中央検査部 電解質の検査
《Na:ナトリウム Cl:クロール》
主に細胞外液中に存在し他の電解質と共に水分バランス、浸透圧バランス、酸塩基バランスの調節に重要な役割を果たしています。下痢、嘔吐、腎不全などで異常値を示します。
《K:カリウム》
腎臓からの排泄と細胞内外の分布調節で恒常性を保っています。カリウム濃度異常は神経、心筋などの機能障害を引き起こします。腎不全、下痢、嘔吐、利尿剤投与などで異常値を示します。
《Ca:カルシウム》
生体カルシウムのほとんどが骨や歯の組織に含まれていて血中には僅か0.1%存在するのみですが、様々な生理機能調節に重要な役割を果たしています。甲状腺機能亢進症、悪性腫瘍、骨代謝異常などで高くなり、副甲状腺異常、ビタミンD欠乏症、慢性腎不全などで低くなります。
《P:無機リン》
リンの大部分は細胞内で有機リンとして存在し、無機リンは血中にわずかに存在しています。無機リンの代謝はカルシウム調整ホルモンの影響を強く受けます。腎不全、甲状腺機能亢進症などで高くなり、ビタミンD欠乏症、呼吸不良症候群などで低くなります。
《Mg:マグネシウム》
酵素活性やエネルギー代謝に不可欠で、慢性腎不全、甲状腺機能低下症などで高くなり、呼吸不良症候群や糖尿病、利尿剤投与などで低くなります。
《Cu:銅》
銅は血清と赤血球中にほぼ半分ずつ存在し、骨代謝、結合織代謝、造血に重要な役割を果たしています。Wilson病などで低くなり、人工透析などで高くなります。