放射線科

《放射線科外来の週間予定表はこちらです》

画像診断(PET-CT装置等)についてはこちらの中央放射線部のページへ。

放射線治療についてはこちらの中央放射線部のページへ。

概要

X線をはじめとしたさまざまなエネルギー(電磁波・磁場・超音波など)が、先端的な画像診断および治療のために使われています。
放射線科専門医は、それらのエネルギーの性質をよく知って、有効に活用することができる医師です。日本医学放射線学会が認定する専門医で現在日本で6,500名余りが働いています。
岐阜市民病院の放射線科には7名の常勤放射線科医がいます。3名が放射線診断専門医、1名が放射線治療専門医です。他に非常勤で13名の放射線診断専門医と2名の治療専門医がいます。以下画像診断医と放射線治療医の仕事と役割についてお話しします。

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スタッフ紹介

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川口真平 胸部画像診断
役職
放射線科部長
画像診断部長
放射線治療部長
放射線治療センター長
中央放射線部長
主な資格、認定
放射線診断専門医
岐阜大学医学部客員臨床系医学教授
日本核医学会PET核医学認定医
日本内科学会内科総合専門医
日本呼吸器学会呼吸器専門医(内科系)
日本呼吸器内視鏡学会気管支鏡専門医
日本医学放射線学会研修指導者
卒業年、主な職歴
昭和62年防衛医科大学校医学科卒
防衛医科大学校病院第3内科
自衛隊中央病院呼吸器科
岐阜大学医学部附属病院放射線科
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四戸由歌 画像診断全般
役職
放射線科部副部長
画像診断科部副部長
主な資格、認定
放射線診断専門医
日本核医学会PET核医学認定医
検診マンモグラフィ読影認定医
卒業年、主な職歴
平成8年岐阜大学医学部卒
羽島市民病院放射線科部長
中濃厚生病院画像診断部長
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山口尊弘 放射線治療全般
役職
放射線治療部医長
主な資格、認定
放射線治療専門医
放射線科専門医
卒業年、主な職歴
平成23年岐阜大学医学部
岐阜大学医学部附属病院放射線科
社会医療法人厚生会木沢記念病院放射線治療科
高山赤十字病院放射線治療科
大垣市民病院放射線治療科
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中村文彦 画像診断全般
役職
放射線科部医員
主な資格、認定
放射線診断専門医
日本核医学会核医学専門医
日本核医学会PET核医学認定医
卒業年、主な職歴
平成27年卒
岐阜大学医学部附属病院研修医
岐阜大学医学部附属病院放射線科
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河村知孝
役職
放射線科部医員
画像診断部医員
放射線治療部医員
主な資格、認定
卒業年、主な職歴
平成30年卒
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森友哉 放射線分野
役職
放射線科部医員
画像診断部医員
主な資格、認定
卒業年、主な職歴
令和2年卒
羽島市民病院
岐阜大学医学部附属病院
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山田菜生 放射線治療全般
役職
放射線科部医員
放射線治療部医員
主な資格、認定
卒業年、主な職歴
非常勤医師
 
加藤博基 頭頚部画像診断
役職
岐阜大学医学部附属病院 放射線科准教授
主な資格、認定
放射線診断専門医
日本IVR学会専門医
日本核医学会専門医
日本核医学会PET核医学認定医
検診マンモグラフィ読影認定医
卒業年、主な職歴
平成11年 岐阜大学医学部卒
岐阜大学医学部附属病院放射線科
自治医科大学附属病院放射線科
 
野澤麻枝 画像診断全般
役職
岐阜大学医学部附属病院 放射線科 特任助教
主な資格、認定
放射線科専門医
卒業年、主な職歴
平成10年 岐阜大学医学部卒
平成22年~平成25年 カリフォルニア大学(サンジェゴ) 放射線科
リサーチ フェロー
 
