中央検査部 生理検査

西館2階の生理検査受付へお越しください。

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検査項目

検査項目 おおよその所要時間
心電図検査 安静時心電図 5分
負荷心電図 20分
トレッドミル運動負荷試験 1時間
ホルター心電図 15分
自律神経検査 10分
超音波検査 心臓超音波検査 30~40分
頸動脈超音波検査 40分
経食道心臓超音波検査 40分
末梢血管検査 血圧脈波(ABI/PWV) 15分
経皮的酸素分圧 1時間
皮膚灌流圧 1時間
呼吸機能検査 分時換気量(MV)
肺活量(VC)
努力性肺活量(FVC)
機能的残気量(FRC)
肺拡散能力(DLco)
クロージングボリューム(CV)
検査項目によって
15~40分
呼吸抵抗試験 10分
脳・神経検査 脳波検査
神経伝導速度
針電極筋電図検査
体性感覚誘発電位(SEP)
聴性脳幹反応(ABR)
視覚誘発電位(VEP)
各1時間
睡眠時呼吸障害検査 簡易睡眠検査 20分
終夜睡眠ポリグラフ検査(PSG) 1時間

心電図検査

心臓の拍動に伴って生じる電気的活動を、体表面からの波形として記録します。

《安静時心電図》

心臓の検査の中で最も一般的な検査です。
ベッドの上に仰向けに寝ていただき、両手首・足首、胸部(6箇所)に計10個の電極を付けて検査をします。検査による痛みやしびれはありません。
この検査は不整脈、胸の痛み(狭心症、心筋梗塞)、動悸、呼吸困難、失神などの症状を診断するために行う検査です。また、手術前や治療効果の判定、ペースメーカーが正常に動いているかどうかなどの評価も行います。

心電図検査室

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《負荷心電図》

階段の昇り降りをしていただき、運動負荷により虚血の有無、胸痛の鑑別、不整脈の検出などを目的とした検査です。
負荷前の心電図を記録した後、年齢・性別・体重によって定められた昇降回数に従い運動し、階段昇降が終了しましたら、直ちにベッドに横になり運動後経過を追って心電図を記録します。

階段

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《トレッドミル運動負荷試験》

心電図および血圧を経時的に測定しながら、ベルトコンベアーの上を歩行して頂き、速度と傾斜を変化させて検査します。
運動開始から運動後までの心電図の変化や血圧の変動、症状の有無を見ます。

《ホルター心電図》

小型の携帯型心電計を使って、日常生活の中で、長時間(24時間)の心電図を記録します。
自覚症状と心電図との関係、不整脈や虚血性心疾患の診断、ペースメーカーの作動状況などを確認する検査です。装着中は入浴やシャワーはできません。
他にも2週間装着する心電計や、24時間記録する血圧計もあります。

携帯型心電計

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《自律神経検査》

ベッドで数分間安静した後100拍の心電図波形を記録し、拍動する間隔の変化をみます。
心臓は、自律神経の働きにより拍動する間隔が微妙に変化します。自律神経の機能が低下するとこの間隔の変化が少なくなります。

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超音波検査

超音波は、耳では聞くことができない高い周波数の音です。
超音波の反射を利用して、体内の臓器の形や動きなどを観察します。
安全で痛みのない検査です。

超音波診断装置

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《心臓超音波検査》

上半身裸になっていただき、ベッドに左向きに寝て行います。胸(心臓付近)にゼリーを塗って、超音波を出すプローブをあてて検査します。
心臓の動きや大きさなどを評価します。

《頸動脈超音波検査》

ベッドの上で仰向けになり、首にゼリーを塗って行います。
動脈硬化による頚動脈壁内の石灰化や壁の厚み、血液の流れなどを観察し、動脈硬化の進行度、血管の狭窄や閉塞の有無を評価します。
一過性脳虚血発作や軽度の脳梗塞、生活習慣病の予防のために検査します。

《経食道超音波検査》

専門医が行います。
内視鏡のような形状の超音波プローブを口から食道へ挿入して心臓を観察します。
経胸壁心臓超音波検査では観察困難な場合や、更に詳しく観察したい場合などに検査します。
プローブを挿入しやすくするため喉に麻酔をしますので、検査前は絶食です。また、検査後の飲食、車等の運転にはご注意ください。

