緩和医療センター
緩和ケアとは
病気により、身体面、精神面、経済面など様々な問題に直面すると思います。緩和ケアは、このような問題が生活の障害とならないように対処することで、生活の質を改善し、患者さんやご家族が自分らしく生活を送ることができるようにサポートすることです。 緩和ケアは、治療と並行して行われるものであり、決して終末期に行うものではありません。がんや非がんでも「早期からの緩和ケア」が推奨されています。苦痛と感じることが軽減できるよう、患者さんやご家族のサポートを行っています。
緩和ケアセンター・緩和医療センターの紹介
平成19年4月1日より、がん対策基本法が施行され、その中で緩和医療の推進が重点課題の一つとして取り上げられました。従来の緩和医療は、緩和ケア病棟(ホスピス)でがんの終末期に実施されるものと認識されていましたが、最近では『がんと診断された時から開始されるべきもの』と考えられるようになっています。当院ではこのような時勢に遅れることなく、良質で高度な緩和ケアの実践を目的として、平成25年4月より緩和ケアセンターを設置いたしました。また、緩和ケアはがん患者さんだけではなく、非がんの患者さんへも同様に提供されるものとされています。そのため、当院ではがん・非がん関係なく緩和ケアが提供できるよう、体制を整え令和3年4月1日より、緩和医療センターを設置しました。緩和医療センターの中には緩和ケアチーム、小児緩和ケアチーム、心不全緩和ケアチームがあり、それぞれの専門職が患者さんの支援にあたっています。
緩和ケアチーム
緩和ケアチームは患者さんの状態や症状に合わせて、隔日ではありますが回診を行い、毎週1回チームでの回診を行っています。入院患者さんの病室を訪ね、ベッドサイドや個室を確保して診察を行い、苦痛をもたらしている症状を分析・評価を行い症状緩和に努めています。また、面談の中で〝悩んでいること″、〝困っていること″、〝望んでいること″などを伺い、主治医や病棟看護師とも情報共有を行い、患者さんの思いが尊重されるよう支援を行っています。週1回緩和ケアチームで介入患者さんについてカンファレンスを行い、情報共有とケアについて討議し、最善策を検討しています。
身体面だけではなく、精神面、経済面など様々な悩みに対し、患者さん・ご家族と一緒に考え苦痛の緩和が図れるよう努めています。
小児緩和ケアチーム(子どもと家族の笑顔サポートチーム ひまわり)
当院小児科では年間20人程の小児がん患者さんが入院します。治療により半年以上の長期入院が必要となることが多く、大半を小児血液疾患センター内で過ごします。センター内にはプレイルームが設置されており、子ども達が楽しむ環境が整えられています。しかし、治療に伴う副作用や長期入院による精神的ストレスは蓄積していきます。そのため、当院では成人同様に小児にも緩和ケアの提供が必要と考え、平成27年8月より小児緩和ケアチーム(子どもと家族の笑顔サポートチーム ひまわり)の活動を開始しました。メンバーは、小児科医、看護師、薬剤師、理学療法士、臨床心理士の多職種で構成されています。また、それぞれの専門分野の観点から、入院しているお子さんと親御さんへの支援を行っています。がんだけではなく、非がんの患者さんにも介入を行っています。主な活動は、週1回チームでの回診を行い、困っていること、不安なこと、心配事などをお子さんや親御さんからお聞きし、少しでも困り事が解決できるよう病棟スタッフと情報共有し対応を行なっています。
長期入院によるストレスや抗がん剤治療とつらい時期もありますが、少しでも楽しく笑顔でその子らしく過ごせるために日々活動を行っています。少しでも皆さんのお力になれるよう、今後も尽力していきます。
心不全緩和ケアチーム
これまでの緩和ケアは主にがん患者を対象としたものでした。心不全は治療により自覚症状が改善することから「治った」と思いがちですが、日本循環器学会の定義では『心不全とは心臓が悪いために、息切れやむくみが起こり、だんだん悪くなり、生命を縮める病気』となっており、再燃を繰り返しながら最終的には致命的となる病気です。ここ数年で、がんと同様に、心不全に対する緩和ケアの必要が重視されるようになってきました。
当院では平成31年4月から心不全の緩和ケアチームを発足しました。患者様が心不全のことをよく理解して普段の生活を過ごしていけるように、また入院中・退院後の生活のサポートについて、チームと患者様とで話し合いながらケアをしていきたいと思います。
AYAサポートチーム
AYA世代とは、15歳~39歳までの思春期から若年成人のことをいいます。AYA世代は学業や就労、結婚、子育てなど様々なライフイベントに対する悩みがあります。一人ひとり支援の方法も異なるため、患者さんそれぞれにあった支援を行っていきたいと思い、令和3年5月にAYAサポートチームを結成し、AYA世代への支援が充実できるよう現在体制を整えています。
緩和医療センターのシステムとスタッフ
