麻酔科
概要
当院は日本麻酔科学会より麻酔科標榜のための研修施設である麻酔科認定病院として認められています。2023年度は、9名のスタッフ(うち日本麻酔科学会認定麻酔科専門医が7名)のメンバーで、中央手術部の効率的な手術室運営と手術室内における『安全な手術』を担うための中心的役割を果たし、重症患者管理部門(集中治療室やハイケアユニット)の運営および患者治療にも携わっています。また院内で発生する救急症例への対応や救急外来や病棟における様々な手技のサポート役も担っています2022年度は中央手術部において約2600件の麻酔科管理手術を安全に施行させていただいています。残念ながら当院では慢性的な痛みに関する外来診療は行っていませんので、ペインクリニック診療を行っている岐阜大学医学部附属病院 麻酔科・疼痛医学科をご紹介させていただいています。
われわれが主として行っている手術室での麻酔について説明します。手術の際に行われる麻酔方法には大きく2種類ありそれらを適切に単独あるいは組み合わせることで質の高い安全な麻酔管理を行っています。ひとつ目は薬剤を静脈内に投与することで、その薬剤が体の中の受容体と言われている部位に作用し、その効果として痛みを感じず、意識がない状態を作り上げる方法です。これがいわゆる『全身麻酔』と言われるもので、手術という大きなストレスから患者さまを守る状態(ストレスフリーな状態)を作り上げています。また意識をなくす作用のあるガス(気体)を肺の中に吸い込み、肺から血液中に溶け込んで脳に作用させる薬剤を用いることもあります。ふたつ目は体の様々な場所に存在している神経繊維や神経細胞に薬剤が作用することで、脳に痛みが伝わる経路を遮断して痛みを感じない状態にするいわゆる『局所麻酔』と呼ばれているものです。実際には『くも膜下脊髄麻酔』、『硬膜外麻酔』、『末梢神経ブロック』などと呼ばれています。麻酔において痛みを感じないようにすることは非常に重要です。われわれはこの鎮痛を得るための方策として、これらの麻酔方法や薬剤を単独に用いるのではなく、複数用いる『多様式鎮痛(multimodal analgesia)』を取り入れ、それぞれの長所を最大限に活かしつつ、使用する薬剤量を減らし、患者さまの体に少しでも負担のかからない状態を提供することを進めています。
手術で麻酔を受けられる患者さまと麻酔科医が最初にお会いするのは『麻酔科術前診察』の時になります。われわれはこの診察を非常に大切なものと考えています。なぜなら手術という人生の一大事を迎える患者さまと麻酔科医との間の信頼関係を構築させていただく唯一の時間であるからです。この短時間の診察でわれわれ麻酔科医の役割を理解していただくとともに、われわれも手術中の患者さまの安全を守り続けるために必要な情報を少しでも得ることを行わせていただきます。そして患者さまの全身状態をしっかりと把握させていただき、安全な麻酔管理に努めさせていただきたいと思いますのでご協力よろしくお願いします。手術における麻酔に関して疑問や質問のある方はお気軽にスタッフにご相談ください。
最後に手術や麻酔における合併症を少しでも防ぐために、患者さま自身ができることがあるのでお伝えします。そしてわれわれ麻酔科医からの強いお願いでもあります。それは喫煙されている患者さまへの『禁煙』のお願いです。喫煙(受動喫煙も)は手術中や手術後の合併症を増やします。また傷の治りも悪くします。そして禁煙は早ければ早いほど合併症を減らします。新型タバコに関しても同様です。ぜひ手術が決まったら禁煙をお願いします。麻酔に関してさらに詳しいことを知りたい方は、ぜひ日本麻酔科学会のホームページ内にある一般の皆様向けのサイトをご参照ください。
当院は、岐阜大学附属病院麻酔科、中濃厚生病院麻酔科および中部国際医療センター麻酔科専門研修プログラムの専門研修連携施設であり、また歯科医師の医科麻酔科研修の研修施設でもあります。多くの若い先生の研修施設としても重要な役割を担っていることをご理解いただきご協力をお願いいたします。
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スタッフ紹介
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- 役職
- 麻酔科長
麻酔科部長 集中治療部長 臨床工学部長 災害医療部副部長 中央手術部副部長 臨床工学部臨床工学室長
- 主な資格、認定
- 麻酔科標榜医
日本麻酔科学会認定指導医 日本体育協会公認スポーツドクター 日本専門医機構認定麻酔医専門医 日本DMAT隊員 日本感染症学会ICD認定医 日本蘇生学会指導医
- 卒業年、主な職歴
- 平成3年岐阜大学医学部卒
岐阜県総合医療センター 総合大雄会病院 米国Johns Hopkins大学研究員 岐阜大学医学部附属病院麻酔科講師
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- 役職
