緩和ケアセンター

緩和ケアセンターの紹介

平成19年4月1日よりがん対策基本法が施行され、その中で緩和医療の推進が重点課題の一つとして取り上げられました。従来緩和医療は、緩和ケア病棟(ホスピス)でがんの終末期に実施されるものと認識されていましたが、最近では『がんと診断された時から開始されるべきもの』と考えられるようになっています。当院ではこのような時勢に遅れることなく、良質で高度な緩和ケアの実践を目的として、平成25年4月より緩和ケアセンターを設置いたしました。

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緩和ケアとは

緩和ケアは、がんと診断された時から患者さんやその家族を支援する医療です。がんが体の中に存在する場合はもちろんですが、がんに対する治療を受けて消失した後でも、『がんは治りました』と宣言されるまでは再発に対するチェックが必要ですので、緩和ケアの対象となります。

がんによる症状がない時、すなわち早期の段階であれば、手術や抗がん剤治療、放射線治療などで治すことは十分に可能です。しかし、早期がんあるいは治癒切除可能な段階のがんであっても、"がん"と診断されたこと自体が精神的ストレスになるとともに、外科的治療を受けることによる社会生活や日常生活への支障も程度の差はあるものの出てきます。また、手術の後に再発予防目的で実施される術後補助療法も、近年では高額な薬剤が標準治療としてガイドラインで推奨されており、経済的な負担も大きな問題となっています。

一方、かなり進行した状態で発見された場合、不運にもがんが再発して現在の医学のレベルではがんを根絶できない場合などには、"からだの痛み"のみならず、"心の痛み"も伴ってきます。そして、担当医から提示された治療方針が『がんを治す』ものなのか『がんと共存しながら延命する』ものなのかがあいまいなまま治療を継続しておられる患者さんも少なくありません。がんを治すための積極的な治療を受けておられる患者さんや家族も含めて、がん治療に伴う様々な苦痛を理解し、支援することが緩和ケアということになります。

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小児緩和ケア

平成27年8月より小児科病棟で小児緩和・リハビリラウンドの活動を開始しました。
当院小児科には年間15~18人の小児がん患者が入院してきます。小児がん患者に対し成人と同じように緩和ケアを提供していく必要があると感じ活動を始めました。
とても楽しい時期に長期の入院ということもあり、辛いだけの入院生活とならないよう、少しでも快適に笑顔で、その子らしく過ごしていただけるようにという思いで支援を行っています。

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緩和ケアの診療内容

からだの痛みに対して最初はいわゆる"鎮痛剤"を用います。しかし、効き目が十分でない時には医療用麻薬を使用します。『医療用麻薬は最後の手段である』、『麻薬中毒者になってしまう』などと思われている場合が少なからずあるようですが、それは誤解です。吐き気や便秘などの副作用対策が十分に行われれば、医療用麻薬は極めて有用です。各々の患者さんの痛みの状況に合わせてということになりますが、他の薬との併用で予想以上の鎮痛効果が得られることもあります。

また、腸閉塞、腹水・胸水の貯留、呼吸困難、咳、倦怠感などの疼痛以外の身体症状、あるいは不安や抑うつなどの精神面での症状に対しても治療を行います。さらに、栄養士による食事のアドバイスや研修を受けた理学療法士、作業療法士、言語聴覚士によるリハビリテーションも実施しています。在宅での療養を希望される場合の環境整備の手伝いもしています。

このように、緩和ケアはがん診療に関わる全ての医療スタッフ(医師、看護師、薬剤師、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、栄養士、ソーシャルワーカー、臨床心理士、事務職員など)の協力が必要であり、チームで対応することになります。

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緩和ケアセンターのシステムとスタッフ

当院では緩和ケア病棟(ホスピス)はなく、がんを取扱う各々の診療科での主治医・担当看護師の診療・ケアを緩和ケアチームおよび緩和医療支援チームがサポートするという体制を取っています。これは、『がんと診断された時から緩和ケアは開始されるべきもの』という基本理念を遵守し、がん治療を行うスタッフと緩和ケアを担当するスタッフが協働して診療するのに好都合と考えられるためです。

緩和ケアチームは緩和ケアセンター長(専従)、身体症状緩和医(兼任)、精神症状緩和医(兼任)、がん薬物療法認定薬剤師(兼任)、緩和ケア認定看護師(専従)で構成されています。

一方、緩和医療支援チームは、医師(主治医、臨床腫瘍医、放射線科医、麻酔科医)、薬剤師、看護師、退院調整看護師、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、臨床心理士、栄養士、医療ソーシャルワーカー、医療相談員、医事事務職員がメンバーとして参画しています。

さらに、がん患者さんが入院される病棟には緩和ケアリンクナースが配属されており、緩和ケアチームと協働して緩和ケアの実践・推進を図っています。なお、施設基準が整いましたので平成25年8月1日からは『緩和ケア診療加算』が算定できる施設として認可されております。

