中央放射線部 放射線治療

スタッフ紹介

kawaguti housyasenka
川口真平 胸部画像診断
役職
放射線科部長
放射線治療部長
放射線治療センター長
中央放射線部長
主な資格、認定
放射線診断専門医
岐阜大学医学部客員臨床系医学教授
日本核医学会PET核医学認定医
日本内科学会内科総合専門医
日本呼吸器学会呼吸器専門医(内科系)
日本呼吸器内視鏡学会気管支鏡専門医
日本医学放射線学会研修指導者
卒業年、主な職歴
昭和62年防衛医科大学校医学科卒
防衛医科大学校病院第3内科
自衛隊中央病院呼吸器科
岐阜大学医学部附属病院放射線科
houshasen_yamaguchi.JPG
山口尊弘
役職
放射線治療部医長
主な資格、認定
卒業年、主な職歴
iwashima_housyasenka202111.jpg
岩島 研 放射線治療全般
役職
放射線科部医員
放射線治療部医員
主な資格、認定
卒業年、主な職歴

▲ページの先頭へ

放射線治療ついて

がんに対する放射線治療の歴史は古く、キューリー夫人が放射能を発見したころより始まりました。そのころより麻酔の技術も向上し手術ができるようになり、抗がん剤も作られるようになりました。いわゆるがん治療の三本柱です。

放射線治療は副作用が最大の問題でしたが、テクノロジーの高度発展が放射線物理学に大きな恩恵をもたらすようになりました。それにより放射線の副作用を最小限に抑えて、治療効果を上げることが可能になったのです。今では放射線治療はがん治療の一つとして、欠かせないものになりました。

欧米では、がん患者さんが放射線治療を受ける割合は50~60%ほどですが、日本では25%と先進国の中では低い割合になっています。この原因の一つは放射線治療医の圧倒的な不足です。不足により、患者さんに放射線治療の優れた点を広報することが出来ないのが現状です。このホームページで少しでも放射線治療のあるべき姿について知っていただきたいと思っています。

▲ページの先頭へ

当院における治療実績 (2020年1月~2020年12月)

総治療件数 545件

特殊照射件数

SRS
脳定位照射
SBRT
体幹部定位照射
RI内用療法 全身照射
57 47 8 24

IMRTの内訳

IMRT
総件数
前立腺 頭頚部 腹部 骨盤部 その他
114 36 17 7 27 27

SRS(脳定位照射)
脳腫瘍に対するピンポイント照射

SBRT(体幹部定位照射)
肺がん、肝臓がんに対するピンポイント照射 

IMRT(強度変調放射線治療)
副作用をおさえた最新の高精度放射線治療


青字をクリックすると専用ページに移動します。

▲ページの先頭へ

当科の特色

当院は地域がん診療連携拠点病院としてがん治療に強く力を入れています。
その一つの放射線治療部を紹介したいと思います。

"すべては患者さんの利益のために"

この言葉を信念にスタッフ一同が一丸となって放射線治療に取り組んでいます。

放射線腫瘍学会認定施設

2018年4月に安全かつ高精度の放射線治療を実施できる施設として、日本放射線腫瘍学会から認定されました。
tyuuouhou.tiryou.gazou202106.jpg

放射線治療専門医

常勤医2名、内1名が放射線治療専門医の資格を持っており、ダブルチェックによる放射線治療計画を行っております。強度変調放射線治療IMRT(後述)などの高度な治療には、2名の放射線治療常勤医が必須となっています。

医学物理士
放射線治療品質管理士

放射線治療専門放射線技師

放射線治療計画に参与し、放射線治療専門医の治療計画に間違いが無いか確認します。適切に高度な治療計画ができるように技術系からサポートする役割を担っています。当院では、1名の医学物理士、1名の放射線治療品質管理士、4名の放射線治療専門放射線技師および5名の診療放射線技師が携わっています。

