食事の時間が延長または短縮する、②体重減少、③頻回のむせ、④低栄養が挙げられる。口腔機能低下症には、低栄養が併存しているため、栄養面の介入と口腔機能リハを並行して行う必要があると話された。最後に、口腔鏡を用いて画像で、自分の身体で、咽頭と口腔との解離状態を示され、食物のカスが口腔内に残っている映像を示され、窒息する仕組が理解できた。
最後に、岐阜市民病院血液腫瘍センター長高橋健医師からが、今回の勉強会では、在宅医療において、他職種がチームを組むことが重要であることが理解できた。今後は、様々な職種がタッグを組めるように、この会を盛り上げていきたいと話された。

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大塚製薬工場 学術部 相馬正芳先生 プラス薬局河渡店 小池紫 先生
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朝日大学 歯学部口腔病態医療学講座 
障害者歯科学分野 准教授 谷口裕重先生
口腔鏡を実演される 谷口裕重先生
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岐阜市民病院血液腫瘍センター長 高橋健医師

注射薬の配合変化研修会の様子

日時
令和元年9月19日(土)
午後5時30分から午後6時30分
場所
看護学校講堂
内容
注射薬の配合変化

医療現場で使用している注射剤を用いての実務実習形式で行いました。参加者は、51名(看護師35名、薬剤師5名、薬学生11名)であり、お互い代わり替わり注射剤を注入し、白いもやもやが生じると歓声が上がり、有意義な時間を過ごせました。注射剤の液性、輸液の陽イオン、リン酸イオン、炭酸イオンが含有しているかを確認することの重要性を理解し、臨床現場で役立ててほしいと思います。

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会場全体の風景 注入後白いもやもやが出現
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輸液が白濁 点滴筒の水面が炭酸ガスにより下降

栄養のための地域連携における在宅医療勉強会の様子

日時
令和元年8月10日(土)
午後3時00分から午後5時00分
場所
岐阜市民病院
西診療病棟4階大会議室(サルビアホール)

8月10日に、栄養のための地域連携における在宅医療勉強会を開催しました。真夏日が連日続き、また、初めてのグループワーク形式の開催でしたが、17名の出席者を迎えることができ、大変うれしく思います。今回は、癌性疼痛への関わりを多職種で考え、痛みを分析し、対応策を考えることを目的としました。出席者の職種は、保険薬剤師:8名、病院薬剤師:5名、医師:2名、看護師:2名でした。この勉強会の講演タイトルと演者および概要は以下のとおりでした。

教育講演:「疼痛コントロールって、どうやるの?~薬の使用方法を中心に~」岐阜市民病院 がん薬物療法認定薬剤師堀晃代
痛みは主観的であり、痛みの性質から痛みの種類を把握する。患者からの情報を客観的にアセスメントする。特に、癌性疼痛を除くために確認することは、5項目あり、①痛みの部位と経過、②痛みの強さ、③痛みのパターン、④痛みの性状、⑤疼痛の目標を分析することである。また、オピオイドスイッチングするための鎮痛力価換算についても情報提供した。

グループワーク
症例提示:「この痛み、どうしますか?」(講師:岐阜市民病院 緩和ケア認定看護師野浦綾乃)
症例は、大腸癌患者で、腹膜播種、多発肝転移があり、積極的治療が限界となり、BSC(ベスト・サポート・ケア)の方針となった。経口麻薬にて、疼痛管理を行ったが、麻薬の内服前に痛みの増強、ストーマ部位の痛み、右季肋部痛があり、ロキソニンにて少し和らぐと提示。痛みのアセスメントと具体的な薬はという題でグループディスカッション。
グループディスカッションでは、ストーマ部位の痛みでは、ストーマ部位にパットを変更してはと薬剤師では考えられない意見が出た。痛みがロキソニンにて少し和らぐことから、アセトアミノフェンを1日3回、ロキソニンを頓服にする、また、アセトアミノフェンは、肝障害があり、肝転移もあり、減量してはどうかと病態からの提案も出、いろいろな意見が出て、盛り上がった。
患者の病態と疼痛が悪化し、フェントス注持続投与でコントロールとなった。患者の希望で、孫の結婚式に出席したい。そのためには、2泊3日の外泊が必要となる。外泊中の薬剤の調整はという題でグループディスカッション。
グループディスカッションでは、簡易型の輸液ポンプを使用すればよいという意見、テープ剤に変更するという意見が出た。輸液ポンプの場合は、何日分充填できるの?テープ剤に変更すると過量になるのでは?という質問があり、活発な意見交換が出来た。
最後に、岐阜市民病院 緩和ケアセンター長 石黒崇医師より、この症例の治療には正解はない。いろいろな意見が出ることが重要である。職種の違いから観点が違い新しい方向からアプローチできるので、多職種が協力して緩和を考えていかなければいけませんとお言葉を頂き研修会を終えました。

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岐阜市民病院 がん薬物療法認定薬剤師
堀 晃代 薬剤師
岐阜市民病院 緩和ケア認定看護師
野浦 綾乃 看護師
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グループワークの様子 岐阜市民病院 緩和ケアセンター長
石黒 崇 医師

第69回日本病院学会

日時
令和元年8月1日(木)~2日(金)
場所
札幌コンベンションセンター

この学会のテーマは,「その先,医療へ」であり,2025年という一つの節目に向けた方向性を評価しつつ,激変する社会環境と医療経済環境の中で医療のバランスシフトにいかに対応し,さらには2025年以降の「その先の,医療」を展望とした医療のあるべき姿について活発な議論や意見交換ができる場としたいとして,掲げられた。この学会では,「注射薬バーコードマッチングシステムによるリスク回避と経済効果について」を発表しました。参加された先生からいろいろな意見を聞かせて頂き,とても良い経験となりました。この発表成果を生かして、今後の業務に努めていきたいと考えます。

発表演題内容
発表演題内容  発表者
注射薬バーコードマッチングシステムによるリスク回避と経済効果について 水井貴詞

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第17回日本臨床腫瘍学会学術集会

日時
令和元年7月18日(木)~20日(土)
場所
国立京都国際会館 グランドプリンスホテル京都

この学術集会のテーマは,「がんゲノム診療 元年―Novel, Challenge and Change-」であり,癌腫横断的かつトランスレーション・リサーチや社会医学(生命倫理や医療経済など)の視点を考慮しながら実施する"がんゲノム診療"が,メインテーマであった。当院では,「Quality Control手法を活用した抗がん剤処方鑑査支援システムの構築」を発表し,会場の先生方に質問をいただき、活発な議論ができました。この発表成果を生かして、今後の業務に努めていきたいと考えます。

発表演題内容
発表演題内容  発表者
Quality Control手法を活用した抗がん剤処方鑑査支援システムの構築 安田昌宏

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医療薬学フォーラム2019 第27回クリニカルファーマシーシンポジウム

日時
令和元年7月13日(土)~14日(日)
場所
広島国際会議場

本フォーラムのテーマは,「新時代の医療薬科学-創薬科学と臨床薬学の新たな可能性に挑む―」であり,医療薬学においては基礎と臨床の両輪が揃った時に大きな価値が生み出されており,先人たちの研究により,多くの疾患に対する薬物治療は標準化された。しかし,個々の患者における効果や副作用は異なり,Personalized Medicineを目指した研究が行われ,最近では,患者を層別化した上で,適切な診断や治療を選択して実施する医療Precision Medicineが注目されるようになった。このフォーラムでは,Precision Medicineの実現に活かされることを期待して,特別講演が2講演,シンポジウムが18,ポスター発表が290演題あった。当院では,3演題発表し,会場では多くの方々から質問をいただき、活発な議論ができました。この発表成果を生かして、今後の業務に努めていきたいと考えます。

発表演題内容
発表演題内容  発表者
1.服薬コンプライアンスに影響を与える因子 大野佑城
2.鑑査台PC端末への添付文書表示機能導入の効果 甲田明英
3.がん患者におけるナルデメジンによる下痢発現に関連する因子の探索的検討 牧野哲平

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服薬コンプライアンスに影響を与える因子 鑑査台PC端末への添付文書表示機能導入の効果
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がん患者におけるナルデメジンによる下痢発現に
関連する因子の探索的検討

平成30年度 岐阜市改革推進運動において「奨励賞」に選ばれました。

改革件名
抗がん剤調製時の処方鑑査支援システムの構築
~臨床検査値モニタリングによる安全性の向上~
抗がん剤
調製チーム

安田昌宏、大澤友裕、説田英利子、長屋雄大、牧野哲平、渡邉久高

岐阜市においては、市民サービスの向上及び効率的かつ効果的な行財政運営の推進を図るために、職員自らが問題を発見し、解決へ取り組むことを目指した活動として、毎年業務改革推進運動を実施しています。
その中で今回、薬剤部の抗がん剤調製チームでは、「医薬品の適正使用の推進」及び「安心な薬物療法の提供」を実践するために、トヨタ自動車のカイゼン運動の手法であるQC(quality control)手法を使い、①患者の臨床検査値を簡便にチェックできる「レジメン鑑査シート」、②抗がん剤実施決定時の直近の臨床検査値を簡便に確認できる「実施確認シート」、この二つのシートの発行システムを構築しました。
その改革運動に対して、岐阜市長より「奨励賞」を頂くことができました。この度のことを契機といたしまして、岐阜市民病院の理念である「心にひびく医療の実践」を一層心掛けていく所存です。

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岐阜薬科大学早期体験学習の施設見学

令和元年5月29日に,岐阜薬科大学 生体機能解析学大講座 分子生物学研究室 教授 福光秀文先生の引率で,10名の岐阜薬科大学1年生が早期体験学習の施設見学に岐阜市民病院に来てくれました。岐阜市民病院薬剤部の説明を行い,調剤室,注射室,無菌調製室,製剤室,DI室,治験管理センター等を見学した。
学生から,ジェネリック医薬品の採用の基準は何か,治験薬にプラセボと記載があったが,どのようにして使うのか等質問があった。学生は,まだ,将来,何を目指すのか決めていません。是非とも,病院薬剤師を目指してほしいものです。
今は,学生生活を大いに満喫し,りっぱな薬剤師として社会に羽ばたくことを期待しています。

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ヘリポートにて

OB・OG就職説明会

日時
平成31年4月18日(木)午後1時~午後4時
場所
岐阜薬科大学本部キャンパスにて

副学長の足立哲夫教授が、「今年のOB・OG就職説明会は、参加される施設が多く今日と明日の2日間の開催となります。本日は、大会議室、大学院講義室、第2講義室の3か所において、調剤薬局が6、病院が9、ドラッグストアが2、製薬企業が4、官公庁が2の総計23の施設の参加があります」と話された。
岐阜市民病院は、岐阜県下はじめての薬剤師レジデント制度を導入したこと、調剤支援システムに重量監査システムを導入したことにより、調剤ミスが激減し、安心して調剤が行える環境になったことをアピールした。岐阜市民病院のブースには、十数名の学生が立ち寄り、大変関心を持ってもらえた。今年度岐阜市民病院の職員募集の応募が期待される。

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岐阜市民病院のブース 今回もOG・OB 3人で参加しました

日本薬学会第139回年会の様子

日時
平成31年3月20日(水)~23日(土)
場所
幕張メッセ、ホテルニューオータニ幕張

この学会のテーマは,「智の継承、そして発展」,その理由として,日本の薬学は近年その姿を大きく変え、薬学部の教育研究も引き続き大きな変革期にある。同時に、薬学のアイデンティティーは確固として存在し、その基盤の上に多様な研究が展開され、輩出される人材の活躍の場も多様化している。本年会が薬学の先人の智を継承し、薬学を新たに発展させる機会になることを期待してテーマとされた。この学会には,特別講演が9件,受賞講演が25件,一般シンポジウムが65件あり,化学,物理,生物,環境・衛生,医療,教育の薬学を考える良い機会でした。当院では,共同研究を含め2演題発表してきました。参加された先生からいろいろな意見を聞かせて頂き,とても良い経験となりました。この発表成果を生かして、今後の業務に努めていきたいと考えます。

発表演題内容
発表演題内容  発表者
1.PTPのバーコード認証における問題点 後藤千寿
2.HPLCを用いたエンザルタミドおよび
その活性代謝物の血漿中濃度測定系の確立
佐野空

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1.PTPのバーコード認証における問題点 2.HPLCを用いたエンザルタミドおよび
その活性代謝物の血漿中濃度測定系の確立

平成30年度 岐阜市改革推進運動において「奨励賞」に選ばれました。

改革件名
抗がん剤調製時の処方鑑査支援システムの構築
~臨床検査値モニタリングによる安全性の向上~
抗がん剤
調製チーム

安田昌宏、大澤友裕、説田英利子、長屋雄大、牧野哲平、渡邉久高

岐阜市においては、市民サービスの向上及び効率的かつ効果的な行財政運営の推進を図るために、職員自らが問題を発見し、解決へ取り組むことを目指した活動として、毎年業務改革推進運動を実施しています。
その中で今回、薬剤部の抗がん剤調製チームでは、「医薬品の適正使用の推進」及び「安心な薬物療法の提供」を実践するために、トヨタ自動車のカイゼン運動の手法であるQC(quality control)手法を使い、①患者の臨床検査値を簡便にチェックできる「レジメン鑑査シート」、②抗がん剤実施決定時の直近の臨床検査値を簡便に確認できる「実施確認シート」、この二つのシートの発行システムを構築しました。
その改革運動に対して、岐阜市長より「奨励賞」を頂くことができました。この度のことを契機といたしまして、岐阜市民病院の理念である「心にひびく医療の実践」を一層心掛けていく所存です。

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第9回 地域連携における安心ながん化学療法を進める会の様子

日時
平成31年2月28日
午後7時00分から午後9時00分
場所
岐阜市民病院
西診療病棟4階大会議室(サルビアホール)

2月28日に開催した地域連携における安心ながん化学療法を進める会は9回目を迎えることができました。今回のテーマは,ノーベル医学生理学賞を受賞された本庶佑先生が研究された免疫チェックポイント阻害剤を特集しました。参加者は、保険薬剤師:24名、病院薬剤師:15名、医師:1名、学生:1名の計41名でした。講演のタイトルと演者および概要は以下のとおりでした。

活動報告:「抗がん剤鑑査における業務改善」(講師:岐阜市民病院薬剤部 安田昌宏がん専門薬剤師)
注射抗がん剤の投与は,患者の体重,体表面積,腎機能等患者背景を考慮して,抗がん剤の投与量が決定される。このため,注射抗がん剤のオーダを確認するために患者の2ヶ月分のレジメンオーダ,直近3回の臨床検査値を記載した「レジメン鑑査シート」を発行し,処方鑑査に用い,投与確定時には,投与日の患者の臨床検査値を記載した「実施確認シート」を発行することで,薬剤師の目で患者の状態をもう1回確認し,患者に安心な化学療法を提供している。この確認作業は,患者の電子カルテを閲覧することなくできるため,業務が大幅に改善したと話された。

一般講演:「当院における免疫チェックポイント阻害剤のチェック体制」(講師:岐阜市民病院薬剤部 大澤友裕がん専門薬剤師)
免疫チェックポイント阻害剤は,従来の殺細胞抗がん剤とは異なった重篤な有害事象が生じる。そのため,免疫チェックポイント阻害剤を使用する前には多職種からなるキャンサーボードで事例提示をし,有害事象の回避に努めている。また,患者用レジメン説明書を作成しそれを用いて説明している。その説明書は,病院のホームページから閲覧ができ,薬局薬剤師も患者に同じ説明ができるように努めている。そして,患者には,患者日誌を記載してもらい,診察前面談などにより確認することで早期に有害事象の把握に努めている。そして,免疫チェックポイント阻害剤の有害事象の2例を紹介した。

症例提示:「S-1の予期性悪心を発現した症例」(たんぽぽ薬局株式会社在宅運営部 長瀬瑞穂先生)
80歳女性膵臓がんにてS-1が投与された。薬局には,家族が訪れ,抗がん剤を飲むと吐き気がし,食欲不振で服用を見合わせていると聞いた。その後,2~4回の聞き取りで,抗がん剤を数日間飲むと悪心が強く食欲不振で,本人が嫌がり,服用ができていない。検査値は,正常で,体重変化もなかった情報が得られた。その後,医師からもう歳だから無理しなくても良いよと言われたことを聞き,入院となった。この症例について,どう対応すれば良かったのかを検討した。患者と家族のそれぞれの治療に対する思いを聞くこと,患者と話す機会を持つことが良い対策であったのでは,また,主治医に治療の意図を聞くことも良かったのではないかと様々な意見があった。一方,医師からは,S-1の隔日投与を提案してみても良かったのではないかという意見も得られ,今後の服薬指導業務に活かせる内容になったと思われる。

特別講演:「免疫療法 最前線」(講師:岐阜市民病院 杉山保幸副院長)
がんに特異的な抗原は,オンコアンチゲンと言われる正常細胞ではわずかしか産生されず,がん細胞で大量に産生されるたんぱく質とネオアンチゲンと言われるがん細胞しか存在しないタンパク質がある。免疫療法は,これらのたんぱく質を標的に研究されてきた。現在のがんに対する免疫療法は,6種類に分けられ,1.非特異的免疫賦活剤による治療として,ピシバニール,クレスチン,十全大補湯等が使用され,2.サイトカインによる治療として,インターフェロン等,3.癌ワクチン療法としては,子宮頸癌予防ワクチンが使用されている。4.免疫細胞療法は,先進医療として,NKT細胞を用いた免疫療法がある。5.モノクローナル抗体による治療として,ベバシズマブ,ニボルマブ等が使用され,最近,ペムブロリズマブは,ミスマッチ修復機能欠損MSI-Highであれば,すべての固形癌に使用できるようになった。6.遺伝子改変T細胞療法は,新聞で最近報じられ,血中のT細胞を採取して,人工的に作成した遺伝子を導入することでがん細胞に対して強い攻撃力を発揮する療法である。1回の治療が5,000万円以上と設定されていると最近の話題まで講演され,最後に,これからのがん治療は,がんの種類や進行度などの腫瘍側因子,免疫応答能や併存疾患などの担がん生体側の要因,さらには社会的な背景も考慮に入れた上で,治療戦略を単独あるいは効率的に組合せて実施することが推奨されると結ばれた。
今回の地域連携における安心ながん化学療法を進める会は9回目を迎え,主たるがんについてほとんど網羅した。また,保険薬局からの症例提示があり,活発に意見交換することが出来,有意義な会となった。今後も外来がん化学療法を受ける患者さんのために,有意義な会として継続したい。

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安田昌宏がん専門薬剤師 大澤友裕がん専門薬剤師
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長瀬瑞穂先生 杉山副院長

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第12回 中部医療の質管理研究会シンポジウムにて業務報告

日時
平成30年12月9日(日)
場所
長良川国際会議場5F 国際会議室
発表内容
QC手法を活用した注射抗がん剤調製時の処方鑑査支援システムの構築と評価
発表者
安田昌宏
抗がん剤調製チーム
安田昌宏、大澤友裕、説田英利子、長屋雄大、牧野哲平、渡邉久高

中部医療の質管理研究会は2005年に発足し、岐阜県、愛知県の医療機関を中心に、医療の質の向上を図るために地域の医療スタッフが集まり、医療界のみならず他の業界の活動を学びお互いの質向上に切磋琢磨しあっています。
今回、岐阜市民病院薬剤部の抗がん剤調製チームでは、平成30年度の薬剤部の目標である「医薬品の適正使用の推進」「安心な薬物療法の提供」を実践するために、業務改善の手法であるQC(quality control)手法を使い、①患者の臨床検査値を簡便にチェックできる「レジメン鑑査シート」、②抗がん剤実施決定時の直近の臨床検査値を簡便に確認できる「実施確認シート」、この二つのシートの発行システムを構築しました。これにより、がん患者様の臨床検査値を薬剤師が簡便にモニタリングできるシステムが構築でき、より最適ながん薬物療法を提供できるようになったことを報告しました。