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ishiguro kokyukisyuyonaika
石黒崇 呼吸器一般、肺がんの治療(抗がん剤、緩和治療)
役職
緩和医療センター長
緩和医療科部長
緩和ケアセンター長
呼吸器内科部副部長
主な資格、認定
日本内科学会内科指導医・総合内科専門医
日本呼吸器学会呼吸器専門医
日本呼吸器内視鏡学会指導医・専門医
日本臨床腫瘍学会がん薬物療法指導医・専門医
日本緩和医療学会指定指導医
卒業年、主な職歴
平成11年岐阜大学医学部卒
平成11年岐阜市民病院勤務
平成13年9月~10月北海道地方がんセンター(平成13年度がん治療に従事する医師の研修)
tamura-seishin
田村量哉  
役職
精神科部医長
緩和医療センター医長
災害医療部医長
主な資格、認定
日本精神神経学会専門医 
卒業年、主な職歴
平成22年卒岐阜大学医学部卒
平成24年岐阜市民病院 精神科医員
平成25年のぞみの丘ホスピタル
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杉山保幸       
役職
非常勤医師
主な資格、認定
日本外科学会指導医・専門医
日本消化器外科学会指導医・専門医・消化器がん外科治療認定医
日本大腸肛門病学会指導医・専門医・大腸肛門病専門医
日本臨床腫瘍学会暫定指導医
日本がん治療認定医機構がん治療認定医
日本食道学会食道科認定医
日本肝胆膵外科学会高度技能指導医
卒業年、主な職歴
昭和54年岐阜大学医学部卒
米国ロズウェルパーク記念研究所研究員
岐阜大学医学部腫瘍総合外科助教授
帝京大学医学部附属溝口病院副院長、外科教授

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緩和ケアチームの病棟診療活動

緩和ケアチームは毎週1回、水曜日の午後に医師、看護師、薬剤師が一緒に患者さんの病室を訪ね、ベッドサイドで診察をして苦痛をもたらしている症状を分析・評価するとともに、面談をして"悩んでいること"、"困っていること"、"望んでいること"などを伺っています。中には多数のスタッフが訪室することを希望されない場合がありますが、その際には担当を決めて少人数で回診しています。さらに、主として精神的な症状の相談・治療を担当医や受け持ち看護師から要請された場合には、木曜日の午後に精神症状緩和医が対応しています。大部屋に入院中の患者さんの場合には、プライバシー保護のために適切な場所を設定しての面談を心がけていますし、家族からの要望についても適宜応需しています。

緩和ケアチームの専従医師と専従看護師は毎日回診を行い、病状の変化や緩和治療の効果を把握するとともに、新たな苦痛の出現の有無などについての情報収集を行い、主治医や担当看護師と意見交換をしています。そして、毎週水曜日の緩和ケアチームカンファレンスでは、症例の分析、治療方針の決定、実施した診療の評価、などを行っています。さらに、毎月第一水曜日には担当医や受け持ち看護師、緩和医療支援チームのスタッフ、緩和ケアリンクナースとともに事例検討会を開催して、緩和ケアの普及、レベルの向上を図っています。

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がん患者リハビリテーションについて

最近、がん治療におけるリハビリテーションが注目され、その有用性が報告されています。緩和ケアにおいても、『残された命の長さに関わらず、患者さんとその家族にとってQOLが良好な期間をできる限り長く保つこと』を目的として、当院では積極的にリハビリテーションを実施しています。
リハビリテーションでは、1.疼痛やその他の苦痛症状などの緩和(症状緩和)、2.ADLの維持・拡大(ADL向上)、3.治療(リハビリテーション)が続けられるという精神的な援助(心理支持)、が目的となります。そして、行う内容によって、以下の2つに大別されます。

1) 維持的リハビリテーション

がんの発育・進展に伴う臓器機能障害や能力低下の進行に対して、ADLや移動能力を維持するもので、1.基本動作・歩行の安全性の確立、能力向上、2.廃用症候群の予防・改善、3.浮腫のマネジメント、4.安全な栄養摂取手段の確立、5.在宅療養の準備、などを行う。

2) 緩和的リハビリテーション

がんの終末期に、患者さんの要望を尊重しながらQOLの高い生活を目指すもので、1.疼痛緩和、2.浮腫対策、3.呼吸困難の緩和、4.心理支持、などを行う。
当院では適切な研修を修了したスタッフが、身体症状や精神的な状況を十分に把握したうえで各々の患者さんに適した支援内容を提示し、実施しています。

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外来診療について

当院はがん治療に向き合っている患者さんの"痛み"や"だるさ"などからだのつらい症状や、こころのつらさを和らげることを目的として緩和医療科を設置し、外来診療を行っています。診療内容と診察日は以下のとおりです。

水曜日 木曜日
身体症状緩和 午後1時30分~ 午後1時30分~
精神症状緩和 (ー) 午後1時30分~

(完全予約制で、1日3名までとしております)

緩和医療科の診察は、原則として当院でがんの治療を受けておられる患者さんが対象と なっていますが、病診連携・病院連携による依頼もお受けしております。その際は、『紹介連絡・予約申込票(緩和医療科外来用)』を作成の上、岐阜市民病院地域連携部にFAXにて送信下さい。なお、当院は緩和ケア病棟を有しておりませんので、当院への入院・転院を希望される場合は事前に原疾患を扱う該当診療科に受入れの可否をご確認下さい。

受診方法

予約制です。
受診される場合は、かかりつけ医の紹介状が必要です。

申し込みについて

患者さんやご家族からの申し込み

上記ご予約に対するお問い合わせは、がん診療支援部がん相談支援センターまで
来院又は電話でご予約となります。(平日の午前9時~午後3時30分)
電話:058-251-1101(2236・4402)

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がん相談支援センターとの連携

当院では地域がん診療連携拠点病院としての一端を担い、がんと向き合う患者さんやその家族のお役に立てるように、がん相談支援センターを開設しております。緩和ケアセンターではがん相談支援センターと連携して緩和ケアに関連する相談につきましては対応させていただいておりますのでご利用下さい。

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"がん患者サロンやすらぎ"との連携

当院ではがん患者さんやその家族が自由に集い、交流を図る場として、院内に"がん患者サロンやすらぎ"を開設しております。緩和ケアセンターでは"がん患者サロンやすらぎ"と連携して緩和ケアに関連する情報提供をさせていただいておりますのでご利用下さい。

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緩和ケア勉強会のご案内

毎月第1水曜日に勉強会を開催しています。ぜひお気軽にご参加下さい。

緩和ケア勉強会のご案内はこちら

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