金子 揚
役職
岐阜大学医学部附属病院 放射線科臨床講師
主な資格、認定
放射線診断専門医
日本核医学会専門医
卒業年、主な職歴
岐阜中央病院 PETセンター長
木沢記念病院放射線科
岐阜大学医学部附属病院放射線科
 
水野 希 放射線診断一般
主な資格、認定
放射線診断専門医
卒業年、主な職歴
平成18年卒
岐阜大学放射線科医員
岐阜大学放射線科臨床講師
 
野田佳史 画像診断全般
 
河合信行 画像診断全般
役職
岐阜大学医学部附属病院 放射線科臨床講師
卒業年、主な職歴
平成23年 岐阜大学医学部卒
大垣市民病院
 
安藤知広 画像診断全般
主な資格、認定
放射線科専門医
卒業年、主な職歴
平成24年
岐阜大学医学部附属病院放射線科
加藤亜希子 画像診断全般
役職
放射線科専門医
主な資格、認定
放射線診断専門医
卒業年、主な職歴
平成24年岐阜大学医学部卒
岐阜大学医学部付属病院放射線科
 
永田翔馬
主な資格、認定
卒業年、主な職歴
 
萩田光代 画像診断全般
主な資格、認定
放射線診断専門医
卒業年、主な職歴
平成25年
岐阜大学医学部付属病院 放射線科
 
藤本敬太 画像診断全般
主な資格、認定
放射線科専門医
卒業年、主な職歴
平成26年
平成28年4月~ 岐阜大学医学部附属病院 放射線科
平成30年4月~ 大垣市民病院 放射線診断科
平成31年4月~ 岐阜大学医学部附属病院 放射線科
 
髙井由希子
主な資格、認定
放射線科専門医
卒業年、主な職歴
平成28年卒
 
入谷友佳子
主な資格、認定
卒業年、主な職歴
 
森貴之 放射線治療
主な資格、認定
卒業年、主な職歴
平成30年卒
 
小堀朗和 放射線治療
主な資格、認定
卒業年、主な職歴

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診療内容・診療実績

1) 放射線診断専門医について

放射線診断専門医は、放射線被ばくの安全性と防護、MRIの安全性、さまざまな画像の特性と適応、画像診断に必要な画像解剖や病理、画像診断報告書作成について専門のトレーニングを受け、CT、MRI、PETなどの最先端画像診断を熟知した医師です。放射線診断医が直接患者さんに会う機会は少ないですが、患者 さんが受ける医療の質を支えています。

CT MRI 核医学
 令和4年度 画像診断件数 30,606 10,734 2,842

2)放射線治療専門医

放射線治療専門医は放射線被ばくの安全性と防護、放射線の生物学的効果と副作用、放射線治療計画の立て方、がん患者ケアについて専門のトレーニングを受けている医師のことです。放射線治療は低侵襲性で高い治療効果が期待できる治療法です。
しかし、放射線治療にあたっては、放射線の治療効果や副作用について十分な知識と経験が要求されます。放射線治療専門医は患者さんを診察し、画像で確実な効果を確認しながら、必要かつ十分で安全な放射線治療を提供します。

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真剣な眼差しで放射線治療範囲を
決定する放射線治療医

3) 画像診断医の毎日

画像診断医は、一日中何をしているか皆さんは恐らく知らないでしょう。それもそのはずで、ずっと同じ部屋(画像診断室)にこもって患者さんの顔も見えないと ころでパソコンの前でキーボードを打ち続けているからです。画像診断医の毎日の主な仕事は患者さんのCT・MRI・核医学検査の画像を専門家の目で解析・ 評価しながら、その結果をコンピュータに入力しているのです。

医学の世界では、画像の解析・評価を「読影」とか「画像診断」とかいいます。英語ではinterpretation(解釈)という言葉をあてています。患者さんが検査を受けて写真ができあがりますが、その写真を細かく検討して正常とどこが違うかを拾い出して、身体のなかでいったい何が起こっているのかを解釈し、診断します。その過程を言葉に変換して画像報告書として各科の先生 方に提供する仕事です。