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第8回 地域連携における安心ながん化学療法を進める会の様子

日時
平成30年10月11日
午後7時00分から午後9時00分
場所
岐阜市民病院
西診療病棟4階大会議室(サルビアホール)

10月11日に開催した地域連携における安心ながん化学療法を進める会は8回目を迎えました。夏の猛暑が嘘のような涼しい季節となり、50名の出席者を迎えることができました。今回は、婦人科がんをテーマに開催し、また、精神科医の田村医師より教育講演も頂きました。参加者は、保険薬剤師:25名、病院薬剤師:15名、医師:3名、学生:7名の計50名でした。講演のタイトルと演者および概要は以下のとおりでした。

レクチャー:「婦人科がんの薬物療法」(講師:岐阜市民病院薬剤部 安田昌宏がん専門薬剤師)
子宮頸がん発症の危険因子は、HPVの持続感染であり、HPVワクチンの接種が推奨されている。ⅠA期は手術、ⅠB~ⅣA期は、手術後同時化学放射線療法が推奨されている。化学療法はCDDPが基本となる。子宮体がんの危険因子は、エストロゲン過剰部分泌と肥満である。Ⅰ、Ⅱ期は手術、Ⅲ期以降は、手術+化学療法である。子宮体がんの治療は手術療法が基本となる。卵巣がんは、化学療法が有効である。初回標準化学療法は、TC療法である。有害事象は過敏反応に注意する必要があると話された。

教育講演:「身体疾患治療中に出現する精神症状のとらえ方・薬物療法」(講師:岐阜市民病院 精神科・緩和ケアセンター 田村量哉医師)
緩和ケアで出会う精神症状は、せん妄、不安(症状)、痛み、抑うつ、不眠、吐き気等がある。せん妄とは、軽い意識障害を背景に、見当識や記憶が障害され、錯覚や幻想、興奮などを伴った一種の錯乱状態である。せん妄は、終末期がん患者の30~40%に合併し、死亡直前においては、患者の90%がせん妄の状態にある。せん妄が伴うと身体疾患の予後に影響し、入院期間の延長にもつながる。原因として、脱水、電解質異常、痛み、肝機能異常、腎機能異常、感染症、炎症反応、発熱、貧血等の身体疾患、H2ブロッカー、睡眠剤、抗パーキンソン病薬、降圧薬、ステロイド、麻薬等の薬剤、抑制、ICU入室、カテーテル留置等の医療行為、強い不安、体内時計の乱れ・感覚遮断が挙げられる。問診を行い、せん妄の原因となる症状の除去、原因となる薬剤の変更が必要である。せん妄が一旦出現したら、コントロールが困難となるため、出現予防が大切である。4症例を紹介され、精神症状の捉え方として、的確に診断を確定する必要性、症状の「深さ」を診る必要性について説明され、「拘り」から解放することで軽減する疼痛があると強調された。

特別講演:「婦人科腫瘍の最新の知見」(講師:岐阜市民病院 産婦人科腫瘍 豊木廣部長)
婦人科悪性腫瘍は、子宮頸癌、扁平上皮癌、子宮体癌、癌肉腫、肉腫、絨毛癌、卵巣癌、上皮性卵巣癌、胚細胞腫瘍、性索間質性腫瘍、腹膜癌、卵管癌、膣癌、外陰癌がある。子宮頸癌においては、上皮内癌~Ⅰa期は円錐切除、Ⅰb~Ⅱb期は広汎子宮全摘術+骨盤リンパ節郭清術、Ⅱb期以上は、放射線化学療法または化学療法である。初回は、抗がん剤はシスプラチンを使用する。再発の場合は、タキサン系、CPT-11等が使用される。子宮体癌は、ⅠA期までは骨盤リンパ節郭清術、ⅠB期以上は、骨盤リンパ節郭清術+傍大動脈リンパ節郭清術を行う。化学療法はドキソルビシン+シスプラチン等種類が少ない。卵巣癌は、基本的には手術で取れるだけ取る。化学療法には、感受性が高い。初回治療としては、パクリタキセル+カルボプラチンまたは、ドセタキシル+カルボプラチンが選択される。プラチナ製剤で6ヵ月以上経過した後の増悪に対しては、オラパリブが選択されることが可能となった。抗癌剤の副作用は、パクリタキセルは、アナフィラキシーに注意し、関節痛、筋肉痛、神経毒性が特徴的である。ドセタキセルは、アナフィラキシーに注意し、骨髄抑制が強く現れる場合があるので注意を要する。カルボプラチンは、骨髄抑制、シスプラチンは、骨髄抑制、腎機能障害、聴力障害に注意を要する。リボゾーム化ドキソルビシンは、投与時のinfusion reactionに注意し、心筋障害、手足症候群、口内粘膜炎に注意を要すると話された。

最後に、杉山副院長が、地域連携における安心ながん化学療法を進める会が8回目を迎え、毎回、多数の先生方にご参加して頂いていることについて感謝の意を述べました。また、抗がん剤の、副作用に関して患者さんに安心な化学療法を受けて頂くために、病院と保険調剤薬局が協力して患者を見守る必要があり、この会を通じて今後も情報を共有していきましょうと総括されました。

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安田昌宏がん専門薬剤師 田村量哉医師
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豊木廣部長 杉山副院長

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注射薬の配合変化研修の様子

日時
平成30年10月2日
午後5時30分から午後6時30分
場所
岐阜市民病院
看護学校講堂

新人薬剤師、新人看護師および実務実習生向けに注射薬の配合変化についてテルモ(株)に依頼して、講義と実際の注射薬を用いて体験型の研修会を行いました。実際の配合変化が生じた時は会場が大いに盛り上がりました。参加者したのは、当院の薬剤師、新人看護師、実務実習生でした。
今後、医療現場において、お互いさらに協力し合う関係が築けることを期待します。

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研修の様子 フロセミドの配合変化
白く濁るかな?
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何が起きるかな? メイロンを混和した輸液に気泡が幾つも‼

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第57回 全国自治体病院学会in福島

日時

平成30年10月18日(木)~19日(金)

場所
けんしん郡山文化センター、ホテルハマツ、郡山市労働福祉会館

本学会は「地域医療の明日を拓く~自治体病院の機能分化と連携強化~」をテーマとして開催されました。その理由は、現在、少子高齢化社会の急速な進展や生産年齢人口の減少、地域医療構想の策定、働き方改革など、医療を取り巻く環境が大きく変化する中、私たち自治体病院もまた、大きな変革を求められています。一方で、自治体病院は地域医療の最後の砦であり、私たちは、力を合わせて地域住民の皆さまに最善の医療を提供する必要があります。
発表では、調剤過誤の規定、マスターの維持に要する時間、システムの導入費用等質問があり、このシステムへの関心の高さが感じ取れました。この学会に参加し、様々な施設から貴重な意見を伺う事が出来ました。これらの意見を参考に、今後更に発展させていきたいと考えております。

発表演題内容
発表演題内容  発表者
1.調剤支援トータルシステムの開発と調剤過誤件数の推移 後藤千寿

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平成30年度 第2回 栄養のための地域連携における在宅医療勉強会の様子(平成30年9月開催)

日時
平成30年9月29日
午後4時00分から午後6時00分
場所
岐阜市民病院
西診療病棟4階大会議室(サルビアホール)

大型台風24号が日本列島縦断すると予想される前日の9月29日に、今年2回目の「栄養のための地域連携における在宅医療勉強会」を開催しました。雨が降る足元の悪いにも関わらず52名の出席者を迎えることができ、大変うれしく思います。今回は、看取りをテーマとして開催し、出席者の職種は、保険薬剤師:30名、病院薬剤師:6名、医師:4名、看護師:11名、MSW:1名でした。この勉強会の講演タイトルと演者および概要は以下のとおりでした。

一般講演①:「保険薬局における終末期医療~終末期医療を受けるための準備とスキル~」(講師:ピノキオ薬局三津屋店 店長 管理薬剤師 山内恵太薬剤師)
今まで在宅医療において322名の患者に携わっており、その内訳は、がん患者が24%、その他の疾患が76%である。がん患者の在宅医療の1症例を話され、在宅医療に携わる薬剤師は、患者に起こりうる想定される出来事を考え、起こりうることを想定の範囲内に置くことが重要であると話された。

一般講演②:「人生の最終段階における療養者とその家族の意思を尊重した看護師の関わり~在宅チームとの連携のなかで~」(講師:西濃医療生活協同組合 しずさと訪問看護ステーション 所長 正岡真弓看護師)
終末期のがん患者の在宅医療の1症例を話された。初段階では、患者さんは治療に対して前向きであったため、化学療法継続の意思を支える立場を立ち、化学療法を規定の回数が終了したのを機に、患者さんは、治療に対して達成感を感じられ、徐々に緩和医療を受容された。PSが悪化し、寿命が半年と言われ、患者さんのホスピスへの思いを受け取り、予約を取った。患者さんは、痛み、吐き気、怠さをできるだけ取ってほしいとの要望があり対応させて頂いた。予約を取ったホスピスへの入院は無かった。ホスピスへいつでも入れるという安心感が在宅での看取りが可能であったのではないかと話された。患者さんの揺れ動く意思にしっかりと寄り添うことの重要であると話された。

特別講演:「がん患者の在宅看取りについて」(講師:医療法人大垣在宅クリニック 雪田洋介院長)
わがクリニックの在宅医療で訪問している疾患は、がんが62%、呼吸疾患が15%、認知症6%、神経疾患・脳血管疾患4%、心疾患・腎疾患4%、その他が28%の割合である。平成29年の西濃地区の看取りの場所は、自宅415、グループホーム86、病院2775、診療所85、老健施設124、老人ホーム342、その他2となっている。一般的に在宅の定期訪問は月1~2回訪問し、患者さんの求めに応じて臨時訪問を行っている。がん患者さんの場合は、医師は、1~3回/週、看護師は3~5回/週と回数は多くなっている。終末期の全身的苦痛には、身体的苦痛、精神的苦痛、社会的苦痛、スピリチュアルペインがあり、病院では、医療者と患者が中心で家族がそれを支えているが、在宅では、患者と家族が中心であり、医療者はそれを支える構図となる。苦痛を除するにはどちらが良いのを考えるべきである。がん終末期の症状には、疼痛、呼吸困難、気道分泌過剰、せん妄、便秘症、眠気等が現れるが在宅でも十分対応できると話され、前の講演で示された症例について、薬剤師の関与、看護師の関与、医師としての関与について、詳細に話され、在宅医療は、多種の医療者が協力して行っていくべきであると締められた。

最後に、岐阜市民病院高橋健医師が、大垣での在宅医療の現状が理解でき、スライドの写真を見て、自宅の生活の場においての治療は、患者さん、家族にとって有意義な時間であると改めて感じたとの講評を述べました。これからも多職種が共同して在宅医療を進めることが重要であり、今後とも先生方のご協力をお願いしたいと話しました。

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ピノキオ薬局三津屋店 
店長 理薬剤師 山内恵太薬剤師
西濃医療生活協同組合
しずさと訪問看護ステーション
所長 正岡真弓看護師
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医療法人大垣在宅クリニック
雪田洋介院長
岐阜市民病院地域連携部部長
高橋健医師

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第51回 日本薬剤師会学術大会の様子

日時
平成30年9月23日(日)~24日(月)
場所
石川県立音楽堂、ANAクラウンプラザホテル金沢、ヴィサージュ、ホテル日航金沢、金沢市アートホール、ホテル金沢、アパホテル金沢駅前、大原学園金沢校

この学術大会のメインテーマは、「人として、薬剤師として」でした。人が一生のうちで必ず経験する「生・老・病・死」という人生の根源的なテーマの下で、薬剤師がそれぞれの場面でどんなかかわりが出来るのか、また、どうかかわるべきなのかについて考え、そして気づくきっかけを掴む魅力ある特別講演、分科会が企画されていました。今回は、「数量間違い等の調剤ミス防止のための重量監査システムの構築」を演題として発表いたしました。多数の先生方からシステムの内容、調剤時間の延長について聞かれ、操作は簡単で時間のロスは少なく、システムを使用することでの安心を担保できることを回答させて頂きました。また、貴重なご意見も賜り、今後の業務につなげたいと思います。

発表演題内容
発表演題内容  発表者
1.数量間違い等の調剤ミス防止のための重量監査システムの構築 後藤千寿

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平成30年度 第1回 栄養のための地域連携における在宅医療勉強会の様子(平成30年8月開催)

日時
平成30年8月25日
午後3時00分から午後5時00分
場所
岐阜市民病院
西診療病棟4階大会議室(サルビアホール)

8月25日に、栄養のための地域連携における在宅医療勉強会を開催しました。この日は、台風12号のために延期となった花火大会が開催され、交通渋滞が予想されるにも関わらず46名の出席者を迎えることができ、大変うれしく思います。今回は、終末期の緩和医療をテーマとして開催し、出席者の職種は、保険薬剤師:33名、病院薬剤師:4名、医師:2名、看護師:4名、ケアマネジャー:3名でした。この勉強会の講演タイトルと演者および概要は以下のとおりでした。

一般講演①:「ある薬剤師と在宅」(講師:ななくさ薬局 代表取締役秋山あかね薬剤師)
ななくさ薬局でのモットーは、「何とかしたい」である。調剤薬局は、はじめはPoint(点を打つ)であったが、Line(線にする)にして患者と繋がり、Weave(面にする)として多数の医療機関と情報を収集し、Wrap(円にする)として患者を地域の医療従事者で見守るようになりたいと考えている。ななくさ薬局では、外来業務と在宅活動は半々であり、在宅活動では、他職種との連携を深めるため、様々な勉強会に参加している。サービス担当者会議では、主にケアマネ、退院調整会議では、開業医・訪問看護師・ケアマネ、クリニック定期カンファでは、医師など、顔と顔が見える関係を築いていると話されました。

一般講演②:「訪問看護師からみた地域連携~在宅緩和ケアの実際を通して~」(講師:医療法人胡蝶会 サンエイナースステーション蔦垣めぐみ看護師)
全国では、訪問看護ステーションは、9,904カ所あり、経営は、営利法人が47.2%、医療法人が28.4%であり、看護師は3万人、平均年齢47歳、24時間対応が9割である。3~5人での体制が45%に及んでおり、訪問看護師が3人+リハビリテーション技師1人の配置となっている。対応する疾患は、循環器26%、神経系17%、精神疾患14%、筋骨格等9%、呼吸器系4%、がん9%等となっている。がん性の疼痛管理は、バルーン・インヒューザを使用している。情報の共有化では、ICTを活用しMedical/Care Stationを使用している。訪問看護師は100%使用しているが、他の職種は10%くらいしか利用していないのが現状である。訪問看護師の滞在時間は30~60分であり、内服薬の整理を行っていると他の作業ができないことがあり、薬剤師の訪問薬剤管理指導をして頂くと本来の業務に注力できる。また、Deathカンファレンスは、病院と在宅を結ぶ上で患者のためにどうしたらいいのかを考えるよい機会であると話されました。

特別講演:「在宅での緩和医療の実際~終末期の根本的な考えと栄養管理を含めたアプローチについて~」(講師:医療法人胡蝶会サンエイクリニック 浅井真嗣院長)
在宅医療の対象者は「一人で通院困難な方」これだけである。そのため、対象者は非常に多く、現在我が医院は184人を在宅で診ている。今回のテーマである終末期の医療は、患者さんの尊厳を保つことが重要である。人生の終焉は自由であること、そのためには、苦痛をなるべく感じないことである。痛みには、4つあり、身体的、精神的、社会的そしてSpiritual Painがあり、すべて在宅医療でも対応可能であり、入院より在宅の方が良い場合もある。痛みをすべて取り除くことは不可能なので、取れない苦痛があることを認識すべきである。取れない苦痛とは、内在している欲(希望と現実の隔たり)であり、それを軽減することが重要である。告知をされた場合の心理状態は、まず否認し、怒りが込み上げ、取引し、準備的悲嘆し、受容する。そこには、内部の不都合が生じている。取れない苦痛は、内在している欲が原因であるので、患者さんの心理を理解し、承認し、患者さんに必要とされ、感謝されることで自分のことをわかってもらうことで喜びを感じ、強烈な信頼感が形成されるのである。指導、助言、見解は二の次である。患者さんが入院する場合は、不安があったり、病院で死にたい、家族への気遣い、治療目的、介護疲れがあった場合である。
終末期においては、点滴をしません。そのため、サンドスタチンを使用したことがありません。点滴をすると腸管浮腫が生じるためである。また、点滴が必要な時は、上限1500mL/dとし皮下輸液をします。
在宅死を左右する因子として、本人の希望と家族の意向である。親密な家族は在宅死を選択することが多い。独居でも在宅死はできます。終末期になると本人の自己決定の意識が希薄となるため困難となる。まだ、法律が整備されてないためである。ピンピンコロリは理想であって、現実的ではない。
最後に、薬剤師さんへの5つの提言をさせてください。
①薬が問題となる場合は、薬剤師が主導で!!
②薬剤師は患者本人に会うべし
③薬剤師は服薬状況の把握とその情報を皆に広めるべし
④地域等の退院調整会議に出席すること
⑤訪問薬剤指導を医療・介護機関に認知させること
と最後を締めくくられました。

最後に、岐阜県副会長棚瀬友啓先生からが、講演された在宅チームは心使いが良く、お手本となります。また、浅井先生から、24時間の対応はないという言葉には安心しました。私も終末期の在宅医療を経験したことがありますが、とても良い経験となりました。1度でもいいですので在宅医療をやってみましょうとありがたいお言葉を頂き研修会を終えました。

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ななくさ薬局 
代表取締役秋山あかね薬剤師
医療法人胡蝶会 サンエイナースステーション
蔦垣めぐみ看護師
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医療法人胡蝶会サンエイクリニック
浅井真嗣院長
岐阜県薬剤師会副会長 
棚瀬友啓薬剤師

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The 18th World Congress of Basic and Clinical Pharmacology;WCP2018の様子

日時
平成30年7月1日(日)~6日(金)
場所
国立京都国際会館

本学会は、テーマを"Pharmacology for the Future -Science, Drug Development and Therapeutics-"とし、基礎から臨床、薬物開発まで薬理学に関する最新の研究成果の国際的な発表と情報交換の場を形成、様々な国の薬理学研究者との交流を推進するとともに、日本の薬理学の水準と活動を世界に示して本学会のさらなる発展の契機にしたいと考えています。
この学会に、当院薬剤部では、「Calcium-channel blockers exacerbate edema induced by ombitasvir / paritaprevir / ritonavir (VIEKIRAX®)」を演題として発表しました。傍聴の先生から、様々な意見を頂き、今後の医療現場に活かしたいと思います。

発表演題内容
発表演題内容  発表者
1.Calcium-channel blockers exacerbate edema induced
by ombitasvir / paritaprevir / ritonavir (VIEKIRAX®)
堀晃代

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第68回日本病院学会の様子

日時
平成30年6月28日(木)~29日(金)
場所
石川県立音楽堂/ホテル日航金沢/金沢市アートホール/ホテル金沢

この学会のテーマは、「医療制度ルネッサンス―未来を見据え、今を創新する―」である。このテーマは、現在、団塊の世代が75歳以上となる高齢者の急増が見込まれる2025年を目途に、財源の確保をはじめとする国民皆保険制度の維持を念頭に「病床の役割の分化・連携強化、在宅医療の推進」と「地域包括ケアシステム構築の推進」などを確立するための医療制度改革が急ピッチで進められている中、医療制度がどのように変わろうと、医療人に課せられたこれらの使命を果たし、さらに長年培ってきた質の良い医療を今後も提供し続けるために、すべての医療人が互いに協力し、英知を結集することが求められているという背景から設置されました。
この学会おいて、当院では、2演題発表し、会場では多くの方々から質問をいただき、活発な議論ができました。この発表成果を生かして、今後の業務に努めていきたいと考えます。

