中央検査部 腎臓の検査

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腎機能検査

《BUN:尿素窒素》

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体内で利用されたタンパクの老廃物で腎臓から尿中に排泄されます。体内でのタンパク分解が進んだ時や、腎臓への血流量が減少したり、尿排泄機能が障害されるなど腎臓機能が低下した時に高くなります。また、妊娠や慢性の低栄養状態などで低くなります。

《CRE:クレアチ二ン》

筋肉で利用されたクレアチンの老廃物でほとんどが腎臓で排泄されます。腎不全、糸球体腎炎、尿毒症などで高くなり、人工透析導入の指標となります。筋萎縮、妊娠、尿崩症などで低くなります。

《UA:尿酸》

尿酸はプリン体の最終代謝産物です。尿酸代謝が正常な場合は体内の尿酸生産量と排泄量が等しくバランスがとれていますが、このバランスが崩れると高尿酸血症や低尿酸血症になります。痛風、慢性腎不全、白血病、高脂血症、高血圧、肥満、薬剤の影響などで高くなります。

《TP:総タンパク》

様々な病態で増減します。肝機能だけでなく腎機能をみるのにも有用で、基本的な検査として、または診断の補助として用いられます。下痢や嘔吐などの脱水時、肝硬変、慢性肝炎、悪性腫瘍、多発性骨髄腫などの血液疾患で高くなります。また、タンパク摂取不足、出血やネフローゼ症候群などのタンパクの漏れ、肝硬変、肝不全などのタンパク合成能の低下などで低くなります。

《ALB:アルブミン》

総タンパクの2/3程度を占め、全身状態をよく反映します。肝障害、ネフローゼ症候群、妊娠などで低くなります。

《A/G:アルブミン/グロブリン比》

血中のアルブミンとグロブリンの割合を調べる検査です。肝硬変、膠原病、ネフローゼ症候群などで低くなります。

《Cys-C:シスタチンC》

血清クレアチニンが上昇しない程度の腎機能障害でも上昇するため、腎機能障害に対する早期の診断マーカーとして用いられます。年齢、性別、体格、炎症の有無などの影響をほとんど受けません。

《24h/12h CCR:24時間/12時間クレアチニンクリアランス》

血中と尿中(12時間/24時間の蓄尿中)のクレアチニンを測定して比較することで糸球体濾過量を推測し、腎機能の評価をします。腎機能が低下すると低くなります。糖尿病腎症の初期や妊娠中などでは高くなります。

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尿一般検査

尿中にタンパクや糖などの成分が出ていないか、また腫瘍などの存在により出血がないかを調べます。腎臓病だけでなくさまざまな病気で異常がみられます。

《比重》 : 正常尿1.005~1.030

尿中に溶けている物質と水分の割合を示し、腎臓の濃縮力を知ることができます。

《pH》 : 弱酸性 pH6.0程度(pH4.5~8.0)

尿が酸性かアルカリ性かを調べます。通常は、弱酸性です。血液のpHを反映し、摂取した食物の種類によって変動します。

《蛋白》 : 正常尿 (-)

尿中にタンパクが認められるか調べます。腎臓の機能に障害があると陽性を示します。健康な人においても激しい運動や精神的ストレスなど一過性の原因で尿蛋白の排泄が増加することがあります。

《潜血》 : 正常尿 (-)

腎臓、尿路からの出血による赤血球とヘモグロビンを示唆します。陽性の場合、泌尿器及び腎臓の病気が疑われます。

《糖》 : 正常尿 (-)

尿中に糖が認められるか調べます。通常、尿中に糖が出現することはありませんが、血糖値が一定の数値を超えると尿中に出現します。

《尿ケトン体》 : 正常尿 (-)

尿中にケトン体が認められるか調べます。糖質不足や利用障害に起因する脂質の分解や糖新生の亢進を表します。(糖尿病、妊娠、ストレス、長期間の食事制限や絶食など)

《尿ビリルビン》 : 正常尿 (-)

尿中にビリルビンが認められるか調べます。肝・胆道系障害により血中ビリルビンが増加し一定の値を超えると尿中に排泄されます。

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