がん放射線療法看護認定看護師

放射線治療中の患者さんの身体の副作用などのケアを含め、精神的にサポートする役割を担っています。また患者さんの要望に応じて放射線治療専門医と適切な処方や治療方法を相談して、患者さんと医師とのつなぎの役割をします。

くつろいだり、読書もできる待合室

当部の待合室にはできるだけ患者さんおよびご家族が安心していただけるように、ビデオ、書籍をご用意しています。

テレビ

常時視聴できます。当部は予約制なので待合が一人の場合は好きな番組をご覧いただけます。
cyu-hou-tv.jpg

放射線治療ビデオ

放射線治療というと怖い印象を持たれる方がおられるかもしれません。そのため、日本放射線腫瘍学会が作成しました放射線治療の実際のビデオを常時視聴できます。がんと診断されたら一度ビデオを見に来ていただけるといろいろなことが分かると思います。
cyu-hou-video.jpg

図書棚

放射線治療だけでなく、広くがん患者さんのための本が置いてあります。がん治療(抗がん剤や手術も含めて)に関して興味のある方は、放射線治療部25番にお越しいただければ待合室で閲覧していただけます。また2泊3日で本の貸し出しも行っています。

cyu-hou-tosyo1.jpg cyu-hou-tosyo2.jpg

▲ページの先頭へ

治療開始までの流れ

1 診察

専門の医師による診察を受けていただきます。患者さんの状態を十分に把握したうえで、最適な治療方針を決定します。治療を進めていくなかで不安などを伺い、治療期間中に気を付ける点、注意事項、副作用などについて説明します。 housyatiryo20200626.jpg

2 治療計画用CT撮影と固定具作成

housyatiryo2802.jpg 治 療する部位や範囲を決定するために治療計画用のCT検査(CTシミュレータ)を受けていただきます。 この時実際に治療する体位になります。頭頚部の治療を行う場合は頭の動きや治療部位のズレを防ぐため、頭部を固定するシェルと呼ばれるマスクを患者さんご とに作成することもあります。

3 治療計画

治 療する部位や範囲を決定するために治療計画用のCT検査(CTシミュレータ)を受けていただきます。 この時実際に治療する体位になります。頭頚部の治療を行う場合は頭の動きや治療部位のズレを防ぐため、頭部を固定するシェルと呼ばれるマスクを患者さんご とに作成することもあります。 housyatiryo2803.jpg

4 検証

housyatiryo2804.jpg 計画された照射方法どおり正しく照射できるか、専門の放射線技師による検証を行います。

5 治療開始

治療当日、実際の治療室で治療部位のX線画像を撮影し、確認等行い治療を開始します。

housyatiryo2805.jpg

▲ページの先頭へ

放射線治療による副作用

放射線治療の副作用は、照射する部位や線量・年齢・全身状態などに影響を受けるため個人差があり、治療期間中や終了直後に現れる急性期障害と、終了してから半年以上も経過して現れる晩期障害に大別されます。

急性期障害としては、疲れやすい・食欲がなくなる・貧血・白血球数や血小板の減少・照射部位の皮膚の変化などがありますが、これらは治療の終了とともに回復していくことがほとんどです。また、治療する部位によってそれぞれ異なった副作用が現れることがあります。これらの副作用も一時的なもので、時間がかかりますが治療前の状態に戻ることがほとんどです。

重篤な晩期障害は、放射線治療技術が進歩した現在では極めてまれにしか現れません。また、照射する線量や治療する範囲などで発生頻度は推定可能ですので、細心の注意を払い治療計画を立て治療しています。