当院では緩和ケア病棟はなく、がんを取り扱う各々の診療科での主治医・担当看護師の診療・ケアを緩和ケアチームおよび緩和医療支援チームがサポートするという体制を取っています。これは、『がんと診断された時から緩和ケアは開始されるべきもの』という基本理念を遵守し、がん治療を行うスタッフと緩和ケアを担当するスタッフが協働して診療に努めています。
緩和ケアチームは緩和ケアセンター長・緩和医療センター長(兼任)、身体症状緩和医(兼任)、精神症状緩和医(兼任)、緩和ケア認定看護師(専従)、がん薬物療法認定薬剤師(兼任)、緩和薬物療法認定薬剤師(兼任)で構成されています。さらに、入院される病棟には緩和ケアリンクナースが配属されており、緩和ケアチームと協働して緩和ケアの実践・推進を図っています。
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外来診療について
当院に外来通院中の患者さん・ご家族を対象に緩和ケア外来を行っています。病気や治療に伴う痛みやだるさなどの身体のつらい症状や、こころのつらさを和らげることを目的として、外来診療を行っています。
診療予定表
火曜日 | 木曜日 | |
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身体症状緩和 | 午前8:30~午前11:00 | 午前8:30~午前11:00 |
精神症状緩和 | 午後1時30分~午後3:00 |
(完全予約制で、1日3名までとしております)
緩和医療科の診察は、原則として当院で治療を受けておられる患者さんが対象となっていますが、病診連携・病院連携による依頼もお受けしております。その際は、『紹介連絡・予約申込票(緩和医療科外来用)』を作成の上、岐阜市民病院地域連携部にFAXにて送信してください。なお、当院は緩和ケア病棟を有しておりませんので、当院への入院・転院を希望される場合は事前に原疾患を扱う該当診療科に受け入れの可否をご確認ください。
受診方法
予約制です。
受診される場合は、かかりつけ医の紹介状が必要です。
申し込みについて
患者さんやご家族からの申し込み
上記ご予約に対するお問い合わせは、がん診療支援部がん相談支援センターまで
来院又は電話でご予約となります。(平日の午前9時~午後3時30分)
電話:058-251-1101(2236・4402)
疼痛に対する神経ブロックについて
当院では、下記のペインクリニックと連携しています。
受診をご希望される方は、主治医へご相談ください。
クリニックを受診する際は、当院の地域連携部より予約の調整を行います。日程調整ができましたら、紹介状を持参してクリニックへ受診するようお願いします。
病院名 | 住所 |
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竹田クリニック | 〒501-0105 岐阜市河渡3-110 電話番号:058-254-0066 |
よしむらペインクリニック | 〒500-8361 岐阜市本荘西4-64 電話番号:058-255-2660 |
まつもとペインクリニック整形外科 | 〒500-8823 岐阜市江川町14 電話番号:058-267-6070 |
緩和的放射線治療について
放射線治療には、がんを治すために行う「根治照射」とがんによる痛みなどの症状を和らげるために行う「緩和照射」があります。緩和照射は、がんによる痛みや苦痛となる身体症状を和らげ、生活の質(QOL)の向上を目的として行っています。治療の対象となるかは、主治医にご相談ください。
緩和ケアチームへの相談(医療従事者向け)
在宅療養中や病院・施設入所中の患者さんのことでお困り事がありましたら、ご相談をお受けしています。
ご相談がある際には、下記の相談フォームより入力の方よろしくお願いします。
なお、返信までに少しお時間をいただくことをご了承ください。
※医療従事者以外の方で、お困り事がありましたら、がん相談支援センターへご相談ください。
がん相談支援センターとの連携
当院では地域がん診療連携拠点病院としての一端を担い、がんと向き合う患者さんやその家族のお役に立てるように、がん相談支援センターを開設しております。緩和医療センターではがん相談支援センターと連携して緩和ケアに関連する相談につきましては対応させていただいておりますのでご利用下さい。
"がん患者サロンやすらぎ"との連携
当院ではがん患者さんやその家族が自由に集い、交流を図る場として、院内に"がん患者サロンやすらぎ"を開設しております。緩和ケアセンターでは"がん患者サロンやすらぎ"と連携して緩和ケアに関連する情報提供をさせていただいておりますのでご利用下さい。
緩和ケア勉強会のご案内
毎月第1水曜日に勉強会を開催しています。ぜひお気軽にご参加下さい。
現在は休止しています。
再開の目途が立ちましたら、こちらのページにてお知らせします。