発表演題内容
発表演題内容  発表者
1.学生実務実習におけるハンディ端末を利用した注射調剤 小林健司
2.リスク回避のための注射薬バーコードマッチングシステムの導入とその効果について 水井貴詞

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学生実務実習におけるハンディ端末を
利用した注射調剤
リスク回避のための注射薬バーコードマッチングシステムの導入とその効果について

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医療薬学フォーラム2018 第26回クリニカルファーマシーシンポジウムの様子

日時
平成30年6月23日(土)~24日(日)
場所
東京ビッグサイト TFTホール

この年会のテーマは、「よりよい医療を目指して―基礎と臨床の連携が実現する医療薬学の成果―」です。現在、患者や国民の期待に応えるには、基礎薬学に裏付けられた質の高い医療の提供が必要となり、医療現場での問題点や薬剤師が臨床で遭遇する課題を解決するための大学や企業との連携、研究成果の臨床への還元など、基礎と臨床の連携がとても重要であることかから、それをテーマとしたこの年会への参加は非常に有意義なものとなりました。
また年会には、当院より3演題発表させて頂きました。いろいろと質問して頂きとても勉強になり、明日からの業務に活かしたいと思います。

発表演題内容
発表演題内容  発表者
1.計数調剤支援システムを使用した実務実習生の調剤過誤を減らす試み 大野佑城
2.薬品倉庫削減への取り組みと効果 小林健司
3.バーコード認証システムから検証できる医薬品過誤の分析内容 後藤千寿

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計数調剤支援システムを
使用した実務実習生の調剤過誤を減らす試み
薬品倉庫削減への取り組みと効果
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バーコード認証システムから
検証できる医薬品過誤の分析内容

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岐阜薬科大学早期体験学習の施設見学

平成30年5月30日に,岐阜薬科大学 機能分子学大講座 生薬学研究室 助教 幅愛実先生の引率で,10名の岐阜薬科大学1年生が早期体験学習の施設見学に岐阜市民病院に来てくれました。調剤室,注射室,無菌調製室,製剤室,DI室,治験管理センター等を見学しました。あいにくの雨のため,屋上のヘリポートへ行けなかったことが残念でした。
学生から,岐阜市民病院薬剤部の特徴はとの質問があり,医療安全への対策,薬剤師レジデントの導入,地域連携の強化を図っていると回答しました。学生は,臨床現場で活躍したいと目を輝かしていました。
学生生活を大いに満喫し,りっぱな薬剤師として社会に貢献できることを期待します。

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第3会議室にて

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第61回日本糖尿病学会年次学術集会

日時
平成30年5月24日(木)~26日(土)
場所
東京国際フォーラム、JPタワー、東京コンベンションホール、MY PLAZA ホール

本学会のテーマは、「糖尿病におけるサイエンスとアート(人を診る力)の探究」でした。これは、最先端のサイエンスを余すことなく網羅するとともに、これからの糖尿病診療の在り方、すなわち「アート」について、多くの職種を交え、多角的に論じて頂きたいと願うことから決められました。本学会において、薬剤師として発表し、医師から、調査方法、併用薬の違いによる比較等この発表に関して、様々な視点について質問して頂き、良い勉強になりました。

発表演題内容
発表演題内容  発表者

救急外来を受診した成人低血糖患者の解析

大野佑城

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平成30年度 岐阜薬科大学OB・OG就職説明会の様子

日時
平成30年4月19日(木)~20日(金)午後1時~午後4時
場所
岐阜薬科大学本部キャンパス

今回は18薬局,12病院,4企業,3県の官公庁の計28施設の参加であった。1分程度のOB・OGの自己紹介において,岐阜市民病院薬剤部の取り組みとして,調剤過誤ゼロを目指した調剤支援システムの構築について話した後,OB・OG就職説明会が始まった。岐阜市民病院のブースには, 10名の学生が立ち寄った。今月当院を見学をした学生もおり,当院薬剤部に興味を抱かれ,質問は業務の細部まで及んだ。今年度の職員募集の応募に期待する。

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岐阜市民病院のブース 今回も3人で参加しました

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日本薬学会第138年会の様子

日時
平成30年3月25日(月)~28日(水)
場所
石川県立音楽堂、金沢市アートホール、ANAクラウンプラザホテル金沢 他

本年会は「次世代に向けた創薬・医療イノベーションの今」をテーマとし、難病の克服・治療を目指して日々開発される様々な創薬・薬物治療・医療の革新的技術を中心に、薬学関連研究の最前線と将来展望について議論し、情報を共有することを目的とされていた。基礎薬学から臨床応用まで幅広い発表がされており、医療薬学や薬学教育の急速な発展など、薬学領域の教育・研究における多様化や国際化が日進月歩の勢いで進んでいることを本学会で実感した。
当薬剤部における発表に対して、「病院薬剤師が退院時共同指導に参加するのは珍しい」、「退院時共同指導へ参加できるのと出来ないのでは、今後の患者への関わり方に大きく影響するので、病院からかかりつけ薬局等へ連絡がもらえるのはありがたい」、「岐阜市薬剤師会も協力してもらえており、今後このような取り組みが全国でも広がってもらいたい」などと様々な意見を頂いた。今後地域連携、在宅医療がますます進んでいくことが予想されるが、まだ薬局薬剤師の参加は十分ではないと感じている方が多くいることを実感した。薬局薬剤師が退院時共同指導の実施を知る手段はほとんど確立されておらず、参加したくてもできない状態であることを改めて知り、当院のように薬剤師会の協力を得て連携を図っていく取り組みが浸透していくよう努力していく必要があると感じた。また、受け手側の調剤薬局も24時間対応や高カロリー輸液の調製、麻薬の取り扱い等今後の在宅医療を担えるような体制を整える必要があることも感じた。

発表演題内容
発表演題内容  発表者

退院時共同指導に参加した保険薬剤師の退院後の在宅療養への関与の検討

後藤千寿

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第7回 地域連携における安心ながん化学療法を進める会の様子

日時
平成30年3月1日
午後7時00分から午後9時00分
場所
岐阜市民病院
西診療病棟4階大会議室(サルビアホール)

3月1日に開催した地域連携における安心ながん化学療法を進める会は7回目を迎えることができました。春一番が吹き、激しい風が吹いている状況でしたが、75名の出席者を迎えることができました。今回は、膵・胆道癌をテーマに開催し、また、緩和ケアセンター長による鎮痛薬の使い分けについての教育講演も頂きました。参加者は、保険薬剤師:41名、病院薬剤師:21名、医師:5名、学生:8名の計75名でした。講演のタイトルと演者および概要は以下のとおりでした。

活動報告:「膵・胆道癌の薬物療法」(講師:岐阜市民病院薬剤部 安田昌宏がん専門薬剤師)
膵・胆道癌の診療ガイドラインから術後補助化学療法、化学放射線療法、局所進行切除不能癌に対する化学療法、遠隔転移を有する化学療法等について、クリニカルクエスチョン(CQ)、アルゴリズムを用いて説明し、地域連携における安心ながん化学療法を進める会のホームページの患者用の説明書について紹介した。また、がんに関する問い合わせについても、このホームページから受け付けていると紹介した。

教育講演:「鎮痛薬の特徴と使い分け―薬剤師にチェックしてもらいたいポイント」(講師:岐阜市民病院 緩和ケアセンター 石黒崇センター長)
がん患者にみられる痛みには、がんによる痛み(体性痛、内臓痛、神経障害疼痛)、がん治療による痛み(術後痛症候群、化学療法誘発末梢神経障害性疼痛、放射線照射後疼痛症候群)、がん・がん治療と直接関連のない痛みがある。痛みの包括評価は、痛みの原因の評価と痛みの評価であり、痛みの原因の評価は、身体所見や画像検査からの痛みの原因を医師が診断する。痛みの評価は、日常生活への影響、痛みのパターン、痛みの強さ、痛みの部位、痛みの経過、痛みの性状、痛みの増悪因子・軽快因子、現在行っている治療の反応、レスキュー薬の効果と副作用に分けて評価する。がん疼痛治療の目標は、第一に痛みに妨げられない夜間の睡眠、第二に安静時の痛みの消失、第三に体動時の痛みの消失である。鎮痛薬使用の5原則は、経口的に、時刻を決めて規則正しく、除痛ラダーにそって効力順に、患者ごとに個別的な量で、その上で細かい配慮をである。鎮痛補助薬であるプレガバリンの使用は、眠気がくるが、嫌な眠気で無いかを必ず確認する必要があると薬剤師にチェックしてもらいたいポイントを詳細に講義され、勉強になりました。

特別講演:「膵癌の最近の話題~薬剤師が知っておきたいポイント~」(講師:岐阜市民病院 消化器内視鏡部 向井強部長)
膵臓は、長径が15㎝、厚みは2㎝であり、癌を見つけるのが難しい臓器である。2016年の統計では、膵癌は、がん種による死亡は男性で5位、女性で3位であり、発見から1年以内の死亡は90%以上と言われている。膵癌による症状の発現は少なく、腹痛が32%、黄疸が19%、無症状は15%にも上る。化学療法の効果は、術前補助療法+切除例の生存期間中央値は21~40ヶ月、非切除例は10~15.5ヶ月である。化学療法は、ジェムザール(GEM)を含む治療として、GEM単独、GEM+エルロチニブ、GEM+nab-PTXとフッ化ピリジン系薬剤を含む治療として、FOLFIRINOX、S-1があり、一次化学療法にどちらか1法を施行し、不応になったら二次化学療法にはもう1法に変更することとなる。膵癌の大きさにより5年生存率が異なり、1㎝以下であれば、80.4%となる。そのため、膵癌の早期発見が重要であり、リスクファクターを啓蒙する必要がある。膵癌発症の危険率は家族性膵癌6.79倍、遺伝性膵癌60~87倍、糖尿病1.94倍、肥満で20歳代にBMIが30㎏/m2以上の男性3.5倍、喫煙1.68倍、飲酒(3ドリンク以上)1.22倍、職業で塩素化炭化水素曝露2.21倍である。膵癌の時間軸は、上皮内癌が形成するのに約12年、腫瘍が1㎝になるには2~3年を要するため、ここで診断ができれば完治が望めると話された。

最後に、杉山副院長が、膵癌の早期発見のために、薬局の窓口において、膵癌のリスクファクターのパンフレット等で患者さんに説明して頂くことで、早期発見の注意喚起となりますので膵癌撲滅のために協力をお願いしたいと話された。また、今後、患者さんを支えフォローしていくために、病院と保険調剤薬局が協力して患者を見守る必要があります。この会を通じて今後も情報を共有していきましょうと総括した。

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安田昌宏がん専門薬剤師 石黒崇センター長
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向井強部長 杉山副院長

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岐阜西地区薬・薬連携勉強会の様子

日時
平成30年2月8日(木)
午後7時15分から午後8時45分
場所
OKBふれあい会館3階中会議室

今回の岐阜西地区薬・薬連携勉強会は、岐阜市民病院血液腫瘍センター長 高橋 健先生に講演して頂いた。内容は、「慢性骨髄性白血病の治療の変遷と薬・薬連携の今後」であり、講演内容は以下となる。
骨髄性白血病は、 9番染色体と22番染色体が途中で切断され、それぞれ相手方の染色体と結合する異常が認められ、この異常な染色体をフィラデルフィア染色体と呼んでいる。このフィラデルフィア染色体から、新たにBCRABLと呼ばれる異常な遺伝子が形成され、ATPの活性を受け、BCRABL蛋白質が産生され、白血球増加の原因となります。病歴は、慢性期平均5年、移行期数か月、急性転化数か月の転帰をとる。
イマチニブが発売される2001年11月前では、ブスルファン、同種骨髄移植、インターフェロン、ヒドロキシカルバミドしか使用できなかった。ブスルファンと同種骨髄移植では、治療初期において、同種骨髄移植の副作用により死亡率は高かった。当時の同種骨髄移植の成功例は6割ぐらいであった。インターフェロン、ヒドロキシカルバミドでは、major responseが10~38%であり、長期間寛解が得られるが、フィラデルフィア染色体は低くなるが無くならない。
新たにチロシンキナーゼ阻害剤のイマチニブが発売されると、フィラデルフィア染色体が検出されなくなり、内服を中断しなければ、悪化することはほとんどなくなった。現在では、チロシンキナーゼ阻害剤は、イマチニブ、ニロチニブ、ダサチニブ、ボスチニブ、ポナチニブの5種類が使用できる。イマチニブは浮腫に注意を要し、肺線維症に気を付ける。ニロチニブは、糖尿病の悪化に、ダサチニブは、胸水に注意を要する。また、ニロチニブ、ダサチニブは、若年において、高用量を数年間継続内服すると5割が内服を中止することが出来るため、若年者において、高用量を継続内服する場合がある。その場合には、5%くらいに心血管系の副作用が生じ、特にその危険因子は糖尿病、高血圧、高脂血症である。ボスチニブは、セカンドラインで使用可能で、下痢と一過性の肝機能異常に注意をする。この薬剤は、導入さえうまくいけば継続は可能である。ポナチニブは、他のチロシンキナーゼ阻害剤に抵抗性を示す変異型BCR-ABLであるT315I変異があっても有効であると話された。
また、薬・薬連携の今後については、岐阜市において、平成18年に蓮華会、平成23年に菖蒲会、平成29年に岐阜地域急性期病院等医療・介護連携協働ネットワークが発足し、岐阜地域の医療・介護・福祉に従事する多職種間のネットワークが出来上がっています。薬剤師会も委員に参加されていますが、更なる協力をお願いしたいと話された。

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講演される高橋健血液腫瘍センター長

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第50回 東海薬剤師学術大会の様子

日時
平成29年12月3日(日)
場所
ウィンク愛知

学術大会のテーマとして「プロフェッションを追求する」を掲げており、今一度,薬剤師の職能(profession)を見つめ直し,専門職として社会に貢献していることを薬剤師自身が再確認をし,改めて「職能」を世に問う機会とすべく場として開催した。今回は、特別記念講演において,名古屋大学総長補佐水野正明先生から「地域包括ケアシステムと薬剤師」と題して講演され,地域医療には薬剤師が力を発揮する場あるいは必要とする場があるのでどんどん参入してほしいと有難いお言葉を頂いた。また、この学術大会に「円滑な在宅医療移行のための退院時共同指導における保険薬剤師参加推進のための取り組み」と「地域連携における在宅支援への取り組み―地域連携における在宅医療勉強会を開催して―」を演題として発表して来ました。多数の先生方から質問を頂き、活発な議論をしてきました。今後の業務に活かしていきたいと思います。

発表演題内容
発表演題内容  発表者

1.円滑な在宅医療移行のための退院時共同指導における
保険薬剤師参加推進のための取り組み

川路明子

2.地域連携における在宅支援への取り組み
―地域連携における在宅医療勉強会を開催して―

水井貴詞

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1.円滑な在宅医療移行のための退院時共同指導に
おける保険薬剤師参加推進のための取り組み
(ポスター発表)
2.地域連携における在宅支援への取り組み
―地域連携における在宅医療勉強会を開催して―
(口頭発表)

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第27回 日本医療薬学会年会の様子

日時
平成29年11月3日(金)~5日(日)
場所
幕張メッセ、アパホテル&リゾート東京ベイ幕張、ホテルニューオータニ幕張

この学会のテーマは、医療薬学が切り拓く薬剤師力の深化・醸生~医療人としてより輝くために~でした。この学会は、特別講演が6つ、特別企画シンポジウムが3つ、シンポジウムが54件あり、次世代の医療を見据えて新たな薬剤師職能の展開を考える良い機会でした。一般演題では、口頭発表315演題、ポスター発表1379演題があり、当院でも6演題発表してきました。参加された先生からいろいろな意見を聞かせて頂き、とても良い経験となりました。この発表成果を生かして、今後の業務に努めていきたいと考えます。

発表演題内容
発表演題内容  発表者
1.ニボルマブにより全身性皮膚障害を発現した2症例

大澤友裕

2.スルファメトキサゾール・トリメトプリムを
ニューモシスチス肺炎発症抑制に投与する際の安全性に関する検討

青山智

3.C型肝炎治療薬ヴィキラックス錠内服による前向きな副作用調査

堀晃代

4.ニボルマブ投与前の好酸球数による皮膚障害発現リスクの検討

井上誠二

5.円滑に在宅医療へ移管できる保険薬剤師参加型の
退院共同指導への取り組み

川路明子

6.リスク回避を目的とした調剤支援システムの導入

後藤千寿

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1.ニボルマブにより全身性皮膚障害を
発現した2症例
2.スルファメトキサゾール・トリメトプリムを
ニューモシスチス肺炎発症抑制に
投与する際の安全性に関する検討
katudo.yakuzai.h291107-3.jpg katudo.yakuzai.h291107-4.jpg
3.C型肝炎治療薬ヴィキラックス錠内服
による前向きな副作用調査
4.ニボルマブ投与前の好酸球数による
皮膚障害発現リスクの検討
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5.円滑に在宅医療へ移管できる
保険薬剤師参加型の
退院共同指導への取り組み
6.リスク回避を目的とした
調剤支援システムの導入

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注射薬の配合変化の様子

日時
平成29年10月31日
午後5時30分から午後7時00分
場所
岐阜市民病院
看護学校2階看護実習室

この研修は、注射薬の配合変化を学習するために、新人看護師、新人薬剤師、実務実習生に対して、実物の医薬品を用いて行う体験型の研修会です。今回は、34名の参加がありました。
まず、実務実習生に対して、輸液に使う医療器材の説明があり、注射針、翼状針の説明から始まりサーフローフラッシュを実際に操作し仕組みを理解しました。また、中心静脈注射用カテーテルの留置の手順、種類、構造等の説明を受け、輸液セットの材料についても学びました。初めて見る器材に興味津々でした。
第二部は、配合変化の体験型の研修です。グループに分け、お互い作業を分担して研修を行いました。研修内容は、フロセミド、ブロムヘキシン、リン酸水素2カリウム注射液の白濁、メイロン入りの輸液の滴下による点滴筒の水面の低下等でした。参加者は皆、協力し作業を行い、変化を見ては驚き、楽しそうに研修をしていました。

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初めて見る医療器材 サーフローフラッシュの操作
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配合変化研修の様子 メイロンによる点滴筒の水面の低下

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岐阜西地区 病・薬連携カンファレンスの報告の様子

日時
平成29年10月26日
午後6時50分から午後9時00分
場所
グランヴェール岐山

10月26日に開催した岐阜西地区病・薬連携カンファレンスは、在宅医療と糖尿病をテーマに開催されました。参加者は、保険薬剤師:29名、病院薬剤師:13名、医師:3名の計45名。講演のタイトルと演者および概要は以下のとおり。

ミニレクチャー1:「田舎の小さな薬局のポリファーマシーへの取り組み」(講師:小川薬局 小川和代先生)
地域における取り組みとして、地域包括運営会議、地域ケア会議、地域高齢者福祉懇談会に参加し、月1回健康についてのお話会を薬局で開催しています。また、自治体等で主催する年1回のみわふるさと福祉村福祉・健康まつりにもスタッフとして参加し、住民の健康相談対応しています。特養における取り組みとして、医師の回診に同行、処方内容の検討、医療従事者との評価スケールを同一化するためのブリストル排便スケールの使用。在宅の取り組みとして、実症例を説明し、介入事例についても詳細に説明されました。その内容には、すごく感銘を受けました。

