「Vater乳頭部癌に対する術後補助療法の治療成績に関する後方視的観察研究」の調査について

研究の概要・目的

Vater乳頭部癌の発生率は消化管悪性腫瘍の0.2%、十二指腸乳頭周囲腫瘍の6-20%とされ、近年増加傾向にある。Periampullary cancerの内では、Vater乳頭部癌は高い切除率と良好な長期成績を示すものの、いくつかの臨床病理学的予後不良因子が存在しており、全体の5年生存率は30-60%と良好とはいえない。進行Vater乳頭部癌に対する治療ガイドラインや、術後補助療法に関する十分なエビデンスは存在せず、少数の後ろ向き研究のみがVater乳頭部癌の術後補助療法についての報告を行っている。したがって、現状ではリンパ節転移を伴うVater乳頭部癌に術後補助療法が行われることが多いものの、明確な適応基準はない。そのため治療の標準化に向けて早急にエビデンスを確立していく必要があり、大規模な日韓共同による多施設後ろ向き研究は、Vater乳頭部癌の術後補助療法の確立に大きく寄与できる可能性がある。本研究では、日韓の専門施設における共同研究を通じてVater乳頭部癌に対する術後補助療法ごとの治療成績を比較することで、進行Vater乳頭部癌に対する術後補助療法の適応について新たなガイドライン作成を目指す。

倫理・プライバシーへの配慮

本研究は、岐阜市民病院倫理審査委員会の承認を得ています。この研究は過去の診療録を用いて行い、該当する方の現在・未来の診療内容には全く影響を与えることはなく、不利益を受けることもありません。また、この研究は横浜市立大学と共同で行い、横浜市立大学が研究アドバイザーとなります。学会や論文などによる発表に際しても、個人の特定が可能な情報は公開されることは一切ありません。

非同意の自由

この研究に関して不明な点がある場合、あるいはデータの利用に同意されない場合には、下記の連絡先にご連絡ください。データの利用に同意されない方のデータの利用を停止し、解析データからも削除します。また、この研究への参加をお断りになった場合でも、本院における診療・治療において不利益が生じることはありませんので、ご安心ください。

問い合わせ先

研究責任者 佐々木 義之
岐阜市民病院 外科
電話番号058-251-1101(代表)


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