その他、良質な画像ができあがるように画像診断医は診療放射線技師と一緒に画像の質の管理をおこないます。最近はコンピュータが進歩して立体画像も容易につくれるようになったので、わかりやすく情報の多い画像を作成して提供することも仕事の1つです。

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画像を解析・評価し異常がないか診断中の画像診断医

4)医用画像管理システム(PACS : picture archiving and communication system)

当院では平成17年から医用画像管理システム(以下PACS)が稼働しています。
コンピュータの進歩でどんどん良質の画像ができてきますが、画像の量が多くなりすぎてフィルムでは追いつかなくなってきました。全部フィルムにしていては見る時間も保管する場所もありません。
単純写真、CT、MRI、核医学検査の画像はすべてコンピュータ(画像サーバーといいます)に保存しています。画像診断室ではこの画像サーバーの画像をパソコン上で瞬時に呼び出して、画像診断をしています。

最新の64列CTでは1回の撮影で1000枚に近い画像が一挙にできあがりますが、パソコン上では画像を高速にコマ送りしてパラパラ漫画のように一気にみることができます。読影結果をコンピュータに入力し、別のコンピュータ(レポートサーバー)に保存します。

画像の保存と閲覧、読影結果の入力と保存を行い、その結果をパソコン上で展開し病院内で医療提供者が共有するシステムを医用画像管理システム(PACS)といいます。

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PACSの内部を閲覧するための画像診断端末

5)画像診断外来について

毎日あります。予約制です。患者さんのかかりつけの医師が、当院の地域連携部を通じて電話でCT、MRI、核医学検査を予約できます。検査の少し前に放射線科外来を患者さんに受診していただき、外来で診察をさせていただきます。外来で適切な検査の方法を決定・調整し検査を受けていただきます。
できあがった画像は当日中に読影し、かかりつけ医師あてに診断結果を郵送しています。

画像診断外来の週間予定表はこちらです。

6)造影剤について

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きれいな写真でしょう。これは64列CTでヨード造影剤を静脈内に注入して血管を描出したものです。造影剤をいれなければ血管はみえません。血管の病気以外に、血管によって栄養される癌や細菌感染によっておこる発熱性疾患(虫垂炎など)も造影剤によって非常に明瞭に見えるようになります。特にCTにとって造影剤はなくてはならないものなのです。

当院では、CTとMRIの造影剤を投与する場合にはその都度副作用を理解していただき、同意書をいただいています。これは、造影剤が通常の薬剤に比較して危険性が高いためではありません。現在の最新の造影剤は非常に安全性の高い薬剤です。
しかし、他のいろいろな薬剤と同様にアレルギー反応はゼロではありません。風邪薬や抗生剤、鎮痛剤と同じようにまれにショックなどの大変な副作用が起きることがあります。気管支喘息などアレルギー体質の人には副作用が起きやすいことも知られています。事前に危険性を把握するためにも皆様のご協力をお願い申し上げます。

7)放射線治療について

放射線治療とは、手術・抗がん剤と共に、がん治療の中で重要な役割を果たしている局所治療です。手術と異なり臓器を温存することが可能なので、治療前と同じような生活をすることができる治療手段です。
がん治療に使われている放射線は、主にX線・γ線(ガンマ線)・電子線・陽子線・重粒子線があり、当院ではX線・電子線を使用して外部照射という治療方法で行っています。外部照射とは、リニアックと呼ばれる装置を用いて体外からがんに向けて放射線を照射する治療です。通常1日1回、土日祝日を除いた平日に毎日続けて治療を行います。治療の回数は対象となる疾患によって異なりますが、通常1か月~2か月程度の期間を要します。
当院では平成26年に新たに高精度放射線治療装置を導入し、2台のリニアックで治療を行っています。従来行っていた定位放射線治療(SRS/SRT)に加え、強度変調放射線治療(IMRT)も行えるようになりました。