ミニレクチャー2:「腎機能・体表面積推算式による薬用量確認について」(講師:中部薬品株式会社V・drugぎふ西調剤薬局 吉田達彦先生)
腎機能が悪くなれば、薬物の投与量を減量しなければいけない。しかし、血清Cr値をもとにした腎機能予測式には限界がある。血清Crは栄養状態が悪い、筋肉量が少ないと低く出る。また、eGFRは体表面積が1.73m2であることを理解しておく必要がある。よって体表面積補正をなくしたeGFRで評価した方が良い。店頭には、体重計、身長測定器を置いて随時測定を行っている。薬物の適正使用には欠かせないものである。高齢者の糖尿病患者においては、低血糖の症状が一般的ではないため、患者とうまくコミュニケーションをとり、情報を聞き出すことが重要であると話されました。

特別講演:「高齢者の多様性を考慮した糖尿病治療」(講師:岐阜大学医学部附属病院生体支援センター講師 飯塚勝美先生)
糖尿病の治療薬が昨今多く開発され、HbA1c<6.5では50%、HbA1c<7%では80%、HbA1c<7.5では90%の達成率を得られるようになってきました。糖尿病の治療において、HbA1c7.5を達成するには、空腹時血糖の管理、HbA1c7以下を達成するには、食後の血糖の管理が必要である。空腹時血糖を下げるには、持続型インスリン、SGLT2阻害剤、GLP-1作動薬が効果的である。空腹時血糖を20で割って0.4を加えれば大まかなHbA1c値となるため、患者にとっては朝食前の血糖を測定することで前日の夕食について考えることができる。高齢者は、低血糖症状が現れにくく血糖が30くらいに下がるまで症状が出ない。症状が出たらすぐに意識障害となることがあるので注意する必要がある。患者さんの予見される自覚症状を注意深く聞き取ることが必要である。

今回の岐阜西地区病・薬連携カンファレンスでは、高齢者の糖尿病患者さんをフォローするには、典型的でない低血糖症状を注意深く聞き取る重要性について学びました。

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第56回 全国自治体病院学会の様子

日時
平成29年10月19日~20日
場所
幕張メッセ

この学会のテーマは、医療がつくる地方創生~2025年、その先へ~でした。総会特別講演では,慶応義塾大学の名誉教授の田中滋先生が「医療・介護がつくる地方創成 世界の先端を行く超高齢社会を活かす戦略とは」と題して講演され、尊厳と自立支援を守る予防が大切であると言われました。薬剤分科会では、総数122演題ありました。薬剤部では2演題発表し、会場では多くの方々から質問をいただき、活発な議論ができました。この発表成果を生かして、今後の業務に努めていきたいと考えています。

発表演題内容
発表演題内容  発表者
1.調剤過誤ゼロと調剤作業を記録する調剤支援システムの構築

後藤千寿

2.リスク回避を目的とした注射薬バーコードマッチングシステムの導入

水井貴詞

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1.調剤過誤ゼロと調剤作業を記録する
調剤支援システムの構築
2.リスク回避を目的とした
注射薬バーコードマッチングシステムの導入

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第6回 地域連携における安心ながん化学療法を進める会の報告の様子

日時
平成29年9月28日
午後7時00分から午後9時00分
場所
岐阜市民病院
西診療病棟4階大会議室(サルビアホール)

9月28日に開催した地域連携における安心ながん化学療法を進める会は6回目を迎えることができました。ホームページも充実し、患者用の説明書も多く掲載できています。今回は、胃癌をテーマに開催し、また、保険調剤薬局のまみや調剤薬局清住店 野々村和哉先生から症例報告も頂きました。参加者は、保険薬剤師:29名、病院薬剤師:21名、管理栄養士:1名、医師:2名、学生:6名の計59名でした。講演のタイトルと演者および概要は以下のとおりでした。

活動報告:地域連携における安心ながん化学療法を進める会~これまでの活動と今後の展望~」(講師:岐阜市民病院薬剤部 大澤友裕がん専門薬剤師)
地域連携における安心ながん化学療法を進める会のホームページの紹介とがん化学療法の問い合わせの方法等を案内し、今後はお薬手帳を用いたレジメン、副作用の情報提供に関する案内をし、保険薬剤師と協力しながら、がん化学療法を受けている患者さんを見守っていきましょうと提唱した。

教育講演:「がんと栄養」(講師:岐阜市民病院薬剤部 説田英利子NST専門療法士)
がん細胞は筋肉をこわして体力を奪うため、口から食べることが体力維持の決め手となる。食べられないからと点滴に頼っていると腸の粘膜が炎症を起こして腸内の悪玉細菌や毒素が体内に入って、各所に炎症を引き起こすので注意する。がん悪液質は、経口摂取の減少と代謝異常による負の蛋白、エネルギーバランスを特徴とする病態である。がん患者に対する至適なエネルギー投与量は、代謝異常が軽い段階では通常の栄養量を設定し、代謝異常が高度になる段階で投与量を減量するのが基本である。

症例報告:「薬局薬剤師と一緒に考えるがん化学療法への関わり方」(講師:まみや調剤薬局清住店 野々村和哉先生)
胃癌術後補助化学療法を施行されている患者さんについて症例報告をされた。抗がん剤については、副作用発現頻度、対症療法等について調べ上げ、来店時には、CTCAEによる有害事象評価をし、また、処方薬については、症状に合わせて適正かどうかを評価されていた。また、S-1服用のため、アドヒアランスと臨床効果についての論文を読まれ、患者さんに服薬の重要性について説明されていることを聞き感銘を受けた。また、患者さんの副作用に対する介入とその評価をきちんと整理されていることに患者さんへの熱い想いを感じました。

レクチャー:「胃癌で使用される薬剤の特徴」(講師:岐阜市民病院薬剤部 安田昌宏がん専門薬剤師)
胃癌に使用される内服薬のS-1、カペシタビンを中心に、薬剤の特徴、副作用等を説明した。S-1では、涙道閉塞が生じることあるので涙目になった場合は、早めの対処が必要である。カペシタビンは、手足症候群の副作用を観察すべきであり、疼痛を伴うGrade2、あるいは日常生活に支障がでるGrade3になった場合は、カペシタビンを休薬し、Grade1に緩解するまで投与できない。医療従事者はもちろん患者さんにも観察して頂くことが安心ながん化学療法を進めることである。

特別講演:「胃癌治療の現状―最新のガイドラインに基づく手術と化学療法―」(講師:岐阜市民病院診療局長・外科部長 山田誠医師)
胃癌は、深達度分類・リンパ節転移・遠隔転移によって進行度(Stage)分類される。手術は、胃癌が粘膜下層までであったら縮小手術、リンパ節転移により定型手術、拡大手術となり、遠隔転移がある場合は緩和手術となる。胃癌手術には、胃全摘術、幽門側胃切除術、噴門側胃切除術があり、その再建術についてもイラストでわかりやすく説明された。また、最近は腹腔鏡下胃切除が普及しその特徴についても説明された。術後の化学療法については、TS-1、XELOX、TS-1+Docetaxel、SOX等のエビデンスについて論文の結果に基づいて詳細に説明された。また、胃癌に対するがん化学療法の5次治療までの私案は興味深い内容であった。さらに9月に胃癌に適応拡大となったニボルマブのエビデンスについても説明された。

最後に、杉山副院長が、安心ながん化学療法を進めるためには、胃癌の治療が5次治療まで存在するため、今後ますます保険薬剤師の協力がなければ続けられません。患者さんを支えフォローしていくために、病院と保険調剤薬局が協力して患者を見守る必要があります。この会を通じて今後も情報を共有していきましょうと総括した。

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がん専門薬剤師
大澤友裕
NST専門療法士
説田英利子
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まみや調剤薬局
野々村和哉先生
がん専門薬剤師
安田昌宏
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診療局長・外科部長
山田誠医師
挨拶する杉山保幸副院長

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平成29年度 第2回栄養のための地域連携における在宅医療勉強会の様子

日時
平成29年9月23日
午後3時00分から午後5時40分
場所
岐阜市民病院
西診療病棟4階大会議室(サルビアホール)

岐阜市民病院薬剤部では、今年2回目の栄養のための地域連携における在宅医療勉強会を9月23日に開催しました。今回のテーマは『誤嚥性肺炎予防』と『訪問看護ステーションの看護師から保険薬剤師への提言』の2項目でした。参加者は、保険薬剤師:42名、病院薬剤師:9名、看護師:9名、管理栄養士:4名、医師:2名、理学療法士:1名、言語聴覚士:1名の計68名でした。講演のタイトルと演者および概要は以下のとおりでした。

特別講演1:「在宅訪問を始めた1年間を振り返って」(講師:平成調剤薬局川部店の薬剤師 中嶋亜紀先生)
この1年間の実績は、在宅患者訪問薬剤管理指導料算定が20件、居宅療養管理指導費が154件、患者数は19名であった。当初は実績のあるチェーン店の薬局からノウハウを聞いてスタートしたものの、患者宅に上がれず、玄関先での作業に限定されたため、患者の状況把握に長時間を必要とした。この苦い体験から、初回訪問時は訪問看護ステーションの看護師と同伴するとスムーズに患者宅に上がれることを学び、その際に本人や家族と面談して、薬の管理状況、薬の管理責任者、薬のアドヒアランス、呑み込みの状況、残薬使用の可否を確認するとともに、居宅療養管理指導の契約を行い、負担割合や支払い方法を確かめることにした。また、『在宅医療・介護連携システムTHP+』を利用することで、かかりつけ医や訪問看護師と情報共有ができ、患者宅では頓服薬(ロキソプロフェン、アセトアミノフェン、ドンペリドン坐剤、ピコスルファート、等)の薬品名を大きな字で記入し、指示内容を理解しやすいように心がけている。さらに、在宅医療では本人と家族への説明を統一する必要があること、終末期においては残された時間の使い方を十分に考慮に入れた上で業務を遂行しなくてはいけないことを実感した。

特別講演2:「在宅でのヒヤリハット事例」(講師:陽和彩訪問看護ステーションの看護師 高橋陽子先生)
錠剤分包の錠数の間違い、多施設受診に起因する内服薬の重複、調剤薬の配達遅延、在宅医の処方間違い、サプリメント投与による便秘、抗血小板薬再開の指示忘れ、等のヒヤリハット事例を経験したが、そのほとんどは入念な確認で回避できることであった。在宅療養に関わるスタッフ間の連携が上手くできないことで困るのは、患者とその家族であることを肝に銘じ、各々が自分の役割を明確にアピールするとともに、他の職種の業務を十分に理解し、受け入れることが大切である。各々のスタッフが専門性を活かしながら協働すること、また患者・家族の情報を皆で共有することが肝要である。そして、"困った時は訪問看護師に連絡・相談を!"というテイク・ホーム・メッセージが提唱された。

教育講演:「摂食嚥下の基礎知識」(講師:大塚製薬工場学術部 相馬正芳先生)
嚥下は英語では"swallowing"であるが、ツバメとはまったく関係がない。嚥下の難しさは、外から見えないことと、個々に違いがあることである。嚥下は5段階のステップがあり、1期(先行期)は飲食物の形や量、質などを認識する、2期(準備期)は飲食物を噛み砕き、飲み込みやすい形状にする、3期(口腔期)は飲食物を口腔から咽頭に送り込む、4期(咽頭期)は飲食物を咽頭から食道に送り込む、5期(食道期)は飲食物を食道から胃に送り込む、と定義されている。3期(口腔期)が誤嚥性肺炎の原因となる。また、嚥下訓練は、丸のみから開始することになる。

特別講演3:「在宅での摂食嚥下障害への対応」(講師:リハビリ訪問看護ステーションTRYのST 山田友美先生)
自然嚥下は、若者は1分に1回、高齢者は2分に1回、脳梗塞罹患者は2.5分に1回、睡眠時は10分に1回行われている。誤嚥性肺炎は、咳反射の回数と局所に存在する細菌量に依存して発症する。嚥下障害がある場合は、食事の好みの変化、むせる、咳が多い、痰の量が増える、声が変化する、食事時間が延長する、体重が減少する、食事中の疲労感が出現する、等の症状がみられる。誤嚥性肺炎の対策として、口腔ケア、肺炎球菌ワクチン接種、リハビリ、が重要と言われているが、在宅療養において誤嚥性肺炎にならないためのアプローチとして、①栄養状態を良好にすること、②口腔内環境を適切に維持すること、③食事の形態を工夫すること(場所、摂食内容、摂取量、摂取頻度)、④嗜好性やこだわりを大切にすること(例:ケーキを本人の前で潰してから提供する、等)、⑤嚥下が難しい内服薬や嚥下に影響を与えるような内服薬(例:意識レベルを低下させるような効果を有する薬剤)を回避すること、などがある。在宅は療養の場ではなく生活の場であることから、QOLを大切にして、医療者の理想を提示するのではなく、ともに考えるインクルーシブな視点が必要である。すなわち、本人の希望をかなえることを念頭に置く必要がある。

最後に、杉山副院長が、在宅医療は多職種が情報を共有し、在宅療養者とその家族が苦痛なく安心した生活が続けられるようにサポートしていくことが重要であり、その実現のために協力していく必要があると総括した。

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講演される平成調剤薬局の
薬剤師の中嶋亜紀先生
講演される訪問看護ステーション陽和彩の
看護師の高橋陽子先生
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大塚製薬工場学術部の
相馬正芳先生
リハビリ訪問看護ステーションTRY STの
山田友美先生
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座長の地域連携部長
高橋健医師
挨拶する杉山保幸副院長

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平成29年度 第1回栄養のための地域連携における在宅医療勉強会の様子

日時
平成29年8月19日
午後3時00分から午後5時00分
場所
岐阜市民病院
西診療病棟4階大会議室(サルビアホール)

岐阜市民病院薬剤部では、栄養のための地域連携における在宅医療勉強会を始め、3年目を迎えました。今回83名の参加者を得ることができ大変喜んでいます。
今年は、多職種連携を考えるため、テーマを在宅で起き得る病態、処置方法についてフォーカスし、1回目は褥瘡を挙げました。
特別講演①では、この在宅医療勉強会を聴講され、講演された山口講師に直接談判しそこで研修をされ、在宅医療を始められたろっけん薬局の望月先生に「ひとり薬剤師でもできる~在宅医療への取り組み~」と題して話して頂きました。開業して16カ月間において、在宅訪問が338件、患者さんが37名のうち18名ががん患者さん。麻薬の処方が14名そのうち無菌調製が必要な患者さんが8名であり、毎日在宅医療に奮闘されている話をいただきました。
教育講演では、「褥瘡の基礎知識」と題して、大塚製薬工場学術部の相馬正芳先生から、褥は布団という意味があり、褥瘡は寝ている時に生ずるはれものであるという話から、褥瘡の危険要因を中心に講演をいただきました。
特別講演②では、当院皮膚科部長の米田和史医師から、「褥瘡の治療方法について」と題して、褥瘡の好発部位、褥瘡の発生要因、褥瘡の評価であるDESIGN-R、褥瘡治療の経過、治癒過程について詳細に講演されました。また、竹田宏美皮膚・排泄ケア認定看護師から、「褥瘡治療在宅でのポイント」と題して、褥瘡の発生を回避するために外力コントロールを行うことが重要であり、在宅においては、スモールチェンジ(細かい体位変換)を行うことが重要である。また、褥瘡をよく観察し、米田医師も言われたDESIGN-Rをすべての職種が評価できることが褥瘡治療に大きく貢献出来ると話された。あとは、処置に使用する撥水効果がある製品、創傷被覆材・外用剤の選択、創の洗浄など詳細に話をされた。
最後に、杉山副院長から、今後在宅医療の占める割合が多くなり、多職種が連携して在宅医療を推し進めて行かなくてはいけません。今後とも皆さんとの情報を共有して連携を深めていきたいと話された。

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講演される望月雄介先生 講演される相馬正芳先生
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講演する米田皮膚科部長 講演する竹田皮膚・排泄ケア認定看護師
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挨拶する杉山副院長 会場の様子

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医療薬学フォーラム2017 第25回クリニカルファーマシーシンポジウム

日時
平成29年7月1日(土)~2日(日)
場所
鹿児島市民文化会館ホール
南日本新聞会館みなみホール
鹿児島サンロイヤルホテル

このフォーラムのテーマは、医療薬科学を俯瞰する―領域横断的研究による基礎と臨床の融合―であり、医療が益々多様化・複雑化・高度化する中、今後、社会から医療薬科学に求められることを見直し、薬の専門家の立場から研究基礎の充実・強化とその臨床応用について議論する場となった。このフォーラムでは、特別講演が2講演、シンポジウムが16、ポスター発表が、277演題あった。当院では、2演題発表し、会場では多くの方々から質問をいただき、活発な議論ができました。この発表成果を生かして、今後の業務に努めていきたいと考えます。

発表演題内容
発表演題内容  発表者
1.ハンディ端末を用いた注射調剤と電子保存への取り組み

小林健司

2.後発医薬品の使用に影響を及ぼす社会的・医療経済的要因の解明

舘 知也

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ハンディ端末を用いた注射調剤と
電子保存への取り組み

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岐阜薬科大学早期体験学習の施設見学

平成29年5月31日に、岐阜薬科大学 分子生物学研究室 准教授 塩田倫史先生の引率で、8名の岐阜薬科大学1年生が早期体験学習の施設見学に岐阜市民病院に来てくれました。調剤室、注射室、無菌調製室、製剤室、DI室、治験管理センター等を見学した後、屋上のヘリポートへ行きましたが、少し靄がかかり濃尾平野が一望できなかったことが残念でした。
学生から、調剤支援システムのバーコードを使用した監査システムに高評価を頂きました。また、ドクターヘリが設定されているドラマがありますが、その現場で薬剤師の役割があるのかと質問され、少し戸惑う場面もありました。学生は、初々しさがあり、未来の薬剤師像を想像していました。
学生生活を大いに満喫し、りっぱな薬剤師として社会に貢献できることを期待します。

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ヘリポートにて

岐阜西地区 薬・薬連携カンファレンス
【吸入療法】アドヒアランスの向上を目指して

日時
平成29年5月17日(水)19:00~21:00
場所
ふれあい福寿会館 3階 中会議室

特別講演では、「吸入療法アップデート~指導から支援へ~」と題して、大垣市民病院 呼吸器内科 医長 白木晶先生から、喘息とCOPDの病態、診断、薬物療法、リハビリテーション等について講義を受けた。中でも、COPDは、気管支を支えている肺胞がつぶれるため、気管支が収縮し、気管支拡張剤の効果が出にくいと話されたのが印象深かった。講義の後、吸入剤の実技講習が行われた。2人1組となり、指導者役と患者役となり、実際の吸入指導を行った。はじめは、恥じらいがあったが、皆真剣に与えられた役をこなしていた。服薬指導時における問題点について実際の事例を話して頂きとても勉強となりました。今後の吸入指導に活用したいと思っております。参加者は、41名であった。

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講演される白木晶先生
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吸入指導の実技講習の様子

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OB・OG就職説明会

日時
平成29年4月20日(木)
午後1時00分から午後4時00分
場所
岐阜薬科大学本部キャンパスにて

副学長の足立哲夫教授から,今年のOB・OG就職説明会は,参加される施設が多く今日と明日の2日間の開催となります。本日は,大会議室,大学院講義室,第2講義室の3か所において,調剤薬局が10,病院が4,ドラッグストアが3,製薬企業が2,官公庁が1の総計20の施設の参加がありますと話されました。
岐阜市民病院は,今年から電子カルテの入れ替えがあり,薬剤部の調剤支援システムを再構築し,これにより,調剤ミスが激減し,安心して調剤が行える環境になったことを訴えました。岐阜市民病院のブースには,十数名の学生が立ち寄り,大変関心を持ってもらえました。今年度の募集の応募に期待します。