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末梢血管検査

動脈硬化の程度や血管の容積変化を見ます。

《血圧脈波》

両手両足首に血圧計を巻き、四肢の血圧を同時に測定します。
血管内腔の狭窄度と血管壁の硬さを調べます。
ABI(足関節/上腕血圧比)
動脈硬化による狭窄や閉塞を評価する指標の一つです。
基準値は0.9~1.3です。
0.9以下は閉塞性動脈硬化を疑います。
PWV(脈波伝搬速度)
動脈壁の硬さを評価する指標の一つです。
基準値は1400cm/s以下です。
1400cm/s以上は動脈硬化が疑われ、放置しておくと脳出血、脳梗塞、狭心症や心筋梗塞などになる可能性があります。
末梢血管検査には、他にも経皮的酸素分圧や皮膚灌流圧を測定する検査があります。手足あるいは指先にどの程度の血流があるか、毛細血管レベルで調べる検査です。虚血肢の重症度の判定や治癒の予測、やむなく四肢を切断するときに切断部位を決定する際に行います。

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呼吸機能検査

大きく息を吸ったり吐いたりして、肺の大きさや働きを調べる検査です。
換気機能障害の診断、治療効果の判定、術前検査などで実施されます。
検査当日は禁煙してください。

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《分時換気量(MV)》

1分間に換気する空気量です。
口で安静な呼吸を、1分間していただきます。
閉塞性障害:呼吸回数が少なく、1回換気量が比較的大きい。
拘束性障害:呼吸回数が増加し、1回換気量はほぼ一定です。

《肺活量(VC)》

空気を最大限吐いたところ(最大呼気位)から最大限吸ったところ(最大吸気位)までの量を肺活量といいます。
比肺活量(%VC):%VC¬=実測VC/予測VC×100。
年齢・性別・身長により予測肺活量が算出され、それと比較して肺活量を評価します。
予測肺活量の80%以上を正常とします。
拘束性障害では%VCが低下します。

《努力性肺活量(FVC)》

最大吸気位から最大呼気位までを、出来るだけ強く速く呼出して得られた呼気肺活量を努力性肺活量と言います。
1秒率:1秒率=FVC1.0/FVC(VC)×100
1秒間に吐いた量を、FVC(VC)で除した百分率です。
70%以上を正常とします。
閉塞性障害(気管支喘息、肺気腫など)では1秒率が低下します。

《機能的残気量(FRC)》

安静呼気位において肺や気道に存在し、実際にガス交換に関与する空気の量を表しています。
マウスピースをくわえて、安静呼吸を4~5分して頂きます。
慢性肺気腫では増加し、肺線維症では減少します。

《肺拡散能力(DLco)》

肺に吸い込んだ空気の中から、身体(動脈血)の中にどれだけ効率良く酸素が取り込まれているかを調べる検査です。
最大呼気位から勢いよく胸いっぱいまで吸い、そのまま10秒程息止めをし、そのあと一気に空気を吐き出して頂きます。
間質性肺炎・肺塞栓症では拡散能が減少します。

《クロージングボリューム(CV)》

肺の末梢気道の閉塞程度や、肺の不均等なガス分布(肺の中に空気を交換しにくいところがないかどうか)を調べる検査です。
息を全部吐き出し、次に続けてゆっくりと胸いっぱいまで息を吸い、最後に肺の空気をすべて吐き出すつもりでゆっくりと息を吐ききってください。
閉塞性換気障害の早期発見に役立ちます。

《呼吸抵抗試験》

呼吸するとき、気道、肺などにおける空気の通りにくさを検査します。
マウスピースをくわえて安静な呼吸をして頂きます。
気管支喘息の発作時など、気道が狭くなる状態では抵抗値が高くなります。
呼吸機能検査には他にも薬剤を吸入して、吸入前後の測定値を比較する気道可逆性試験や呼吸抵抗試験の検査もあります。