詳しくはここをクリックしてください。放射線治療のページ

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癌への放射線照射を行うリニアック
令和4年度
治療総数
強度変調放射線治療(IMRT) 体幹部定位照射(ピンポイント照射) 脳定位照射(ピンポイント照射)
488例 159例 59例 47例

8)放射線治療外来について

放射線治療外来は初診は月、水、金、再診は木曜日にあります。初診の患者さんでは現在の症状を把握しその原因を画像から明らかにした上で、放射線治療の適応から治療範囲を決定するための検査が行われます。また再診の患者さんでは治療効果と副作用の出現の有無を確認し、適切に治療が進行しているかを、常に監視します。

対象となる患者さんは、大きく分けて院内の他科からの治療依頼と院外の医師からの放射線科への直接依頼があります。
院外から当院放射線科への直接依頼は、外来通院で放射線治療を受けることができる患者さんに限定させていただいています。
入院での放射線治療が必要な患者さんは疾患の関連各科を受診していただき、各科での入院診療の元で放射線科を受診していただく体制になっています。

放射線治療外来の週間予定表はこちらです。

9)放射線部と放射線科の診断と治療を支える診療放射線技師について

放射線科医は診療放射線技師とチームを組んで仕事をしています。さらに看護師・事務員をあわせて中央放射線部となり、受付・診療・撮影・治療・読影など日常診療の下請け的存在となり、医療を支えています。
診療放射線技師は放射線被ばくを管理しながら診断に必要な画像を撮影したり、放射線治療装置を操作したりします。装置が常に正常に働くように整備・管理も行っています。

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放射線被ばくを少なくし患者さんを撮影する診療放射線技師

10)放射線被ばくについて

放射線は人類に時として大きな不幸を起こすものです。
しかしその恩恵は日常の生活にも深く浸透しており、先進国ではなくてはならないものとなっています。医療の世界ではとくにその影響は大きく、「X線なくして 医学なしKeine Medizin ohne Röntgen」という言葉は現在の医学にそのままあてはまります。肺炎、骨折、癌などすべてがX線を中心に診断されるからです。当然診断のために患者さ んは被ばくをうけることになります。
これを医療被ばくといいます。診断のために致し方ないものと考えています。日本は世界で最も医療被ばくが多いと指摘されていますが、これは過剰な被ばくというよりも、日本では皆保険制度のためにすべての国民が標準的な検査を受けることができるからと考えています。

放射線被ばくの情報は日本に落とされた原子爆弾後の被ばく者の方々の追跡研究に負うところが多く、放射線の被ばく量と出現する症状が明らかになっています。
それによると医療で患者さんに施行される診断検査で被ばくする量は現時点では副作用がないと考えられています。人間に対して何らかの影響があると考えられる放射線の最低量は100ミリシーベルトという量です。それは受精まもない胎児に対して影響が現れる量です。
また100~200ミリシーベルトを超えると将来のがん発生の増加も考慮しなければなりません。現在の診断検査で胎児に最大の放射線があたるとすれば骨盤 CT、注腸があります。幅はありますがCTで25~50ミリシーベルト、注腸で10から25ミリシーベルトであり、1回の検査では最も被害を受けやすい胎児に対する影響はなく、がん発生の増加もないと考えられています。

しかし医師と診療放射線技師は患者さんへ不必要な被ばくをできる限り少なくするための責務を負っています。
同様に医師や診療放射線技師も患者さんにあてた放射線が散乱し被ばくします。これを職業被ばくといいます。職業被ばくは法律によりその上限が設定されており、医療従事者が守られています。
放射線に関してご心配であればいつでも放射線科医あるいは診療放射線技師にお尋ねください。

放射線科部長 川口真平

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