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岐阜市民病院のブース 今回は3人で参加しました

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日本薬学会第137年会の様子

日時
平成29年3月24日(金)~27日(月)
場所
仙台市の仙台国際センター、東北大学川内地区

 年会テーマは、「復興と発展、薬学の未来へ」であり、東北医科薬科大学薬学部と東北大学大学院薬学研究科が協同して運営を担当していた。
学会組織委員長から、仙台は東日本大震災があり、価値観も大きな転換が求められた。被害の大きかった地域ではまだまだ復興途上ではあるが、前に向って進んでいる。今後とも、皆様方からのご支援を賜れれば幸いです。また、薬学分野でも、教育課程の変更や医薬品開発の環境の変化に様々な対応が求められています。一方で、薬学や医療の分野は我が国の将来の産業の核のひとつと位置づけられています。基礎薬学や医療薬学に携わる研究者や技術者が集い、分野の垣根を越えて「薬学の未来」をともに考え議論したいと思います。皆様のご協力により、さらなる飛躍のための刺激を与えあう機会となることを切に願っていますと紹介されていた。
この年会では、岐阜薬科大学と共同研究を行っているテーマでポスター発表を行った。

発表演題内容
発表内容  発表者
C-MS/MSを用いた血漿中における
カルシウム拮抗薬濃度測定系の確立

薬学生 左髙侑奈さん

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第5回 地域連携における安心ながん化学療法を進める会の様子

日時
平成29年3月9日(木)19:00~21:00
場所
岐阜市民病院
西診療病棟4階大会議室(サルビアホール)

 第4回 地域連携における安心ながん化学療法を進める会から1年が経っての久しぶりの開催でしたが,多数の先生方に参加して頂きましたことに心から感謝致します。
教育講演では,「腎機能のみかたと薬剤性腎障害について」と題して,腎臓内科医長の木村行宏医師より,腎障害には,腎前性,腎性,腎後性を考える必要がある。また,急性度は,AKI>AKD>CKDで表現できる。薬剤性腎障害は,NSAIDs,抗腫瘍薬,抗菌薬,造影剤の順に頻度が高く,直接型腎障害が過半数を占める。予後は,回復が55.1%であり,非回復が36.5%にも上る。最近では,DM治療剤のDPP-4阻害剤やNOACの腎障害への用量調節がなされていないことがあるので注意をお願いしますと話された。
一般講演Ⅰでは,「処方せん検査値表示とCTCAE」と題して,V・drug ぎふ西調剤薬局 吉田達彦先生より,CTCAE有害事象共通用語規準について詳細に説明され,その後,処方せん検査値の有効な見方の事例を示しながら,体重,検査値等の測定日に注目しなければ間違った判断をしてしまうことに注意喚起を促された。Take-Home Messagesにおいて患者さんの有害事象リスク最小化の提案について,薬局薬剤師,病院薬剤師がすべきこと,連携できることを纏められ,貴重な発言を頂きました。
一般講演Ⅱでは,「外来化学療法時の感染対策」と題して,感染制御認定薬剤師の青山智から,外来化学療法時の骨髄抑制,特に好中球減少症のFN(発熱性好中球減少症)について説明し,FNの起炎菌が緑膿菌の場合,24時間以内に適切な抗菌薬治療を投与しなければ死亡率は40%に達するので,外来化学療法を受けられた患者へは,特に感染予防策についての指導をお願いした。
特別講演では,「前立腺癌と腎癌の薬物療法」と題して,泌尿器科部長の米田尚生医師から,前立腺癌の診断から治療,腎癌の診断から治療を話された。前立腺癌は,去勢抵抗性,ホルモン治療抵抗性により,使用される抗がん剤は異なり,ホルモン療法を行う場合,低アンドロゲンが惹起する身体機能の低下および合併症に注意を要する。腎癌は,腎細胞癌と腎盂癌に分類され,腎細胞癌は無症状であるが,腎盂癌は血尿等の症状が現れ,受診され発見される。腎臓癌全体で腎細胞癌が死亡率7割を占める。最近の治療剤分子標的薬は,副作用により長期継続投与ができない状況であるので,数少ない治療剤を長く継続するために,ぜひ副作用対策に保険薬剤師さんに対応してほしいと話された。
最後に副院長の杉山保幸医師から,外来化学療法が進む中,保険薬剤師と病院の医療従事者が,顔が見える関係となり,お互い協力し,話し合える環境を作りましょうと話された。

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教育講演
腎機能のみかたと薬剤性腎障害について
岐阜市民病院 腎臓内科 木村行宏
一般講演Ⅰ
処方せん検査値表示とCTCAE
V・drug ぎふ西調剤薬局 吉田達彦先生
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一般講演Ⅱ
外来化学療法時の感染対策
岐阜市民病院 薬剤部 青山智
特別講演
前立腺癌と腎癌の薬物療法
岐阜市民病院 泌尿器科部長 米田尚
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質問される吉田達彦先生 質問される木村先生と回答される米田先生
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会場の様子 挨拶
岐阜市民病院 杉山保幸 副院長

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第32回 日本環境感染学会総会・学術集会

日時
平成29年2月24日(金)~25日(土)
場所
神戸国際展示場・神戸国際会議場・神戸ポートピアホテル

 本学会は,テーマを「感染制御学の基本と革新」とし,ジカ熱、デング熱、MERS、エボラ、新型インフルエンザに代表されるウイルス感染症、世界において拡大する耐性菌、日本人として忘れてはならない東日本大震災に際して得た感染対策の教訓、日常診療の基本である正しいPPEの着脱などの基本を念頭に、新しい医療の波も意識しながらプログラムを作成し、皆様に楽しんで参加いただけることを目的としています。また,「当院における周術期抗菌薬の使用状況について」と題してポスター発表を行いました。会場では多数の先生方から多くのご質問やご意見をいただき活発な議論ができました。今後の業務に活かしていきたいと思います。

発表演題内容
発表演題  発表者
当院における周術期抗菌薬の使用状況について

青山 智

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岐阜西地区 薬・薬連携カンファレンス
【糖尿病】第2回地域オピニオンドクターの診療方針を学ぶ

日時
平成29年2月2日(木)19:00~21:00
場所
グランヴェール岐山

講演1では,「糖尿病用剤の保険調剤留意事項-薬学的知見/検査値の確認ポイント―」と題して,中部薬品(株)Ⅴ・drugぎふ西調剤薬局 吉田達彦先生から,平成28年度改正 薬歴ポイントとして,服薬状況,残薬状況,患者の服薬中の体調変化,他科受診の有無,副作用が疑われる症状の有無の重要項目を毎回確認することが必須である。また,添付文書の使用上の注意,特に重要な基本的注意に基づいて指導,確認が必要であり,患者にわかりやすく伝えるべきある。特定薬剤管理指導加算については,薬局におけるハイリスク薬の薬学的管理指導に関する業務ガイドライン等を参照する。糖尿病用剤の確認追加項目として,sick day時の対処法,低血糖及び低血糖状態出現時の自覚症状とその対処法,検査値(HbA1cや血糖値)のモニターに留意した服薬支援を行う。最後に,糖尿病用剤の保険調剤留意事項は,①薬歴重要5項目の記載,②糖尿病用剤はハイリスク薬であるので薬物動態学的評価を行う,③糖尿病性腎症の悪化に伴う腎機能の低下!について重要であると話された。
講演2では,「新規糖尿病治療薬をどう活用するか―インスリン・GLP-1RAを中心にした治療戦略-」と題して,総合内科兼糖尿病・内分泌内科副部長 丸山貴子先生から,インスリン治療には,BOT(basal-supported oral therapy)で基礎インスリンを補い,コントロール不良の場合,超短時間インスリンを食事毎に追加し,3回まで施行すると強化インスリン療法となる。強化インスリン療法の上をいくのが持続インスリンポンプ療法(CSII)である。また。持続グルコースモニター(CGM)という機器があり,これとCSIIが連携できると生理的なインスリンの投与法(SAP療法)が確立できる。持続性インスリンには,ランタスXR,レベミル,トレシーバ,ランタスとあり,それぞれ特徴がある。レベミルの持続時間が短いので肝硬変あるいは腎不全の患者には有用である。GLP-1製剤には,短時間作用型と長時間作用型があり,短時間作用型は,消化管の食物運搬遅延があり,食後高血糖が抑えられ,体重減少効果が得られる。長時間作用型は,空腹時の血糖が抑えられ特徴があるので使い分けている。最近は,持続インスリンと超短時間インスリンが混合したライゾデグ配合注の使用成績が良く使い易い印象がある。また,ライゾデグ配合注とGLP-1RAの併用は,血糖の変動が少ない療法として注目されていると話された。

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講演される吉田達彦先生
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質問の回答される丸山貴子医師

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平成28年度 診療報酬改定の検証と地域連携の展望

日時
平成29年1月18日(水)17:30~18:30
場所
岐阜市民病院 サルビアホール

 今回は,地域連携を据えて病院間における患者の動線について,あすか製薬(株)営業本部担当部長 田原一様に講演して頂きました。
平成28年の医療改正において,病院の機能分化を推進するための仕組みが提案され,①地域包括ケアシステムの推進と医療機能分化・強化,連携に関する視点。②患者にとって安心・安全で納得できる効果的・効率的で質が高い医療を実現する視点。③重点的な対応が求められる医療分野を充実する視点。④効率的・適正化を通じて制度の持続可能性を高める視点の4つの指針が示された。地域包括ケアシステムの推進のための取組の強化に関しては,退院支援加算1の新設等の退院支援に関する評価の充実,退院時共同指導料等の加算による医療機関間の連携と退院支援に向けた評価の充実,退院後訪問指導料の新設等の退院直後の在宅療養支援に関する評価が挙げられる。医療機能に応じた医療の評価については,一般病棟の「重症度,医療・看護必要度」の見直し,病棟群単位による医療機能の届出が追加され,地域包括ケア病棟入院料の見直しがなされた。昨年8月現在において,地域包括ケア病棟の申請は1622病院に上っている。また,回復期リハビリテーション病棟の割合が4.6%を占めるようになり,回復期リハビリテーション病棟におけるアウトカム評価により見直された。療養病棟では,人工呼吸器を装着された重篤な患者の占める割合が多くなってきています。
今後の急性期病院の経営のポイントは,病床機能最適化,専門分野の拡充と役割分担,チーム医療の推進,地域包括ケアへの対応と連携促進,情報開示,質の評価への対応の5つの項目を挙げられ講演を終わられました。

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講演された田原一先生

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岐阜西地区 薬・薬連携カンファレンス
【糖尿病】第1回地域オピニオンドクターの診療方針を学ぶ

日時
平成28年10月27日(木)19:00~21:00
場所
グランヴェール岐山

講演1では,「透析医療における薬剤師の取り組みについて」と題して,早徳病院 薬局長 古田和也先生から,透析療法と現状についてと早徳病院の取り組み,①腎排泄型の適正使用,②骨・ミネラル代謝異常症,③足病変の3項目について具体的な事例を挙げられ講演して頂きました。透析療法についてとてもわかりやい内容であった。
講演2では,「新規糖尿病治療薬をどう活用するか」―経口血糖降下剤を中心にした治療戦略―と題して,岐阜市民病院 総合内科兼糖尿病・内分泌内科部長 山田浩司医師から,糖尿病の現状,合併症,治療について詳細に説明して頂き,特にDPP-4阻害剤,SGLT2阻害剤,GLP-1製剤についてその特徴と使い方について説明して頂きました。SGLT2阻害剤には,腎機能の悪化を抑制するエビデンスがあると話された。この講演で,経口血糖降下剤の使い方がよく理解でき,今後の服薬指導に活用したいと思っております。参加者は,30名でした。

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早徳病院 薬局長 古田和也先生
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岐阜市民病院 総合内科兼糖尿病・
内分泌内科部長 山田浩司医師

第55回 全国自治体病院学会の様子

日時
平成28年10月20日(木)~21日(金)
場所
富山県民会館,富山第一ホテル

本学会は,「地域とともに輝き,羽ばたけ自治体病院!-富山から発信,あいの風に乗ってー」のテーマであった。理由は,自治体病院は,これまで多くの困難を乗り越え,地域医療の最後の砦として,地域に必要な医療を公平・公正に提供し,住民の生命と健康を守り,地域の健全な発展に貢献してまいりましたが,医療需要が大きく変化する中,自治体病院を含め,医療を取り巻く環境は一段と厳しさを増しています。一方,地方創生には,医療の確保が不可欠であり,こうした中だからこそ,自治体病院が地域とともに輝き,未来に向けて羽ばたくことが求められているからである。この学会に参加し,自治体病院の立ち位置を再確認しました。当院では,2演題をポスター発表しました。多数の先生方から,有意義な質問を受け,今後の業務に活かしたいと思います。

発表演題内容
発表演題  発表者
1. 毒薬管理システムの導入による効果

後藤 千寿

2. 調整会議での薬局薬剤師の重要性について
~かかりつけ薬局に対する患者の意識調査~

水井 貴詞

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1. 毒薬管理システムの導入による効果
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2. 調整会議での薬局薬剤師の重要性について
~かかりつけ薬局に対する患者の意識調査~

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第54回 日本癌治療学会学術集会の様子

日時
平成28年10月20日(木)~22日(土)
場所
パシフィコ横浜

この学術集会では、テーマとして「成熟社会における、がん医療のリノベーション」を掲げていました。3つのサブテーマがあり、「生きがいに寄り添うがん診療」、「人にやさしい 先端がん治療」、「社会を支えるがん治療」であった。現代のがん医療の着実な成果と、近未来の諸課題を「成熟社会における医療」という側面から再考する学会であった。
当院では,1演題をポスター発表,1演題を口頭発表しました。多数の先生方から,有意義な質問を受け,今後の業務に活かしたいと思います。

発表演題内容
発表演題  発表者
1. PTXによる爪障害をマネジメントし、長期治療継続できた一症例

堀 晃代

2. 薬剤師による診察前面談が乳がん外来化学療法患者のQOLに及ぼす影響

田中 和秀

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1. PTXによる爪障害をマネジメントし、長期治療継続できた一症例
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2. 薬剤師による診察前面談が乳がん外来化学療法患者のQOLに及ぼす影響

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第49回 日本薬剤師会学術大会の様子

日時
平成28年10月9日(日)~10日(月)
場所
名古屋国際会議場,名古屋学院大学名古屋キャンパス白鳥学舎

本学術大会は,「プロフェッションを追求する~Best and beyond~」をメインテーマとして,薬剤師の現状と今後の姿を見据えてProfessionの在り様を目指した特別講演,分科会,関係学会との共催シンポジウム等が内容に含まれていました。一般演題数は678題もあった。当院では,「保険薬局薬剤師を対象とした中心静脈栄養無菌調製研修における地域支援病院薬剤師としての関わりとその評価」の演題でポスター発表しました。多数の先生方から,有意義な質問を受け,今後の業務に活かしたいと思います。

発表演題内容
発表演題  発表者
保険薬局薬剤師を対象とした中心静脈栄養無菌調製研修における
地域支援病院薬剤師としての関わりとその評価

渡辺 久高

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輸液ポンプ・シンリンジポンプの適正使用/輸液ライン設計の研修の様子

日時
平成28年10月5日(水)17:30~19:00
場所
リハビリ棟3F看護学校講堂

今回は、新人薬剤師、新人看護師、実務実習生のために、実際の点滴ラインを使用して組み立てを行った。研修内容は、フルカリック2号をメインに側管からイントラリポスを投与する例であった。添付文書を見ながらグループ内で検討を行い、顔を突き合わせた良いディスカッションになった。その後は、輸液ポンプ・シンリンジポンプの適正使用について学び、サイフォニング現象を実際に観察し、その恐ろしさを実感しました。今回、薬剤師6名、看護師21名、実務実習生6名の参加であった。

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輸液ラインの組み立て中
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トリプルルーメンの仕組みの観察
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輸液ポンプの初めてのセット
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輸液ポンプ閉塞時のアラーム

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注射薬の配合変化研修の様子

日時
平成28年9月28日(水)17:30~18:30
場所
岐阜市民病院看護学校講堂

新人薬剤師,新人看護師および実務実習生向けに注射薬の配合変化についてテルモ(株)に依頼して,講義と実際の注射薬を用いて体験型の研修会を行いました。実際の配合変化が生じた時は会場が盛り上がりました。参加者は,薬剤師6名,看護師24名,実務実習生6名でした。今後,医療現場において,お互い協力し合う関係が築けることを期待したい。

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研修の様子
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ブロムヘキシンの配合変化
白く濁っています
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メイロンを混和した輸液の持続点滴,20分後,点滴筒の水面が下がっています

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第26回 日本医療薬学会年会の様子

日時
平成28年9月17日(土)~19日(月)
場所
国立京都国際会館,グランドプリンスホテル京都

この年会のテーマは,「明日を創るチーム医療」です。医療現場では,医療の高度化,複雑化に伴う業務負担の増加により疲弊してきています。薬剤師は,医薬品の使用を包括的に管理し,薬物療法の安全性・有効性を保証する専門職へと変わりつつあり,薬物治療への高い専門性を有した薬剤師に寄せられる期待が益々高まってきています。チーム医療を先導する薬剤師像を大いに議論された学会でした。
この年会には,当院より6演題発表させて頂きました。いろいろと質問して頂きとても勉強になり,明日からの業務に活かしたいと思います。また,当院でともに働いている岐阜薬科大学教官の舘先生が当院の業務の成果として奨励賞を受賞したことは,部員の励みになりました。

発表演題内容
発表演題  発表者
1. 胸部心臓外科における手術後、ICU 在室日数に影響を与える因子の検討

福田聖啓

2. 新規経口C型肝炎治療薬ヴィキラックス錠内服による前向きな副作用調査

堀晃代

3. 酸化マグネシウム製剤服用患者における
血清マグネシウム測定実施向上への取り組み

川路明子

4. GLP-1RA 週1 回製剤に対する患者の意識調査

大野佑城

5. 呼吸器外科における薬剤師の手術前介入の取り組み

大橋洵

6. かかりつけ薬局に対する患者の意識について

水井貴詞

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胸部心臓外科における手術後、ICU 在室日数に影響を与える因子の検討
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新規経口C型肝炎治療薬ヴィキラックス錠内服による前向きな副作用調査
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酸化マグネシウム製剤服用患者における血清マグネシウム測定実施向上への取り組み
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GLP-1RA 週1 回製剤に対する患者の意識調査
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呼吸器外科における薬剤師の手術前介入の取り組み
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かかりつけ薬局に対する患者の意識について

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平成28年度 第3回栄養のための地域連携における在宅医療勉強会の様子

日時
平成28年9月10日(土)
場所
岐阜市民病院 西診療病棟4階大会議室(サルビアホール)