▲ページの先頭へ

放射線治療を受けられる方へ

放射線治療中の日常生活は普段通りにしていただいて構いませんが、次のようなことに注意してください。

休息
放射線治療を受け始めてからしばらくすると、少し体が疲れやすくなることがあります。(専門的には放射線宿酔といいます)もし、疲れを感じ始めたら、十分な睡眠と、休息をとるようにしましょう。 tyuuouhou.tiryou.gazou10
入浴
tyuuouhou.tiryou.gazou11 治療中も入浴していただいて構いませんが、ぬるめのお湯にしてください。
治療開始時に、体の前面と両側面の皮膚にマジックと特殊なシールでマークを付けます。このマークで実際の照射の位置合わせを行いますので、このマークを消してしまわないように注意してください。
体を洗うときはタオルで擦らず、泡立てた石鹸で体を撫でるようにして汚れを落としてください。体を拭くときは押さえるように水分をとってください。

栄養
バランスのとれた食事を摂りましょう。 tyuuouhou.tiryou.gazou12

▲ページの先頭へ

Q&A

Q.1回の治療時間はどのくらいかかりますか?
A.通常は10分~20分程度です。
定位放射線照射等の精度の高い治療を行う場合には30分以上かかる場合もあります。

Q.治療開始から終わるまでどのくらいかかりますか?
A.治療期間は部位により異なり、通常は2~7週間(10~35回照射)程度です。
定位放射線照射(SRS/SRT)を行う場合は、治療を数回(1週間程度)で終了することもあります(定位放射線照射をご参照ください)。

Q.髪の毛が抜けたりしませんか?
A.放射線による障害は放射線を照射した場所にしか起きないので、胸やお腹の治療をされている方は髪の毛が抜けることはありません。
また、放射線による脱毛は殆どが一時的なもので時間が経つと生えてきます。


Q.放射線は体に残りませんか?
A.放射線治療装置で使用するX線などは電磁波の一種なので体に留まることはありません。

Q.放射線が当たると熱くなりますか?
A.実際に放射線が当たっても何も感じません。しかし、治療が進むと放射線による皮膚炎によって日焼けと似た症状が出る場合があります。

Q.どんな腫瘍に対して放射線治療を行っていますか。
A.当院ではほとんどのがんに対して放射線治療を行っています。
その内訳を以下に示します。

2020年 放射線治療件数の内訳(総治療件数545件)

原発部位別 照射部位別
housya-tiryo-utiwake20210607-01.png housya-tiryo-utiwake20210607-02.png
高精度放射線治療として
体幹部定位照射 46件
脳定位照射 57件を含む

おわりに

放射線治療部では、がん患者さんをあらゆる方面からサポートしたいと思っております。ご自分ががんになられた場合以外に、親族・友人ががんになった場合に気軽にミニ図書棚や放射線治療のビデオを見に来ていただきたいと思っております(すべて無料です)。

"すべては患者さんの利益のために"
この理念のもと、放射線治療部では、がん患者さんと向き合っていきたいと思っています。気軽に立ち読みするような感覚で訪れていただけるような空間をこれからも作っていきます。
我々は、患者さんと二人三脚で治療に向き合っていきたいと思います。

以下、装置の特設ページ

▲ページの先頭へ

当院の放射線治療装置

当院ではVARIAN(バリアン)社製のClinac 21EXとBRAINLAB(ブレインラボ)社製の最新鋭リニアックNovalis Txの2台体制で治療を行っています。

tiryou02

《Clinac21EX》

housya-novalis

《Novalis Tx》

▲ページの先頭へ

Novalis Tx

tyuuouhou.tiryou.IMRT-2.png tyuuouhou.tiryou.IGRT-2.png tyuuouhou.tiryou.SRT-2.png

最新鋭の高精度放射線治療装置Novalis Txを導入、平成26年4月から治療を開始しました。
Novalis Txは世界最薄クラス(2.5mm)のコリメータ(放射線を照射する範囲を限定する多分割絞り)と精密な位置決めシステムにより、腫瘍だけに集中した放射線治療が可能で、短時間で痛みのない治療を実現します。
また、画像誘導放射線治療(IGRT)を用いた強度変調放射線治療(IMRT)や頭部・体幹部の定位放射線照射(SRS/SRT)が可能な最新鋭の放射線治療装置として、多くの施設に導入され高い評価を受けています。
前立腺癌に対するIMRT実施件数 2018年 25件 、2019年 36件、2020年 36件

