中央検査部 感染症の検査

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《CRP:C反応性タンパク》

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組織や細胞の炎症を早く鋭敏に、また定量的に知ることが出来ます。あらゆる炎症性疾患で高くなりますが、ウイルス感染症では陽性率、数値ともに低くなります。

《ESR:赤血球沈降速度》

抗凝固剤を加えた血液で、赤血球が沈む速度をみる検査です。CRPや白血球数とともに炎症の有無とその評価に用いられます。

《PCT:プロカルシトニン》

プロカルシトニンはカルシウム調節ホルモンであるカルシトニンになる前の物質です。通常プロカルシトニンは甲状腺でつくられ、カルシトニンとなって分泌されるため血中に放出されることはありません。しかし重症細菌感染症では甲状腺以外の場所でプロカルシトニンが産生され、カルシトニンになることなく分泌されるので、血中でプロカルシトニンが測定されます。細菌感染症、特に敗血症の診断と重症度の診断に有用です。

《HBsAg:HBs抗原》

HBs抗原はB型肝炎ウイルスの表面抗原で、この抗原が存在するということは現在B型肝炎ウイルスに感染していることを示します。

《HBsAb:HBs抗体》

HBs抗体はHBs抗原に対する抗体で、この抗体が存在するということは過去にB型肝炎ウイルスに感染したことがあるという既往感染を示します。またB型肝炎ウイルスワクチン接種者も陽性になります。

《HBeAg:HBe抗原》

HBe抗原はB型肝炎ウイルスが増殖する際に、感染した細胞から分泌されます。そのため、HBe抗原によってウイルスの増殖状態を知ることができます。

《HBeAb:HBe抗体》

HBe抗体はHBe抗原に対する抗体で、HBe抗原が減少すると陽性になります。HBe抗原産生の停止を示すので、B型肝炎ウイルスの増殖状態の停止を意味すると考えられます。このHBe抗原陰性・HBe抗体陽性への変化はセロコンバージョンといい、肝炎が沈静化するため、治療の目標としても重要です。しかし、HBe抗原を産生しない変異ウイルスも存在するため注意が必要です。

《HCV抗体》

HCV抗体はC型肝炎ウイルスに対する抗体で、この抗体が存在するということはC肝炎ウイルスに感染している、あるいは過去にC肝炎ウイルスに感染したことがあることを示します。抗体検査のみでは既往感染と現在の感染の区別が困難なため、HCVコア抗原やHCV-RNA検査などのより詳しい検査を行います。

《HIV抗原・抗体》

後天性免疫不全症候群(AIDS)の病因ウイルスである、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)の抗原あるいは抗体を検査します。この検査はHIVに感染しているかどうかのスクリーニング(ふるい分け)検査で、この検査で陽性になった場合は、ウエスタンブロット法やPCR法などのより特異性に優れる方法で確認検査を行います。

《HTLV抗体》

成人T細胞白血病(ATL)の病因ウイルスである、ヒトT細胞白血病ウイルスの抗体を検査します。この検査もHIV抗原・抗体検査と同様にスクリーニング(ふるい分け)検査のため、陽性となった場合はウエスタンブロット法などのより特異性に優れる方法で確認試験を行います。

《梅毒血清反応》

梅毒血清反応は、梅毒トレポネーマ感染によって生じる血中の抗体を検出する方法です。脂質抗原試験であるRPR法(凝集反応)と梅毒トレポネーマ抗原試験であるTPLA法(ラテックス凝集反応)があり、それぞれに特徴があるため必要に応じて両者を併用します。脂質抗原試験のみが陽性の場合は生物学的偽陽性と考えられ、膠原病やウイルス性疾患などでみられます。

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