今回は、第3回の栄養のための地域連携における在宅医療勉強会となります。特別講演は、シティタワー診療所院長の島崎亮司先生に「スカッと在宅、医療地域連携の神対応」という題で講演して頂きました。
島崎亮司先生から、在宅医療は1人じゃつらい、チーム医療で行うことが重要である。チーム内で自分が出来ないところをさらけ出すことが必要、怒られたって愛情を掛ければよいと話され、在宅医療は、ハードルの高いものでないと印象付けられました。そして、患者、家族との信頼の構築のためには、継続性、包括性、解釈モデル、在り方のキーワードを挙げられた。その中で、解釈モデルでは、マグミットとマグラックスの例を出され、患者にとっては薬の効果が全く異なって理解されていることがあるので、全否定はしないように心掛けてくださいとアドバイスを頂き、在り方では、この薬に効果がなかったらすぐに往診するからと言って患者に安心感を与えることが功を制することがあると在宅医療の現場のやり取りを垣間見ることが出来ました。在宅医療で薬剤師に期待することは、1.薬の確認:押し入れの中にある残薬なども確認してください。2.服薬しやすさへの追及:服薬しやすい剤形がアドヒアランスの向上になる。3.代替案の提示:薬剤師ならではの仕事です、自分の知識が最新ではない場合があるので。4.病院退院時処方はすべて記載してほしい:主治医は自分の診療科のみの記載しかなく他診療科の処方内容は病院薬剤師がしっかりと情報提供して頂きたいと強く要望された。最後に栄養管理の重要性を挙げられ、施設入院の14%が薬剤の原因によって低栄養になっているデータが出され、在宅医療は薬剤師が参加してもらわないと困ると話されました。
症例検討は、高橋地域連携部長の進行で行われ、当院の堀薬剤師から症例説明、主治医の島崎先生から在宅での経緯説明、ケアマネージャーのかやばの坂口さんから現状説明、保険薬局の橋本先生から、薬剤師の関与について説明された。検討内容としては、患者の尊厳、家族の思いにどう取り組むかを中心に話が進みました。
今回の勉強会で、病院はクリニカルパスのような均一な医療の提供、在宅医療は、個々に対応するオーダメイドの医療であると感じました。
最後に、杉山副院長から、今後もこの研修会を続けて行き、患者の尊厳、家族の思いを大切にチームで在宅医療を進めていくことが大切であると思いますと閉会の挨拶を述べました。

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講演される島崎亮司先生
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症例検討司会の高橋医師

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症例提示する堀薬剤師
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説明されるケアマネージャー坂口先生

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説明される保険薬剤師の橋本先生
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症例検討の様子

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閉会の挨拶をする杉山副院長
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研修会の様子

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平成28年度 第2回栄養のための地域連携における在宅医療勉強会の様子

日時
平成28年8月6日(土)
場所
岐阜市民病院 西診療病棟4階大会議室(サルビアホール)

症例検討では、無菌調製が必要な患者さんの退院事例について、薬剤師の水井より退院からの在宅への経緯について説明があった。会場の先生から、いろいろな質問があり、その中、TPN投与後のヘパリンロックが必要か否か、夜間のみのTPN投与だと利尿による睡眠不足が生じないのかと現場の問題点について白熱した意見交換が行われた。
岐阜市薬剤師会副会長 遠藤先生から「医療機関・保険薬局の医療材料の供給について」と題して講演され、 岐阜市薬剤師会は、会員の要望により、医療材料を在庫している。在宅医療に必要な医療材料は準備するので、在宅医療に向けてより一層積極的な活動を行って頂きたいと心強いお言葉を頂いた。
当院の地域連携部長の高橋医師から、当院の在宅(緩和)医療への連携体制を整えるため、8月9日に連携医療推進に向けた岐阜市民病院院内多職種ミーティングを開催し、病院内から、在宅医療に向けた体制づくりに力を入れることと、薬剤師会の在宅医療への思いに応える活動を行うので、協力して頂きたいと話があった。
講演では、(株)大塚製薬工場 学術部 山下 靖彦先生から、「在宅医療の最近の話題~在宅栄養管理の現状と今後~」と題して話された。厚労省から地域包括ケアシステム構想について説明され、今後の薬局は、かかりつけ薬局と健康サポート薬局を兼ね備えた方が良く、また、在宅医療を行う場合は、はじめは赤字であるが、ケアマネージャー、訪問看護師との名刺交換を行うほど、連携が強くなり在宅への症例が増えてくる。そして、病院で行われる退院時共同指導には必ず参加することが患者情報を得る上で必要不可欠であると強く声を挙げられた。最後に、「在宅医療での医療処置が増加しています。地域包括ケアシステムの構築の成功可否は薬剤師の先生方の関わりの大きさによって決定すると言っても過言ではないと思います」と最後のスライドで示され、薬剤師の在宅医療への貢献が必要であると考えさせられました。
今回の勉強会には65名参加され、保険薬剤師50名、訪問看護師3名、医師3名等であった。次回9月10は、シティタワー診療所の島崎亮司先生の特別講演と在宅で終末期を過ごした症例について検討を行う予定です。在宅に興味を持たれている先生にはぜひ参加して頂きたい。

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症例の事例報告する薬剤師の水井貴詞
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「医療機関・保険薬局の医療材料の供給について」について説明される
岐阜市薬剤師会副会長 遠藤栄一先生

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「連携医療推進に向けた岐阜市民病院院内多職種ミーティング」について説明する
地域連携部長の高橋健医師
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「在宅医療の最近の話題~在宅栄養管理の現状と今後~」について講演される
(株)大塚製薬工場 学術部 山下靖彦先生

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挨拶
岐阜市民病院 杉山保幸副院長

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第2回 日本医薬品安全性学会学術大会の様子

日時
平成28年7月23日(土)~24日(日)
場所
長良川国際会議場、岐阜都ホテル

この学術大会のテーマは、安心・安全な薬物療法の推進に向けてであり、その内容は、教育講演3、シンポジウム6、ワークショップ2、一般演題(口頭)32演題、一般演題(ポスター)38演題であった。医薬品の副作用対策のみならず、新たな医療制度について理解を深め、より広い意味での医薬品の適正使用推進に努めなければならないと痛感しました。この大会では、2演題発表し、会場では多くの方々から質問をいただき、活発な議論ができました。この発表成果を生かして、今後の業務に努めていきたいと考えます。

発表演題内容
発表演題  発表者
1. 酸化マグネシウム製剤服用患者における血清マグネシウム測定の実施状況調査

梅田道

2. アザシチジン投与患者の血小板減少に関するリスク因子の解析

近藤章仁

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1. 酸化マグネシウム製剤服用患者における血清マグネシウム測定の実施状況調査
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2. アザシチジン投与患者の血小板減少に関するリスク因子の解析

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2016 Asian Conference on Clinical Pharmacy の様子

日時
平成28年7月15日(金)~17日(日)
場所
Sejong University Convention Center, Seoul, Korea

One Asia Through Clinical Pharmacyと題して韓国ソウル市にて開催された国際学会に,当薬剤部からも日頃の研究成果をポスター形式で発表しました。この学会はPatient-centered careをコンセプトにアジア地域で活躍する薬剤師が一同に会し,日常臨床業務の成果について発表・議論がなされる場であり,国を超えて活発な意見交換が行われました。国ごとに医療背景が異なるため,そのまま導入できることばかりではありませんが,このような国際学会での経験を薬剤部内で共有し、今後の業務に活すことで質の高い医療の提供に努めていきたいと考えます。

発表演題内容
発表演題  発表者
The impact of side effects from outpatient chemotherapy
on presenteeism in breast cancer patients: a prospective analysis.

田中和秀

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平成28年度 第1回地域連携における在宅医療勉強会の様子

日時
平成28年7月16日(土)
場所
岐阜市民病院 西診療病棟4階大会議室(サルビアホール)

当院では、退院される患者さんにおいて、注射の継続投与の場合が多くなってきています。しかし、在宅において、この注射を退院後も継続することが退院のとても大きな障壁になっています。そこで、当院薬剤部は、かかりつけ薬局の保険薬剤師へ注射に関する情報を提供するために、一昨年前から勉強会を開催してきました。7月16日に開催した第1回地域連携における在宅医療勉強会について報告します。
まず講演前に、薬剤部の堀より注射を継続して退院した患者の事例について説明を行いました。
次に「在宅医療における注射薬投与の基礎知識」と題して、テルモ(株)学術の青西様より、点滴に必要な器具について、実物を手に取って触りながら各名称とその操作の仕方、注意点等の詳細に説明をしていただき、参加された保険薬剤師の先生方は納得された様子でありました。

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青西伊都子 講師

次に「輸液ポンプのレンタルについて」と題して、大島商会の松田様より、在宅で利用されている輸液ポンプの種類とそのレンタルについて説明されました。かかりつけ医との連携が必要不可欠であり、かかりつけ医がレンタルの契約をして使用できることを学びました。

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松田隆 講師

最後に「ディスポーザブルポンプを理解しよう」と題して、ニプロ(株)の倉島様より、ディスポーザブルポンプの仕組み、操作法等Q&A方式にて説明され、とても分かりやすい内容でした。

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倉島衆 講師

今回、保険薬剤師64名、看護師4名、その他5名の総出席者73名と大盛会の勉強となりました。今後も第2回目を8月6日、第3回目を9月10日に開催予定です。興味ある先生方の出席をお待ちしております。

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勉強会の様子

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第8回JSOPP(日本がん薬剤学会)学術大会(2016)の様子

日時
平成28年6月4日(土)
場所
ウインクあいち

年会のテーマとして「チーム医療の中で活躍するために」を掲げ,抗がん剤曝露対策,副作用に対するチーム医療,最新の薬物療法,がん専門薬剤師になるための50症例の書き方等がん専門薬剤師の育成,最新情報を交換する場として位置づけられている大会です。今回聴講した内容を今後の業務に活かしていきたいと思います。

発表演題内容
発表演題  発表者
抗EGFR抗体薬投与患者の低カリウム血症発現のリスク因子の研究

安田昌宏

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岐阜薬科大学早期体験学習の施設見学

平成28年5月25日に,岐阜薬科大学 薬理学教室 助教 山下先生の引率で,9名の岐阜薬科大学1年生が早期体験学習の施設見学に岐阜市民病院に来てくれました。調剤室,注射室,無菌調製室,DI室,治験管理センター等を見学し,天気が良かったので,屋上のヘリポートも見学してもらいました。ヘリポートでは少し風がありちょっぴりスリルがあったかな。
学生からの質問は,患者への説明の仕方,在宅医療と病院との関係,プレアボイド等の質問があり,元気の良い学生から活力をもらいました。
引率の山下先生から,病院薬剤師になるためには,在学中,何をしたら良いのかを尋ねられ,在学中は,いろんなことに挑戦し,人と人との関係を持ち,コミュニケーション能力を育んでほしいと回答しました。うまく学生に伝わったかな。

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ヘリポートにて

OB・OG就職説明会

日時
平成28年4月21日(木)
午後1時00分から午後4時00分
場所
岐阜薬科大学本部キャンパスにて

午後1時に、副学長の足立哲夫教授から、今回参加の8つの薬局、5つの病院、2つの企業、岐阜県庁の計16施設の紹介があり、OB・OGの自己紹介からOB・OG就職説明会が始まった。岐阜市民病院は、今年から薬剤師レジデントが入局したことを紹介した。そのため、岐阜市民病院のブースには、16名の学生が立ち寄り、主に薬剤師レジデント制度の質問が多かった。今年度の募集の応募に期待する。

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岐阜市民病院のブース 今回は3人で参加しました

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日本薬学会第136年会の様子

日時
平成28年3月26日(土)~29日(火)
場所
パシフィコ横浜

年会のテーマとして「次世代の薬学への羅針盤~新しい薬学への出帆~」を掲げており、日本薬学会年会は、薬学を取り巻く幅広い分野からの参加者が薬学の諸課題について、その成果を発表し討議するとともに、最新の情報を交換する場となっています。今回は、大村智先生のノーベル賞受賞記念特別講演を拝聴でき感動しました。また、この年会に「検査値を利用した調剤支援システムの構築と評価」を演題として発表して来ました。多数の先生方から質問を頂き、活発な議論をしてきました。今後の業務に活かしていきたいと思います。

発表演題内容
発表演題  発表者
検査値を利用した調剤支援システムの構築と評価 後藤千寿

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検査値を利用した調剤支援システムの構築と評価

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平成28年 第1回 岐阜西地区 薬・薬連携勉強会の様子

日時
平成28年3月24日(木)
午後7時00分から午後9時00分
場所
グランヴェール岐山 5F 乗鞍

講演では、「平成28年度調剤報酬改定と今後の薬剤師について」と題して、調剤薬局カトレア 井深宏和先生から、平成28年度調剤報酬改定には、患者本位の医療の提供が求められている。薬局薬剤師は、かかりつけ薬剤師として、地域に関わりを持ち、顔が見える立場にないと困る。住民の健康に寄与し、OTCの販売等セルフメディケーションに貢献しないと今後の未来が期待できない。また、かかりつけ医との関係を強く持ち、医師の服薬管理の一部を担う立場となるべきである。新しく設定された薬剤総合評価調整管理料、連携管理加算は、疑義照会が点数に結びつく画期的な要件であり、今後の運用によっては医師との関係が良好になる大きな一歩となる可能性がある。最後に、治す医療から支える医療へと変化し、患者と一緒に寄り添うことが重要であると締め括られた。

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調剤薬局カトレア 井深宏和先生
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日本臨床腫瘍薬学会学術大会2016の様子

日時
平成28年3月12日(土)~13日(日)
場所
鹿児島市民文化ホール、南日本新聞会館みなみホール、鹿児島サンロイヤルホテル

この学会のテーマは、薬剤師が繋ぐがん薬物療法の向上と実践~チーム医療から地域医療連携~であった。プログラムには、シンポジウム、がん薬物療法ベーシックセミナー、アドバンスセミナー、教育セミナーがあり、基礎から学ぶ良い機会であった。一般演題では、口頭発表75演題、ポスター発表250演題があり、当院でも2演題発表してきました。参加された先生からいろいろな意見を聞かせて頂き、とても良い経験となりました。この発表成果を生かして、今後の業務に努めていきたいと考えます。

発表演題内容
発表演題  発表者
1 安心ながん化学療法を進めるための地域連携の取り組みと今後の課題 大澤友裕
2 造血幹細胞移植患者におけるポラプレジンク含嗽薬の効果に
影響を及ぼす因子の評価
長屋雄大

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1. 安心ながん化学療法を進めるための地域連携の取り組みと今後の課題

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2. 造血幹細胞移植患者におけるポラプレジンク含嗽薬の効果に影響を及ぼす因子の評価

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第31回 日本静脈経腸栄養学会学術集会の様子

日時
平成28年2月25日(木)~26日(金)
場所
福岡国際会議場、マリンメッセ福岡、福岡国際センター、福岡サンパレス

本学術集会のテーマは、「臨床栄養におけるリスクマネジメント―臨床栄養の質の向上による各種疾病のリスクマネジメントを目指して―」をメインテーマに掲げ、小児から高齢者のケアメソッドまで、より多くの領域における臨床栄養のリスクとマネジメントを学べるよう企画されていました。1400を超える演題があり,その中で発表してきました。参加された先生からの質問が多く,有意義な発表となり,今後の業務に役立てたいと思います。

発表演題内容
発表演題  発表者
1 保険薬局薬剤師を対象とした中心静脈栄養無菌調製研修における
NST専門療法士の関わりとその評価
説田英利子

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第4回 地域連携における安心ながん化学療法を進める会の様子

日時
平成28年2月4日(木)
午後7時00分から午後9時20分
場所
岐阜市民病院 西診療病棟4階大会議室(サルビアホール)

一般講演Ⅰでは,「血液腫瘍に対する薬剤師の介入」と題して,薬剤部の安田昌宏より,血液内科病棟での薬剤師の介入とその評価,患者用のレジメン説明書の解説がありました。
一般講演Ⅱでは,「ぎふ西調剤薬局におけるCMLイマチニブ服薬支援事例より」と題して,岐阜市薬剤師会 ぎふ西調剤薬局薬局長 吉田達彦先生より,事例の紹介があり,薬剤変更時の副作用の対応,高額医療費の適用について,ジェネリック医薬品への変更に伴う患者負担等について,薬局薬剤師の患者さんへの服薬指導,情報提供について詳細に説明され,病院への要望もあり貴重な発言を頂きました。
教育講演では,「がん化学療法における口腔粘膜炎の予防と治療」と題して,歯科口腔外科部長の兵東巌歯科医師が話されました。骨髄移植を受ける患者の口腔粘膜炎発症率は75%にも上り,その対策は,口腔ケアが一番であり,治療前にも口腔ケアするのがベストである。口腔ケアには,基本的なブラッシング・含嗽と専門的なスケーリング(歯石の除去)・抜歯・歯牙調製があり,いずれも口腔内のマッサージが効果的である。口腔粘膜炎の治療としては,ポラプレジンク含嗽が効果的である。最後に,口腔ケアは,百利あって一害なしと宣言されました。そして,「口腔ケアのパンフレット紹介」と題して,歯科口腔外科副部長の小林敦歯科医師が当院で作成した口腔ケアのパンフレットについて説明されました。
特別講演Ⅰでは,「当院における造血器悪性腫瘍に対する外来化学療法の実際」と題して,血液内科部長の笠原千嗣医師が,造血器悪性腫瘍の種類とその治療法について患者用のレジメン説明書を用いて話された。また,新規の薬剤,今後の治療等最新の話題提供があり,複雑な造血器悪性腫瘍が頭の中できれいに整理されていくのが解りました。
特別講演Ⅱでは,「積極的医療から在宅医療へ円滑につなぐ体制の構築」と題して,地域連携部部長の高橋健医師が,当院の血液内科の歴史と血液腫瘍センターの開設,在宅医療への連携体制の構築について話され,今後は,かかりつけ薬局がキーパーソンとなってきますので,保険薬剤師の協力をお願いしたいと話されました。
最後に副院長の杉山保幸医師から,保険薬剤師は,すべての病気に対応し,患者さんの負担金についての相談等あらゆる知識が必要であると認識しました。今後の在宅医療が進む中,保険薬剤師との協力が必要となりますので一緒に勉強しましょうと話されました。

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一般講演Ⅰ
血液腫瘍に対する薬剤師の介入
岐阜市民病院 薬剤師 安田昌宏
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一般講演Ⅱ
ぎふ西調剤薬局におけるCMLイマチニブ服薬支援事例より
ぎふ西調剤薬局薬局長 吉田達彦先生
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教育講演
がん化学療法における口腔粘膜炎の予防と治療
岐阜市民病院 歯科口腔外科部長 兵東巌
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教育講演
口腔ケアのパンフレット紹介
岐阜市民病院 歯科口腔外科副部長 小林敦
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特別講演Ⅰ
当院における造血器悪性腫瘍に対する外来化学療法の実際
岐阜市民病院 血液内科部長 笠原千嗣
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特別講演Ⅱ
積極的医療から在宅医療へ円滑につなぐ体制の構築化学療法の実際
岐阜市民病院 地域連携部部長 高橋健
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挨拶
岐阜市民病院 杉山保幸 副院長

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第48回 東海薬剤師学術大会の様子

日時
平成27年11月29日(日)
場所
四日市市文化会館

平成27年11月29日(日)、四日市市文化会館において、第48回東海薬剤師学術大会が開催されました。テーマを「今、何ができる、何を創る、薬剤師たちよ -コミュニティーで生きる薬のこころ-」とし、地域包括ケアシステムの中で薬剤師がここ数年にどんな活躍が出来るか、10年先の薬剤師の社会的地位を決定する大きな要因となると大会委員長からお言葉がありました。
この学会には、岐阜市民病院の薬剤部員2名が発表しました。発表演題は以下のとおりです。会場では、各地区の薬剤師会の先生方から、質問を受け大変盛況でした。この発表成果を生かして、今後の業務に努めていきたいと考えます。