▲ページの先頭へ

強度変調放射線治療(IMRT)

・治療効果が向上

・副作用が軽減

強度変調放射線治療(Intensity Modulated Radiation Therapy:IMRT)とは、高精度なコンピュータ制御により腫瘍に最適化されたビームを多方向から照射することで、正常組織の損傷を最小限に抑え腫瘍にのみ集中して放射線が照射できるため、高い治療効果と、副作用の軽減ができる治療法です。

novalis-2

下図は、前立腺の放射線治療の通常照射とIMRTによる線量分布の比較ですが、IMRTは通常照射と比較し正常臓器である直腸(茶色で囲われた範囲)の線量が低減されており、標的臓器である前立腺(黄色で囲われた範囲)に放射線が限局して照射されているのがわかります。

novalis 3 4

▲ページの先頭へ

画像誘導放射線治療(IGRT)

・X線画像、CT画像によるmm単位の精密位置合わせ
・6軸ロボティックカウチによる治療台の自動位置補正

novalis-4

画像誘導放射線治療(Image Guided Radiation Therapy:IGRT)は、リニアック本体や治療室内に設置されたX線撮影装置により、治療直前や治療中のX線画像を取得し理想の照射位置とのズレを検出し、治療台の位置を補正することで精密な位置合わせを行う技術です。
Novalis Txでは上記の2種類のIGRTシステムを使用し、6軸の治療台が理想の照射位置まで自動で誘導し治療を行います。このIGRTを活用することで、IMRTや定位放射線照射などの高精度放射線治療をより効果的に行うことができます。

▲ページの先頭へ

定位放射線照射(SRS/SRT)

定位放射線照射とは、腫瘍に対し一回の治療あたり大線量の放射線を3次元的に多方向からピンポイント照射する治療法で、一般的な放射線治療に比べ周囲の正常組織の損傷を最小限に抑えることが可能なため、大きな副作用がなく高い治療効果が期待できます tyuuouhou.tiryou.gazou03-2
《脳腫瘍の定位放射線照射》

tyuuouhou.tiryou.gazou05-2

《肺がんの定位放射線照射》

定位放射線照射には1回で治療を終了する定位手術的照射(Stereotactic Radiosurgery:SRS)と、数回に分けて治療を行う定位放射線治療(Stereotactic Radiotherapy:SRT)とがあります。
主にSRSは脳腫瘍の治療に対して、SRTは一部の脳腫瘍、肺がん、肝がん、転移性骨腫瘍の治療に対して実施しています。

SRS/SRTの適応は、各診療科と協議のうえ決定しています。

tyuuouhou.tiryou.gazou04-2

《脳腫瘍の定位放射線照射風景》

tyuuouhou.tiryou.gazou06-2

《肺がんの定位放射線照射風景》

▲ページの先頭へ

放射線治療における精度管理・品質管理

放射線治療では放射線治療計画装置によって照射する位置や範囲、照射線量を計算しています。その計算された放射線の量が正確にリニアックから照射されているかどうか、高精度線量計や水ファントム等を用いて週に一度、精密な線量測定を行っています。また、毎日の始業前にも簡易的に測定を行い、線量に変動が無いことを確認しています。

当院ではリニアックの治療ビームの総合的な品質管理として、年に1回3次元水ファントムを用いて治療ビームの特性に変動が無いかの確認を行っています。また、定期的に第三者的評価として医用原子力技術研究振興財団が行っている線量評価も受けています。
tyuuouhou.tiryou.gazou07

《毎週の線量測定》

tyuuouhou.tiryou.gazou08
《3次元水ファントムによる品質管理》
   tyuuouhou.tiryou.gazou09
《第三者機関による測定実施証明書》

▲ページの先頭へ


ページの先頭へ