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脳・神経検査

脳・神経細胞・筋肉の活動を電気信号の変化として記録します。

《安静時脳波・賦活脳波》

脳の電気的活動を、頭皮上につけた電極から波形として記録する検査です。
頭皮上にクリームで電極を付け、ベッドに寝て検査します。
乳幼児は睡眠導入剤などを飲んで頂き、睡眠状態で検査します。
てんかんの診断に脳波は欠かせない検査で、他にも脳腫瘍、脳挫傷などの器質的障害の判定、睡眠段階の判定などで用いられます。

てんかんで見られる脳波波形

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《神経伝導速度》

手足に痛みやしびれる症状や力が入らない場合に、運動神経や感覚神経の興奮が伝わる速さを検査して、 神経障害の有無や程度を調べます。
神経を電気で刺激するため、個人差はありますが痛みや不快感を伴うことがあります。
末梢神経炎、 糖尿病性神経障害、手根管症候群、肘部管症候群の診断に役立ちます。

検査機器と刺激電極

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《針筋電図》

専門医が行います。
筋肉の運動障害、脱力、しびれ、麻痺、痛みなどの症状の原因が運動神経にあるのか、筋肉自体にあるのかを調べるための検査です。
腕や足の筋肉に直接針を刺して検査するため、痛みを伴います。
脱髄疾患の経過や、筋疾患(多発筋炎)、筋緊張症などの鑑別に有用です。

《体性感覚誘発電位(SEP)》

末梢神経から脊髄を経由して大脳皮質感覚野に至るまでの感覚神経と神経中枢の働きを調べる検査です。
末梢神経から電気刺激を神経に与えることによって、知覚神経系に誘発される電気信号を記録します。末梢神経から脊髄、脳幹、視床、大脳皮質に至る長い神経路の障害の部位と程度が把握できます。
神経伝導速度と同様に電気で刺激するので、痛みを伴うことがあります。

《聴性脳幹反応(ABR)》

脳幹部での聴覚神経系の興奮による電位を頭皮上より記録したものです。
ヘッドホンをして頂き、クリック音を流して検査します。検査中は目を閉じて楽にしていてください。
他覚的聴力検査に利用され、特に新生児、乳幼児や精神発達遅滞児の難聴の客観的な評価に多く用いられます。

《視覚誘発電位(VEP)》

光の点滅を見ることにより、網膜や大脳の視覚野に現れる反応を電気信号として記録します。頭皮上に電極をつけ、ゴーグルをしていただいた後、光を点滅させます。光が点滅している間は目を閉じていてもかまいません。体を動かしたり、力を入れると測定に影響しますのでリラックスして下さい。
多発性硬化症をはじめ、脳幹障害、視神経疾患などの診断に役立ちます。

≪瞳孔機能検査≫

暗い部屋で目を閉じて5分間安静後、しっかり目を開けてゴーグルをしていただき、光刺激を出して検査します。
光刺激に対する瞳孔の反応を測定し、自律神経機能を評価します。
主に糖尿病のスクリーニング検査として実施されます。

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睡眠時呼吸障害検査

夜間のいびきや無呼吸を主訴とする睡眠時無呼吸・低呼吸症候群を調べます。

《簡易睡眠検査》

睡眠時無呼吸症候群が疑われるときに実施するスクリーニング検査です。
測定機器を貸出して、自宅で呼吸センサー、いびきセンサー、酸素濃度センサーを就寝時に取り付けていただきます。
検査後、測定機器は生理検査室に返却してください。

《終夜睡眠検査》

検査は1泊入院で行います。
簡易睡眠検査と同様に睡眠時無呼吸症候群が疑われるときに実施する検査ですが、簡易睡眠検査より精密な結果を得る事ができます。
脳波・目の動き・ 顎の筋電図・心電図や、呼吸状態を調べるために、お腹や胸の動きを検出するベルト、口と鼻の空気の流れを調べるセンサーを装着します。さらに、血液中の酸素飽和度を調べるセンサーを指先につけます。その他、いびき用のマイクや、体動を調べるセンサーもつけます。装着時間は1時間程度で、技師が行います。

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