肺の検査
KL-6:シアル化糖鎖抗原 KL-6
間質性肺炎で高くなります。また、肺がん、膵がん、乳がんでも高くなることがあります。
寒冷凝集反応
寒冷凝集素は20℃以下で自己の血球と結合して凝集します。マイコプラズマ肺炎などで寒冷凝集素が出現することが知られており、寒冷凝集反応を検査することで診断します。また、寒冷凝集素病でも高くなります。
SCC
肺がん、子宮がんで高くなります。皮膚や呼吸器などの炎症性疾患で高くなることがあります。
シフラ21-1
扁平上皮がんに対して有用な腫瘍マーカーで、肺がん、食道がん、胃がん、結腸・直腸がん、卵巣がん、肝がん、子宮がんなどで高くなります。
ProGRP:ガストリン放出ペプチド前駆体
肺小細胞がんで高くなります。
血液ガス分析検査
pH:水素イオン濃度
健常人の動脈血はpH7.40を基準とした狭い範囲で、できるだけ大きく変化しないようにバランスをとっています。しかし代謝や呼吸などの異常によって、そのバランスが崩れることでpHは変化します。pHが酸性の方向に動く(pHが低くなる)状態をアシドーシス、pHがアルカリ性の方向に動く(pHが高くなる)状態をアルカローシスといいます。
代謝性のアシドーシスには尿毒症や糖尿病性ケトアシドーシス、下痢、低アルドステロン症などがあります。呼吸性アシドーシスには肺炎や肺気腫、気管支拡張症、肺線維症、肺水腫などがあります。代謝性アルカローシスには嘔吐や脱水、低カリウム血症などがあります。呼吸性アルカローシスには過換気症候群や低酸素血症、中枢神経疾患などがあります。
pCO₂:血中二酸化炭素分圧
pCO₂は肺の換気の指標です。低換気、換気障害または過換気などで変化します。慢性気管支炎や気管支喘息、肺気腫、肺がんなどで高くなり、間質性肺炎や肺梗塞、肺水腫、重症貧血、低血圧などで低くなります。
pO₂:血中酸素分圧 sO2:血中酸素飽和度
pCO₂と同様に肺の換気の指標です。呼吸不全、換気障害などで変化します。慢性閉塞性肺疾患や間質性肺炎、肺塞栓、気管支喘息などで低くなるほか、高地などの大気圧の低下や低酸素環境などにおいても低くなります。
HCO₃⁻:血漿重炭酸イオン濃度
HCO₃⁻は酸と塩基のバランスの指標で、主に腎臓の働きで調整されます。嘔吐や脱水、大量輸血、原発性アルドステロン症などで高くなり、腎不全や飢餓、薬物中毒、下痢などで低くなります。
BE:過剰塩基
BEは体内の塩基の増減の指標です。pH、pCO₂、HCO₃⁻などの値から算出され、それらを総合的に解析して酸塩基バランスの障害を判定します。