発表演題内容
発表演題  発表者
1 保険薬局薬剤師を対象とした中心静脈栄養無菌調製研修における
地域医療支援病院薬剤師としての関わりとその評価
川島あずさ
2 退院時共同指導参加による薬剤師の役割について 説田英利子

katudo.yakuzai.h271129-1.jpg保険薬局薬剤師を対象とした中心静脈栄養無菌調製研修における地域医療支援病院薬剤師としての関わりとその評価 katudo.yakuzai.h271129-2.jpg退院時共同指導参加による薬剤師の役割について

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第56回 日本肺癌学会学術集会の様子

日時
平成27年11月26日(木)~28日(日)
場所
パシフィコ横浜

平成27年11月26日(木)~28日(土)の3日間、パシフィコ横浜において、第56回日本肺癌学会学術集会が開催されました。テーマを「Bridge for Making History -伝統を受け継ぎ未来へつなぐ-」とし、「若者の心に火をつける」特別メッセージ4企画、最新技術を経験してもらう「特別企画 展示連携企画」、メディカルスタッフと著名医師との対話企画など、従来にない企画がありました。
この学会には、岐阜市民病院の薬剤部員1名が発表しました。発表演題は以下のとおりです。会場では多くの方々から質問をいただき、活発な議論ができました。この発表成果を生かして、今後の業務に努めていきたいと考えます。

発表演題内容
発表演題  発表者
1 安心な肺癌治療を進めるための地域連携の取り組みとその評価 大澤友裕

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第25回 日本医療薬学会年会の様子

日時
平成27年11月21日(土)~23日(月)
場所
パシフィコ横浜

平成27年11月21日(土)~23日(月)の3日間、パシフィコ横浜において、第25回日本医療薬学会年会が開催されました。テーマを「医療薬学の進歩と未来 -次の四半世紀に向けて-」とし、次の四半世紀に向けて我々が成すべきことは何かを問い、年会での議論を通じて未来を明るく照らすことができればとの思いがありました。
この学会には、岐阜市民病院の薬剤部員8名が発表しました。発表演題は以下のとおりです。会場では多くの方々から質問をいただき、活発な議論ができました。この発表成果を生かして、今後の業務に努めていきたいと考えます。

発表演題内容
発表演題  発表者
1 ICUにおけるせん妄評価の導入による調査結果とその評価 福田聖啓
2 在宅医療を地域連携で考える勉強会を開催して 後藤千寿
3 前立腺肥大患者における硝酸剤又は一酸化窒素供与剤の使用実態調査(第2報) 甲田明英
4 レナリドミド投与患者の血小板減少に関するリスク因子の解析 安田昌宏
5 スルファメトキサゾール/トリメトプリムのニューモシスチス肺炎発症抑制投与患者
における高カリウム血症の発現
梅田道
6 アルコール過敏患者に対するタキソテール分割溶解法の検討 大澤友裕
7 がん患者における診察前面談での副作用管理とその効果 堀晃代
8 乳がん患者における外来がん化学療法による経時的QOL変化 田中和秀

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ICUにおけるせん妄評価の導入による
調査結果とその評価
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在宅医療を地域連携で考える勉強会を開催して
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前立腺肥大患者における硝酸剤又は一酸化窒素供与剤の使用実態調査(第2報)
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レナリドミド投与患者の血小板減少に関するリスク因子の解析
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スルファメトキサゾール/トリメトプリムのニューモシスチス肺炎発症抑制投与患者における高カリウム血症の発現
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アルコール過敏患者に対するタキソテール分割溶解法の検討
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がん患者における診察前面談での副作用管理とその効果
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乳がん患者における外来がん化学療法による経時的QOL変化

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平成27年 第3回 岐阜西地区 薬・薬連携勉強会の様子

日時
平成27年11月4日(水)
午後7時00分から午後9時00分
場所
グランヴェール岐山

特別講演では、「認知症に対する薬物療法」と題して、岐阜市民病院 神経内科副部長 香村彰宏先生が話されました。認知症の定義として、後天的な脳障害があり長期的な意識的障害がない状態です。また、もの忘れはある一部分の記憶の欠損であり、認知症はある期間の記憶がごっそりと抜け落ちることであると図で示され、明快な説明により納得しました。続いて、認知症の種類について説明され、脳血管性認知症、アルツハイマー型認知症、レビー小体型認知症、前頭側頭型認知症等があり、非社会的行為が見られる前頭側頭型認知症、幻覚や幻視が見られるレビー小体型認知症は特徴がある。また、レビー小体型認知症は、抗精神薬の過剰反応があることに興味が注がれました。

認知症には、直接の原因である「脳の細胞が壊れる」ことで起こる症状を「中核症状」と行動・心理症状により生じる「周辺症状」があり、最近では,この周辺症状をBPSD(Behavioral and Psychological Symptoms of Dementia)と言われています。

中核症状の薬物治療において、アルツハイマー型認知症は、軽症の場合、ChE阻害剤のいずれか1剤、中等症の場合、メマンチン+ChE阻害剤、重症の場合、メマンチン+ドネペジル10㎎です。レビー小体型認知症は、興奮性か幻覚がある場合メマンチン、内服管理が良好(家族等の介助がある)の場合はガランタミン、内服に対して拒絶される場合リバスチグミンを選択します。最後はドネペジルが選択されます。

周辺症状の薬物治療は、非定型向精神薬であるリスペリドン、オランザピン、クエチアピンが奏功します。また、抑肝散もよく使われています。

最後に臨床症例2例を示され、われわれ薬剤師にとって、現実の実臨床を学べたよい機会であり、種々の認知症へ選択される薬物治療を理解するよい勉強会でした。

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第54回 全国自治体病院学会の様子

日時
平成27年10月8日(木)~9日(金)
場所
函館市民会館・函館アリーナ・花びしホテル

この学会のテーマは、「地域を支える自治体病院~超高齢化社会に向けて住民と共に歩む~」でした。薬剤分科会では総数121演題あり、そのうち薬薬連携は26演題ありました。これからは、在宅医療への貢献が問われることを痛感しました。この学会では2演題発表し、会場では多くの方々から質問をいただき活発な議論ができました。この発表成果を生かして、今後の業務に努めていきたいと考えます。

発表演題内容
発表演題  発表者
1. de-novo B型肝炎までチェックできる検査値を利用した調剤支援システムの構築 後藤千寿
2. 地域連携によるがん患者を見守る医療体制の構築 水井貴詞

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de-novo B型肝炎までチェックできる検査値を
利用した調剤支援システムの構築
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地域連携によるがん患者を見守る医療体制の構築

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医薬品勉強会の様子

日時
平成27年10月6日(火)
午後5時30分から午後7時30分
場所
岐阜市民病院 看護学校講堂
内容
輸液ポンプ、シリンジポンプの適正使用と注射薬配合変化

輸液ポンプ、シリンジポンプと注射液を実際に用いた体験型研修を行いました。参加者は30名(看護師20名、薬剤師4名、薬学生6名)です。参加者をあらかじめ、グループに割り付け、他職種、他部署間のコミュニケーションが図られるように企画しました。輸液ポンプ、シリンジポンプの注意点を学び、誤操作で生じる現象を実際に体験でき、良い経験となりました。また、本物の注射薬を用い、配合変化を観察できたことを良い経験となったと思います。この経験を生かして、明日からの業務に生かしたいと思います。

yakuzai.h271006iyaku01.jpg輸液ポンプ、シリンジポンプの説明 yakuzai.h271006iyaku02.jpgはじめての輸液ポンプの操作。緊張しています。
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シリンジポンプでのシリンジの固定不良による
サイフォニング現象の観察。
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輸液にメイロンを入れて、点滴筒の液面を
マジックでチェック。
1時間後、液面変化の確認を行った。
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注入と同時に白いもやもやが。
配合変化を観察しました。

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第3回 地域連携における安心ながん化学療法を進める会の様子

日時
平成27年9月17日(木)
午後7時から午後9時
場所
岐阜市民病院 西診療病棟4階大会議室(サルビアホール)

活動報告では、「お薬手帳とホームページの活用について」と題して、薬剤部の安田昌宏より、安心ながん化学療法を進める会の目的、患者用のレジメン説明書が追加になったこと、ホームページの使い方、悪心・嘔吐について、質問用のメールアドレス等の報告がありました。
業務報告では、「これまでの取り組みにおけるアンケート結果報告」と題して、薬剤部の水井貴詞より、第1回,第2回のアンケート結果の報告がありました。
教育報告では、「肝障害に変動する臨床検査値」と題して、中央検査部部長の内木隆文医師より、薬剤性肝障害の種類と特徴的に変化する検査項目について話され、特に,ビリルビンの抱合比、プロトロンビン時間は肝予備能を把握できる等の新しい知見を得られたことはとても有意義でした。
一般講演Ⅰでは、「ぎふ西調剤薬局における乳がんゼローダ®服薬支援事例より」と題して、岐阜市薬剤師会 ぎふ西調剤薬局薬局長 吉田達彦先生より、薬局薬剤師の乳がん患者さんへの服薬指導、病態把握、有害事象の確認等工夫を凝らして業務をされていることを詳細に説明され、病院への要望もあり貴重な発言を頂きました。
一般講演Ⅱでは、「乳腺外来での取り組み」と題して、薬剤部の堀晃代より、乳腺外来の薬剤師の実際の業務について報告がありました。
特別講演では、「最近の乳癌治療について」と題して、乳腺外科部長の中田琢巳医師が、乳癌の疫学、乳癌の種類、治療について話され、現在の乳癌治療は、治療期間が長く、患者の意向を十分尊重した医療提供体制を整備して行わなくてはいけない。そのため、患者を中心とした医療を目指し、キャンサーボードの開催、医療連携の充実をしなくてはいけないと講演されました。

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お薬手帳とホームページの活用について
岐阜市民病院 薬剤師 安田昌宏
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これまでの取り組みにおけるアンケート結果報告
岐阜市民病院 薬剤師 水井貴詞
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肝障害に変動する臨床検査値
岐阜市民病院 中央検査部部長 内木隆文医師
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ぎふ西調剤薬局における乳がんゼローダ®
服薬支援事例より
ぎふ西調剤薬局薬局長 吉田達彦薬剤師
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乳腺外来での取り組み
岐阜市民病院 薬剤師 堀晃代
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最近の乳癌治療について
岐阜市民病院 乳腺外科部長 中田琢巳医師
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挨拶
岐阜市民病院 杉山保幸 副院長

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栄養のための地域連携における在宅医療勉強会(9月開催)

日時
平成27年9月12日(土)
午後3時30分から午後6時30分
場所
岐阜市民病院 看護学校講堂
講演内容
一般講演
「岐阜市薬剤師会の在宅」
一般社団法人岐阜市薬剤師会  在宅担当副会長  遠藤栄一

特別講演
「HPN・HENへのチャレンジ・連携,そして一歩先へ!!」
ゆう薬局     山口秀樹

情報提供
「岐阜地域の医療・介護・福祉連携について」
岐阜市民病院 血液腫瘍センター長,地域連携部長 高橋健

岐阜市薬剤師会副会長の遠藤栄一先生から、現在、岐阜市薬剤師会は第四期在宅応需初期段階に入り、会営薬局等が支援薬局となり在宅実施薬局を全面支援します。また、会営薬局を活用して、薬剤、医療材料の備蓄を通しても、在宅を行う「かかりつけ薬局」を支援する体制を構築しています。岐阜市薬剤師会の決意として、「在宅になったらさよならでは、"地域住民の健康を守る"薬局としての使命がはたせません!!」とし、今後、在宅医療に邁進していくと心強いお話を頂きました。
特別講演では、ゆう薬局の山口秀樹先生から、在宅医療に携わるきっかけから現在に至るまでの紆余曲折の体験をお話して頂き、在宅医療の現状が垣間見える体験ができました。山口先生から、在宅医療は考えて行うものでなく、まず行動することが重要であると熱いお言葉を頂きました。
岐阜市民病院血液腫瘍センター長高橋健医師から、岐阜市地域医療連携室実務者連絡会(れんげ会)と、岐阜地区医療・介護・福祉ネットワーク(菖蒲会)についての説明があり、これらの会は、在宅医療の基本的パターンの統一化と医師、薬剤師、訪問看護師など各職種において習熟と支援を応援すると岐阜地域においての在宅医療の今後を目指す指針を話されました。
今回の勉強会は、栄養のための地域連携における在宅医療勉強会の最終章を飾るよい勉強会でした。

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講演される遠藤先生
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講演される山口先生
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講演する高橋部長
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挨拶する杉山副院長

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平成27年 第2回 岐阜西地区 薬・薬連携勉強会の様子

日時
平成27年7月22日(水)
午後7時00分から午後9時00分
場所
グランヴェール岐山 5F 穂高

講演1では、「処方監査に活かす腎機能・体表面積推算式~Ccr、GFR、BSA推算と用法用量確認~」と題して、ぎふ西調剤薬局薬局長 吉田達彦先生が、腎排泄型薬物の監査には、Ccr、GFRが重要であるが、Scrの測定法、BSAの計算方法の違いで少し値が異なってくると話されました。また、eGFRは、体格の小さな患者では、BSA補正をしない値を用いる方がよいと熱弁されました。
講演2では、「精神科における薬物療法・精神療法」と題して、岐阜市民病院 精神科 田村量哉先生から、うつ病にみられる微小妄想には、貧困妄想、心気妄想、罪業妄想があること。うつ病には、心身症と心気症があり、心気症には、舌痛症状が表れることがあり口腔外科、耳鼻科に受診される方も居られること。また、うつ病の治療は、軽症には抗不安薬、中等症には抗うつ薬、重症には抗精神病薬が用いられるが、薬剤療法がすべてでないこと、患者一人一人違う対応が必要であること。また、うつ病症状が緩和される時期が一番重要であること等講演され、精神科に使用される薬物療法、精神治療について知識が深まりました。

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ぎふ西調剤薬局 薬局長 吉田達彦先生
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岐阜市民病院 精神科 田村量哉先生

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医療品・医療機器に関する医療安全学習会の様子

日時
平成27年7月17日(金)
午後6時00分から午後7時30分
場所
岐阜市民病院 サルビアホール

「病院における医薬品・医療機器の医療安全対策」と題して、独立行政法人医薬医療機器総合機構(PMDA) 安全第一部医療機器安全課 北山裕子先生から、1.医療安全とは、2.PMDA医療安全情報室の業務、3.薬剤投与にまつわる医療機器について、4.薬剤の影響を受ける医療機器について、5.医薬品における医療安全対策について話があった。その内容は、輸液ポンプの使用においては、側注も含めすべてのルートにポンプを使用すること、使用しないとルートに空気が混入する危険があること(図1)。植込み型除細動器の頻拍検出インターバルの設定に注意しないと不整脈剤投与により、VT発作時にペーシングが発動しない場合があること(図2)。抗リウマチ薬のメソトレキサートの服用間違い等、最近の医療事故に関する事例を挙げられた。挙げられた事例を良く理解し、同じ轍を踏まないように、今日からの業務に活かしたいと思います。

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図1
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図2
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講演される北山先生
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質疑応答

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輸液ライン設計の様子

日時
平成27年7月6日(月)
午後5時30分から午後7時30分
場所
岐阜市民病院 サルビアホール

「輸液ラインの組み立てを考える」をテーマにテルモ(株)ホスピタルカンパニー学術 青西伊都子先生から基礎講習を受け、その後、グループに分かれ、輸液ライン設計の問題が提示されました。グループ内では、輸液セット等の材質、注射剤添付文書の確認を行い、皆で相談しながら輸液ラインを組み込み、その後、組み込みの理由を各グループで発表を行いました。参加した医療スタッフは皆笑顔一杯、病院の明るい未来が見えました。

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後藤薬剤部長の挨拶
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基礎講習の様子
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輸液セット等の材質の確認
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グループ内での議論の様子
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グループ内での行動開始
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グループ代表の説明

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第23回クリニカルファーマシーシンポジウム 医療薬学フォーラム2015の様子

日時
平成27年7月4日(土)~5日(日)
場所
名古屋国際会議場

平成27年7月4日~5日に開催された「第23回クリニカルファーマシーシンポジウム 医療薬学フォーラム2015」において、当院薬剤師がポスター企画「私たちの施設の実務実習を紹介します!!」に参画しました。発表演題は、以下のとおりです。(岐阜市民病院薬剤部の業績参照)
会場では、当院で実習した元実務実習生が社会人となって来てくれました。この発表成果を生かして、今後の実務実習をより良きものに努めていきたいと考えます。

発表演題内容
発表演題  発表者
1. 外来化学療法アドバンスト実習の構築とその評価 田中和秀

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栄養のための地域連携における在宅医療勉強会(6月開催)

日時
平成27年6月18日(木)
午後6時30分から午後8時
場所
岐阜市民病院 サルビアホール
講演内容
「医療保険と介護保険の豆知識」
~栄養管理の事例から~
大塚製薬工場 学術部 山下靖彦

「医療保険と介護保険の豆知識」~栄養管理の事例から~と題して、大塚製薬工場 学術部 山下靖彦先生から、前回の講演の要点、在宅における輸液に関する在宅療養指導管理料、在宅患者診療・指導料等の再確認をし、本題である在宅経腸栄養療法へ話が進んだ。在宅における経腸栄養法は、投与経路により経口栄養法と経管栄養法に分けられる。経管栄養法は、経鼻法と経瘻孔法に分類され、一般的に、経鼻については、看護師が5%処置し、残りは医師が処置しているのが現状である。経鼻管は1週間で硬くなるので3日おきに交換した方が良いといわれ、在宅中心静脈栄養法の方が簡便であるといえる。経瘻孔法はPEGに代表される。PEG造設に伴う合併症は、口腔内細菌の創部感染、瘻孔周囲炎、瘻孔周囲壊死、皮膚潰瘍等があり、腹壁との接触部分の管理が重要となる。
経腸栄養法に関して算定できる在宅療養指導管理料には、在宅成分栄養経管栄養法指導管理料、在宅小児経管栄養法指導管理料、在宅寝たきり患者処置指導管理料がある。在宅成分栄養経管栄養法指導管理料は、エレンタール、ツインライン等の成分栄養剤を用いた場合のみ算定できる。また、在宅寝たきり患者処置指導管理料を請求した場合は、衛生材料等は請求できないことを確認しておいた方がよい。
全3回シリーズにて、栄養のための地域連携における在宅医療勉強会を開催しました。参加者は延べ154名であり、職種別では、医師7名、看護師18名、薬剤師112名、その他17名でした。多くの先生方に参加頂き、ありがとうございました。9月12日には、在宅で頑張っておられる保険薬局薬剤師の講演を予定しております。多数の先生方の参加をお待ちしております。

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講師の山下靖彦先生
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謝辞を述べる地域連携部 高橋部長
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進行係 薬剤部 後藤部長

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第17回 日本医療マネジメント学会学術集会の様子

日時
平成27年6月12日(金)~13日(土)
場所
グランキューブ大阪

第17回日本医療マネジメント学会学術集会は"医療における不易流行~変わらないもの、変わるもの~" をメインテーマに掲げ、これからの超高齢社会に対し、医療分野において、医療の質、生命の質を大切にし、今後どのように行動するかを考える学会です。この学会において、当院薬剤師が演題発表を行いました。発表演題は、以下のとおりです。(岐阜市民病院薬剤部の業績参照)

発表演題内容
発表演題  発表者
1. 腎機能障害患者への調整必要な薬物投与についての考察 水井貴詞

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岐阜薬科大学早期体験学習の施設見学の様子

平成27年5月27日に、岐阜薬科大学 医療薬剤学大講座 臨床薬剤学研究室 助教 神谷先生の引率で、10名の岐阜薬科大学1年生が早期体験学習の施設見学に岐阜市民病院に来てくれました。調剤室、注射室、無菌調製室、DI室、治験管理センター等を見学し、天気が良かったので、屋上のヘリポートも見学してもらいました。周辺の建物の説明をしましたが、レスポンスがあまり良くなかったので出身地を確認したら、他県からの学生が多いとのことでした。
学生からの質問は、がん患者への説明、治験の進め方、病院薬剤師のやりがい等鋭い質問が多く、答えるのに必死でした。元気の良い学生から活力をもらいました。
引率の神谷先生から、帰りのバスの中で、学生が薬剤師の心構えに関して興味を持っていたようだと聞き、充実感溢れる一日でした。