- 麻酔科副部長
- 主な資格、認定
- 麻酔科標榜医
日本麻酔科学会認定医・専門医
- 卒業年、主な職歴
- 平成11年三重大学医学部卒
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- 役職
- 麻酔科医長
中央手術部医長
- 主な資格、認定
- 麻酔科標榜医
日本麻酔科学会認定医・専門医
- 卒業年、主な職歴
- 平成23年岐阜大学医学部卒
平成25年中濃厚生病院初期臨床研修修了
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- 役職
- 麻酔科医長
輸血部医長
- 主な資格、認定
- 麻酔科標榜医
日本麻酔科学会認定医・専門医
- 卒業年、主な職歴
- 平成25年岐阜大学医学部卒
平成27年岐阜県総合医療センター初期臨床研修修了
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- 役職
- 麻酔科医長
- 主な資格、認定
- 麻酔科標榜医
日本麻酔科学会認定医・専門医
- 卒業年、主な職歴
- 平成25年愛媛大学医学部卒
平成27年岐阜県総合医療センター初期臨床研修修了
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- 役職
- 麻酔科医員
- 主な資格、認定
- 麻酔科標榜医
- 卒業年、主な職歴
- 平成27年富山大学医学部卒
平成29年岐阜市民病院初期臨床研修修了
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- 役職
- 麻酔科医員
- 主な資格、認定
- 麻酔科標榜医
日本麻酔科学会専門医
- 卒業年、主な職歴
- 平成27年卒
平成29年松波総合病院初期臨床研修修了
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- 役職
- 麻酔科医員
- 主な資格、認定
- 卒業年、主な職歴
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- 役職
- 麻酔科医員
- 主な資格、認定
- 卒業年、主な職歴
- 令和4年卒
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診療内容
術前診察と麻酔の説明
手術前日(手術が月曜の場合は前週の金曜日)に麻酔科医が診察と麻酔の説明をいたします。全身状態や特殊な疾患のある方では手術を担当する先生から早めにご相談を受け診察をさせてくこともあります。
術中全身管理
麻酔方法は全身麻酔、硬膜外麻酔、脊椎麻酔を患者の全身状態や希望、手術内容にあわせて適宜組み合わせて行っています。手術の進歩、手術適応の拡大に伴い、手術の長時間化、患者の高齢化、ハイリスク化していますが、それに対応するよう最新のモニター機器を使用して患者さんの状態を見守り、手術が安全かつスムーズに行われるよう努めています。全身麻酔に硬膜外麻酔を併用することによって胸部や腹部手術後の痛みはずいぶん少なくすることができます。痛みを抑えることで傷の回復も早くなります。
術後鎮痛
術後は、創部痛の軽減する方法(硬膜外鎮痛法、十分な鎮痛剤の使用)を行っています。これにより手術の後の痛みを軽減でき、患者のQOLの向上に努めています。
また、術中の状態、術式で必要であればICUに入室、管理を行っています
手術・麻酔を受ける方へ
麻酔科医は患者さんに代わって、手術中の身の安全を守ります。これを全身管理と言います。つまり、麻酔をするということは、単に痛みを感じなくするというだけでなく、手術中のあらゆる危険から患者さんの身を守るということなのです。
自分の手術をしてくれる先生は誰なのか、できたら腕のいい先生に手術をしてもらいたいと誰しもが思います。でも、自分の命を預ける麻酔科の医師が誰か、関心をもつ人はあまりいません。麻酔科医、そして手術室に勤務する手術室看護婦は、手術中ずっとあなたのそばにいてあなたを守っています。そういう人がいることも知っておいてください。
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診療実績
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平成29年 |
平成30年 |
令和元年 |
令和2年 |
令和3年 |
令和4年 |
総手術件数 |
4,744件 |
4,822件 |
4,770件 |
4,519件 |
4,660件 |
4,326件 |
麻酔科管理件数 |
2,319件 |
2,494件 |
2,637件 |
2,587件 |
2,815件 |
2,612件 |
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