薬剤部 病棟業務

病棟業務

岐阜市民病院では、平成25年4月から病棟薬剤業務実施加算を算定しています。13病棟に薬剤師を配置しております。
病棟薬剤業務とは、過去の投薬・注射及び副作用発現状況等を患者さん又はその家族等から聞き取り、内服薬及び注射に関する基礎的事項を把握すること。入院時には、持参薬の有無、薬剤名、規格、剤形等を確認し、服薬計画を立てること。入院中は、投与前に、注射薬と内用薬との間の相互作用(飲み合わせ)の有無等の確認すること。患者さん又はその家族に対し、治療方針に係る説明を行う中で、特に安全管理が必要な医薬品等の説明を投与前に行うこと。流量又は投与量の計算等が必要な特に安全管理が必要な医薬品等の投与にあたっては、投与前に病棟専任の薬剤師が当該計算等を実施すること等を言います。

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当院の病棟における薬学的介入については、院内電子カルテ上の情報共有ツール(Cyboze®Dezie®)を活用し、その介入内容の記録しております(右図)。
H25年10月~12月の3ヶ月間に入力された薬学的介入記録を項目ごとに分類し、分析を行いました。

調査期間内の薬学的介入記録は、1、118件、1日あたり18.3件であり、安定性や配合変化、ルートなど投与方法、DIに関する情報提供389件(34.8%)、薬剤鑑別、持参薬管理118件(10.5%)、腎機能低下症例などの検査値に応じた薬剤の適正使用99件(8.8%)の順に多く、有害事象に関する対応70件(6.3%)、重複投薬・禁忌への介入49件(4.4%)、患者の症状緩和に関与32件(2.9%)、インシデント回避32件(2.9%)の報告がありました。また、介入対象は医療の中心である医師が69%を占め、医師への介入の多いものは、情報提供(12%)、鑑別・代替薬(10%)、有害事象(8%)、ICT・TDM(7%)でありました。看護師への介入の多いものは、情報提供(21%)、薬剤管理(10%)、鑑別・代替薬(10%)、配合変化(7%)でありました。薬剤師の提案による採用数は全456件中405件(88.8%)と高かったです。


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血液内科病棟での病棟活動報

血液内科病棟に常駐し、病棟薬剤業務を行い、業務内容を13項目に分類した。「医療スタッフへの貢献度」と「患者への貢献度」のそれぞれについて1~3点に点数化し、平成24年4~8月の5カ月間に得られたデータを集計、解析した。期間内に実施した病棟薬剤業務件数は413件で、「医療スタッフへの貢献度」と「患者への貢献度」の合計点数(病棟薬剤業務点数)は1、526点であった。業務項目別件数では、「患者背景・持参薬の確認とその評価に基づく処方設計と提案」が78件(18.9%)と一番多かった。業務1件に対する病棟薬剤業務点数の平均点数は「副作用モニタリング・TDMと処方提案」が5.2点と一番高い点数を示した。薬剤師の病棟常駐化はカンファレンスへの参加、患者入院時の面談、スタッフからの薬物療法についての問い合わせを容易とし、薬剤師の現場医療チームへの直接的な参加につながった。

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集中治療室における病棟薬剤業務活動について

平成24年度診療報酬改定において新設された「病棟薬剤業務実施加算」を機に、岐阜市民病院薬剤部では平成25年度より集中治療室(以下 ICU)を含む全て病棟に常駐し病棟薬剤業務を開始した。病院においてチーム医療の推進や医薬品安全管理など薬剤師の役割は大きく拡大してきている。そこで今回、緊急性が高くハイリスクな病棟であるICUにおける活動内容を調査しその検討を行った。

ICUでは、病態の変化が急激であるため、より迅速な医薬品情報の提供や対応が求められ、ICUに薬剤師が常駐することにより、使用される薬剤のモニタリングを、患者データ等から容態の変化に応じて提案を行うことができた。また、薬剤のみならず検査及び栄養に関する提案まで幅広く行うことが重要であることがわかった。

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