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調剤室にて
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質疑応答の様子
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ヘリポートにて

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第58回日本糖尿病学会年次学術集会の様子

日時
平成27年5月21日(木)~24日(日)
場所
海峡メッセ下関 他

平成27年5月21日~24日に開催された「第58回日本糖尿病学会年次学術集会」において、当院薬剤師が演題発表を行いました。発表演題は、以下のとおりです。(岐阜市民病院薬剤部の業績参照)
会場では、患者日誌の内容、後半に尿量が増加したのは何故か等多くの先生方々から質問をいただき、活発な議論ができました。この発表成果を生かして、今後の業務に努めていきたいと考えます。

発表演題内容
発表演題  発表者
1. SGLT2阻害薬服薬患者に対する治療日誌を用いた副作用モニタリング 大野佑城

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栄養のための地域連携における在宅医療勉強会(5月開催)

日時
平成27年5月21日(木)
午後6時30分から午後8時
場所
岐阜市民病院 サルビアホール
講演内容
「在宅医療の最近の話題」
~在宅静脈・経腸栄養管理の実際~
大塚製薬工場 学術部 山下靖彦

「在宅における栄養療法の話題」~在宅静脈・経腸栄養管理の実際~と題して、大塚製薬工場 学術部 山下靖彦先生から、前回の講演の要点、居宅療養管理指導費、在宅患者訪問薬剤管理指導療等の再確認をし、本題であるHPN(在宅中心静脈栄養)へ話が進んだ。在宅における輸液は、医師・看護師の実施により在宅患者訪問点滴注射管理料が60点/週請求でき、患者本人・家族の実施により在宅中心静脈栄養法指導管理料3、000点/月が請求できる。保険薬局においては、薬剤料と輸液セットの料金が請求できるが、輸液セットの料金は、輸液セット加算が未請求の場合のみ請求できると問題点を挙げられた。在宅中心静脈栄養の注射薬に関しても、厚生労働大臣が定める注射薬が設けられている。脂肪乳剤は、これに含まれていないと注意点を挙げられた。また、HPNの実施要件、在宅中心静脈栄養でみられる問題点を話された。特に輸液ポンプのアラームの問題が一番多く、輸液の保存、輸液の廃棄等の多数の問題があると話された。平成26年の診療報酬改訂において、無菌製剤処理加算の対象範囲の評価・見直しが行われ、無菌調剤室を借りて無菌調剤した場合の算定要件の緩和、医療用麻薬の無菌製剤処理加算対象の追加が行われた。その結果、全国的に無菌設備が普及し、今後、HPNが増加すると話された。
次回は、経腸栄養管理の話題となりますので、多くの先生方の出席をお待ちしております。

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講師の山下靖彦先生
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質問の応対される山下先生
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謝辞を述べる杉山副院長
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輸液の開通体験

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中心静脈栄養無菌調製の研修について

岐阜市薬剤師会から取材を受けました

岐阜市民病院では、平成27年4月22日から、中心静脈栄養無菌調製の研修を開始し、5月20日において、6名の保険薬局の薬剤師が研修を終えました。5月20日に、この研修について、岐阜市薬剤師会の遠藤副会長が研修内容とその実施の様子を見学され、写真を撮って行かれました。遠藤副会長より、この研修は、今後、在宅医療を進めるに当たり有意義な研修であるとお褒めの言葉を頂きました。今後も、当院は、研修される先生を募集していきます。

中心静脈栄養無菌調製研修の取材の様子です
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中心静脈栄養無菌調製の研修の様子

平成27年4月22日から、中心静脈栄養無菌調製の研修を開始しました。研修内容は、TPN処方の処方鑑査の仕方、無菌操作の講義から始まり、実地研修を行い、問題ない場合には、修了書を授与します。研修時間は、約2時間です。本日、研修修了者が2名誕生しました。今後、研修される先生を応募しています。

中心静脈栄養無菌調製研修の様子です
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NST専門療法士による栄養に関する講義
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フルカリック®の開通確認
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TPNへの輸液の混注
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TPNへの注射薬の混注

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栄養のための地域連携における在宅医療勉強会(4月開催)

日時
平成27年4月16日(木)
午後6時30分から午後8時
場所
岐阜市民病院 サルビアホール
講演内容
「在宅医療の最近の話題」
~在宅栄養管理の現状と今後~
大塚製薬工場 学術部 山下靖彦

「在宅医療の最近の話題」~在宅栄養管理の現状と今後~と題して、大塚製薬工場 学術部 山下靖彦先生から、人口の減少及び人口構造の高齢化による変化に対し、医療提供体制の改革が今後どのように行われ、医療・介護サービスの姿が今後どのように変わろうとしているのか、そして在宅医療がどのように進んでいくのか紹介されました。
2025年までに、医療・介護サービスの需要と供給(必要ベッド数)の見込みは、現状投影で130万床が必要であり、施設と在宅でそれぞれ60万人を見込んでいいます。
現在、急性期病院は、在宅復帰率を75%以上でなければならず、在宅復帰として認められる先として、自宅、居住系介護施設、在宅強化老健、在宅支援老健、他院の在宅復帰強化型療養病床であり、岐阜県下の施設一覧が表示されました。
高齢者単独世帯が多い自治体において、在宅医療拠点整備の試みがされている例が紹介されました。サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)と在宅医療を含めた24時間の在宅ケアシステムの組み合わせによる地域包括ケアシステムです。1階にクリニック、薬局、訪問看護事業所、訪問介護事業所、居宅介護支援事業所が入り、2階、3階はグループホームで4階は小規模多機能型居宅介護事業部、5階・6階をサ高住となってます。現在、千葉、熊本で実施されているとのことでした。
最後に、在宅患者訪問薬剤管理指導と居宅療養管理指導、医療保険と介護保険の違いについて話があり、今後、地域での緩和ケアネットワークの構築も重要となってくるということでした。
在宅という聞きなれない情報がきれいに整理され、あっという間の90分間でした。今後、3回を企画しているので、在宅に興味をお持ちの先生はご参加ください。

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講師の山下靖彦先生
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挨拶する冨田院長
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質問の応対される山下先生
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質問する地域連携部 高橋部長
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謝辞を述べる杉山副院長

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OB・OG就職説明会

日時
平成27年4月15日(水)
午後2時から午後5時
場所
岐阜薬科大学本部キャンパス

4月14日14時に、学生部長の足立哲夫教授から、今回参加の4つの薬局、5つの病院、岐阜県庁の計10施設の紹介があり、OB・OGの自己紹介からOB・OG就職説明会が始まりました。岐阜市民病院のブースには、7名の学生が立ち寄り、主に薬剤師レジデント制度の質問が多かったです。来年度の募集の応募に期待します。

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岐阜市民病院のブース

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医薬品学習会

日時
平成27年2月27日(金)
午後6時30分から午後8時00分
場所
岐阜市民病院
西診療病棟4階大会議室(サルビアホール)
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質疑に応答される森先生
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謝辞を述べる鷹尾副院長

「実践で役立つ中毒の知識」と題して,大垣市民病院薬剤部長 森博美先生から,中毒で救急に運ばれた際の原因物質は,自然毒,医薬品,農薬,家庭用洗剤,化学薬品等であった。マムシの咬傷にすべてセファランチンで対応するには危険性があり,血管まで到達していれば,マムシ抗毒素を投与しないと死に至る場合があると警告された。また,中毒の講演のみならず,トライエージの操作(図1),有機リン系農薬の検出(図2),パラコートの検出(図3),ボタン電池の細胞障害(図4)の実務実習も並行して行われ,有意義な時間を過ごしました。

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図1 トライエージの検出操作と結果
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図2 有機リン系農薬の検出操作と結果
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図3 パラコートの検出操作と結果
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1時間後
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図4 ボタン電池のウインナー障害結果

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平成27年 第1回 岐阜西地区 薬・薬連携勉強会

日時
平成27年2月26日(木)
午後7時00分から午後8時30分
場所
グランヴェール岐山 5F 穂高

講演1では,「感染症の雑学」と題して,薬剤部長 後藤千寿が,インフルエンザH7N9のパンデミックの脅威,de novoのB型肝炎の恐ろしさと免疫抑制・化学療法により発症するB型肝炎対策ガイドラインの重要性を中心に話した。
講演2では,「Up-to-date 医薬品副作用被害救済制度~不支給事例を再確認する~」と題して,ぎふ西調剤薬局 薬局長 吉田達彦先生から,添付文書の適応症,用法用量,使用上の注意に従わずに使用した場合は,医薬品副作用被害救済制度の対象とならないので,疑義照会の重要性を強調された。また,ラモトリギンのブルーレター症例について,SGDを行い,病院薬剤師と保険薬剤師との意見交換を行い,白熱した議論の中あっという間の時間であった。

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ぎふ西調剤薬局 薬局長 吉田達彦先生の講演
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SGD(small group discussion)の様子
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SGD(small group discussion)の様子
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SGD(small group discussion)の発表

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細菌のおはなしの様子

日時
平成27年2月10日(火)
午後6時00分から午後7時20分
場所
岐阜市民病院 
西診療棟4階大会議室(サルビアホール)

「グラム染色、感受性検査、検査に要する日数、検体の扱い方、そして、細菌の性質と特徴」と題して,岐阜市民病院中央検査部 武藤敏弘技師より,検査に要する日数および検体の扱い方,培養,喀痰検体の観察,細菌の染色法,各細菌の染色像,薬剤感受性検査,血液培養,厚生労働省院内感染対策サーベイランスの項目について講義があり,細菌の染色像の特徴,病原因子,感染部位,病原性について詳細に説明され,とても有意義な時間を過ごしました。

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講演.
「グラム染色、感受性検査、検査に要する日数、
検体の扱い方、そして、細菌の性質と特徴」
岐阜市民病院中央検査部 武藤敏弘技師
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会場の様子

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第2回 地域連携における安心ながん化学療法を進める会の様子

日時
平成27年2月4日(水)
午後7時00分から午後9時00分
場所
岐阜市民病院 
西診療棟4階大会議室(サルビアホール)

活動報告では,「お薬手帳とホームページの活用について」と題して,薬剤部の安田昌宏より,ホームページにレジメンの副作用モニタリングシートが充実したことと外来化学療法室において,お薬手帳にレジメン名情報提供シールの貼付を開始したと報告があった。
レクチャーでは,「臨床検査値:AST・ALTについて」と題して,薬剤部の後藤千寿より,AST・ALTは細胞からの逸脱酵素であり,ビタミンB6の欠乏で減少することもあると説明があった。
業務報告では,「EGFR-TKIにおける薬剤師の関わり」と題して,薬剤部の大澤友裕より,EGFR-TKI導入時の薬剤師の関わりについて詳細な説明があった。
教育講演では,「注意すべき薬剤性間質性肺炎」と題して,岐阜市民病院呼吸器・腫瘍内科部長吉田勉医師より,薬剤性肺障害の診断基準としてのCamus基準から患者側のリスク因子,薬剤のリスク因子,検査方法,治療まで話され,最後にMUC4遺伝子多型により薬剤性肺障害が高頻度になると興味深い情報も得られた。
特別講演では,「変貌する肺癌治療と地域薬剤師の役割」と題して,岐阜市民病院診療局長(がんセンター)澤祥幸医師より,肺癌の疫学,肺癌の原因,がん遺伝子とがん抑制遺伝子の種類と関連する疾患,肺癌遺伝子変異の発見,遺伝子変異に対しての分子標的薬による効果,そして地域薬剤師の役割について等多岐にわたって講演された。

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開催の挨拶をする
岐阜市民病院 副院長 杉山保幸
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活動報告.
「お薬手帳とホームページの活用について」
岐阜市民病院 薬剤師 安田昌宏
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業務報告.
「EGFR-TKIにおける薬剤師の関わり」
岐阜市民病院 薬剤師 大澤友裕
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教育講演.
「注意すべき薬剤性間質性肺炎」
岐阜市民病院 呼吸器・腫瘍内科部長 吉田勉医師

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特別講演.
「変貌する肺癌治療と地域薬剤師の役割」
岐阜市民病院 診療局長(がんセンター) 澤祥幸医師

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第55回日本肺癌学会学術集会の様子

日時
平成26年11月14日(金)~16日(日)
場所
国立京都国際会館

平成26年11月14日-16日に開催された「第55回日本肺癌学会学術集会」で当院薬剤師が演題発表を行いました。発表演題は、以下のとおりです。(岐阜市民病院薬剤部の業績参照)
会場では多くの方々から質問をいただき、活発な議論ができました。この発表成果を生かして、今後の業務に努めていきたいと考えます。

発表演題内容
発表演題  発表者
1. アルブミン懸濁型と従来型パクリタキセルの調製時間の比較 大澤友裕

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医薬品勉強会の様子

日時
平成26年10月28日(火)
午後6時00分から午後7時30分
場所
看護学校講堂
内容
注射薬の配合変化と輸液ポンプ・シリンジポンプの適正使用

46名(看護師35名、薬剤師5名、薬学生6名)が参加して、注射薬の配合変化の実際を体験しました。また、ポンプ使用時の注意点を改めて確認し、勤務して半年となる新人看護師にとっても、薬剤師・薬学生にとっても貴重な体験をしました。
グループは看護師、薬剤師、薬学生が一緒になり、また看護師も同じ所属が同じグループにならないようにしたことで、他職種・他部署間のコミュニケーションを図ることができました。体験型の講習であることから自然と共同して行うことができました。
普段では配合変化を起こすことなどできない実例を体験して、安心して業務を行うことができるようなるとの声も上がり、有意義な研修となりました。

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配合変化研修前の輸液ルートを勉強する薬学生
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いよいよ研修
グループに分かれて,実施
職種・所属はランダムです
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配合変化の観察です
側管からラシックス,白くなってきました
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混注順序による配合変化回避の実践
やはり配合変化するグループに集合です
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ポンプ使用時の注意点を再確認
気泡混入、閉塞の状態にして、操作

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第1回 地域連携における安心ながん化学療法を進める会の様子

日時
平成26年10月23日(木)
午後7時00分から午後9時00分
場所
岐阜市民病院 
西診療棟4階大会議室(サルビアホール)

教育講演では、「岐阜市民病院薬剤部でのがん化学療法における副作用チェックの現状とその対応」と題して、薬剤部の安田昌宏より、当院薬剤部におけるがん治療の現状報告と抗がん剤の副作用の評価基準を提示し、有害事象のグレード分類を中心に講演しました。
レクチャーでは、「がん化学療法説明書の使い方~地域で支えるがん治療を目指して~」と題して、薬剤部の大澤友裕より、当院作成の患者用がん化学療法説明書(当院作成の患者用がん化学療法説明書はこちらで閲覧できます。)の使い方、有害事象が現れた患者への指導内容について説明を行いました。(詳細の内容はここを閲覧してください)
特別講演では、「大腸がん治療における化学療法の位置づけと実際」と題して、当院の内視鏡外科部長松井康司医師より、大腸がんの疫学から診断,治療まで詳細に講演され,最後に,がん化学療法を行うために,かかりつけの保険薬剤師の役割が重要であると話され講演を終わりました。
最後に、当院の副院長杉山保幸より、かかりつけの保険薬局、かかりつけ医師、市民病院が密に関係を保ちながら、患者さんを中心に医療を提供していかなくてはいけないと話され会を閉じました。

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基礎講演.
岐阜市民病院薬剤部でのがん化学療法における副作用チェックの現状とその対応
岐阜市民病院 薬剤師 安田昌宏
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レクチャー.
がん化学療法説明書の使い方 ~地域で支えるがん治療を目指して~
岐阜市民病院 薬剤師 大澤友裕

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特別講演.
大腸がん治療における化学療法の位置づけと実際
岐阜市民病院 内視鏡外科部長 松井康司医師

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岐阜市民病院 副院長 杉山保幸

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第24回日本医療薬学会年会の様子

日時
平成26年9月27日(土)~28日(日)
場所
名古屋国際会議場

平成26年9月27~28日に開催された「第24回日本医療薬学会年会」で当院薬剤師7人が演題発表を行いました。発表演題は、以下のとおりです。
会場では多くの方々から質問をいただき、活発な議論ができました。この発表成果を生かして、今後の業務に努めていきたいと考えます。

発表演題内容
発表演題  発表者
1. 軟膏・水剤ラベル印字システムの構築と評価 梅田道
2. イマチニブ服用患者の挙児希望を支援した慢性骨髄性白血病の1 例 大澤友裕
3. 抗がん剤投与量計算補助システム導入による疑義照会への影響に関する研究 長屋雄大
4. 乳癌外来化学療法における副作用が日常活動・費用損失に及ぼす影響 田中和秀
5. 血液内科病棟におけるがん薬物療法勉強会に関する看護師の評価 安田昌宏
6. 岐阜市民病院における病棟薬剤業務実施加算算定後の薬学的介入の内容分析 大橋洵
7. フェンタニル舌下錠使用法の理解向上のために作成したフローチャートの有用性の検討 牧野哲平

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1.軟膏・水剤ラベル印字システムの構築と評価
梅田道
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2.イマチニブ服用患者の挙児希望を支援した慢性骨髄性白血病の1 例
大澤友裕

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3.抗がん剤投与量計算補助システム導入による疑義照会への影響に関する研究
長屋雄大

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4.乳癌外来化学療法における副作用が日常活動・費用損失に及ぼす影響
田中和秀
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5.血液内科病棟におけるがん薬物療法勉強会に関する看護師の評価
安田昌宏
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6.岐阜市民病院における病棟薬剤業務実施加算算定後の薬学的介入の内容分析
大橋洵
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7.フェンタニル舌下錠使用法の理解向上のために作成したフローチャートの有用性の検討
牧野哲平

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平成26年第1回症例検討会の様子

病院と保険薬局が連携する血友病治療体制に向けて

日時
平成26年8月14日(木)18:30~
場所
岐阜市民病院 西病棟5F中会議室
プログラム
当薬局における血友病患者さん定期補充支援の現状
~ 血友病A,B 各1症例より ~
岐阜市薬剤師会 会営
ぎふ西調剤薬局 吉田 達彦
オープン・ディスカッション 岐阜市民病院
薬剤部  小林 健司 後藤 千寿
血液内科 高橋 健

「病院と保険薬局が連携する血友病治療体制に向けて」をテーマとして、岐阜市薬剤師会会営ぎふ西調剤薬局の吉田先生から、当薬局における血友病患者さん定期補充支援の現状と題して、血友病の重症度分類と定期補充療法について説明された。定期補充療法の投与量と投与方法は、重症度、運動量を加味しながら個別に輸注量を決めることになる。そのため、患者さんとの情報交換が必須であると熱弁された。
また、血液内科の高橋医師より、治療中の患者さんの治療経過を紹介し、定期補充療法の必要性とあり方、患者さんからの使用状況などの情報収集ポイントを説明された。今までは、症状が発現した時に投与していたが、ガイドラインが新しく改訂され、定期補充療法を推奨されるようになった。今後、保険薬局の薬剤師からの患者さんに関する情報の収集による医師への叱咤激励をお願いしたいとコメントされた。
岐阜市薬剤師会会長の岩田先生から、今後は在宅療養を中心に病院と保険薬局との関係を密にしていきたいと話された。


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