呼吸器外科

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概要

当診療科は、原発性肺癌を中心に気胸、転移性肺腫瘍、肺良性腫瘍、縦隔腫瘍、胸膜・胸壁腫瘍、胸腔内感染症、胸部外傷といった胸部疾患を中心とした治療を行っています。
胸部疾患の診断・治療については、心臓血管外科・呼吸器内科・放射線科と連携したカンファレンスを行い、専門家の知識・経験を集約することで、患者さまにとって最善の治療法を提案します。
肺癌の手術数においても岐阜県内で有数であり、安全で根治性の目指した手術を常に心掛けています。病気や症状についての不安や疑問などがございましたら、お気軽にご相談ください。

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スタッフ紹介

azuma kyoubugeka
東健一郎 心臓・血管手術 肺(癌、気胸など)手術
役職
中央手術部部長
主な資格、認定
日本外科学会指導医・専門医
心臓血管外科専門医
卒業年、主な職歴
昭和59年岐阜大学医学部卒
岐阜大学医学部附属病院
国立循環器病センター(レジデント)
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小室裕康 呼吸器外科
役職
呼吸器外科医員
主な資格、認定
日本外科学会専門医
呼吸器外科専門医
卒業年、主な職歴
平成26年卒
岐阜大学医学部附属病院 呼吸器外科 医員
愛知県がんセンター研究所 腫瘍免疫制御TR分野(任意研修生)

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診療内容

原発性肺癌

原発性肺癌は日本において罹患数3位の癌であり、当科の手術症例で最も多い疾患です。最近では、胸部レントゲン写真では発見できず、胸部CTによって発見される小型肺癌が増加しており、手術により病巣を切除することで、肺癌の根治を目指すことが出来ます。
肺癌の根治には肺葉切除と周囲のリンパ節を切除するのが標準手術となりますが、区域切除や部分切除などの縮小手術も行っております。一方、進行癌に対する化学療法・放射線治療と組み合わせた集学的な治療としての手術も行なっております。難易度の高い手術は心臓血管外科医師と協力して手術を行っています。
手術は低侵襲手術を心掛けており、胸腔鏡を用いて小切開と内視鏡や器械を挿入する小さな穴で行なっています。問題なければ、手術時間は3時間程度で、出血量も少なく、術後は問題なければ7日ほどで退院できます。
また、2021年度より、ロボット手術を導入しており、岐阜大学呼吸器外科教授の指導のもと数例実行しました。

気胸

気胸は何らかの原因によって肺に穴があき、そこから空気が漏れてることで肺がしぼんでしまう病気で、症状は、胸痛、息苦しさ、咳などがあります。
気胸には気腫性肺嚢胞であるブラやブレブの破裂に起因する原発性自然気胸や、肺気腫などの基礎疾患に起因する続発性自然気胸などがあります。まずは安静による経過観察や胸腔ドレーンの留置を行います。しかし、それでも治らない場合や再発を繰り返している場合には手術を考慮します。手術は穴が空いた肺の組織を切除する方法となります。若い方や女性にも起こる疾患であり、手術の傷がなるべく目立たないように配慮して手術を行っています。

転移性肺腫瘍

転移性肺腫瘍は、ほかの臓器(原発巣)のがん細胞が肺に転移したものです。手術適応は、原発巣がコントロールされており、切除できると判断される場合です。原発巣には大腸癌や頭頚部癌、腎癌、乳癌、軟部腫瘍などがあります。多くの場合、転移巣の周りの肺を一緒に切除する肺部分切除を行います。

肺良性腫瘍

肺の良性腫瘍は胸腔内(肺内)にできる腫瘍で悪性ではありません。肺癌と比べると頻度としては稀ですが、その種類は多彩です(過誤腫、炎症性結節など)。治療は基本的には経過観察でいいのですが、増大傾向がある場合や、肺癌や転移性肺腫瘍との鑑別が難しいときは手術により切除することがあります。

縦隔腫瘍

縦隔とは、心臓の周りの領域で、左右の肺に囲まれた領域を指し、心臓、大血管、気管気管支、食道、胸腺などの臓器が存在する場所です。縦隔腫瘍とはその部位にできる腫瘍のことで、ほとんどが無症状で、健診や他疾患の検査中に偶然発見されることが多いです。縦隔腫瘍の中には悪性のものもあり、確定診断のためにも手術をすることがあります。
縦隔腫瘍もロボット手術を導入しており、以前まで胸骨を正中切開(皮膚切開 25cm程度)であったのですが、ロボット手術の導入で1㎝の傷が3か所と3cmの傷が1か所となり、低侵襲手術が可能となりました。

胸膜・胸壁腫瘍

胸膜には臓側胸膜と璧側胸膜があり、この胸膜にできた腫瘍を胸膜腫瘍といい、神経腫瘍、孤立性線維性腫瘍や悪性胸膜中皮腫などがあります。これらの疾患もカンファレンスで手術の適応を決定し手術適応があった場合手術を施行します。ほとんど胸腔鏡下手術を試みています。

胸腔内感染症

外科的手術が必要な胸腔内感染症には、非結核性抗酸菌症や肺真菌症などがあります。薬物治療を行っても効果が弱い場合などに手術を行います。
膿胸とは肺の外側の胸膜に感染が起こり、胸腔内に膿が溜まる状態です。初期には発熱、胸痛等の症状が出現します。まずは胸腔ドレナージや抗生剤で治療を行いますが、手術が必要となることがあります(胸腔鏡下膿胸掻把術)。また、膿胸が慢性化した場合、中に溜まっている膿を外に出す手術をすることがあります。

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診療実績

2011 2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018 2019 2020
肺癌 65 62 77 70 75 81 71 76 69 56
気胸 8 10 22 22 15 11 17 17 21 14
転移性肺腫瘍 7 3 6 9 12 10 9 5 7 5
肺良性腫瘍 11 15 9 6 12 8 8 5 6 2
縦隔腫瘍 3 10 12 7 4 9 6 7 4 7
胸膜・胸壁腫瘍 2 3 2 1 3 1 0 2 1 2
感染症 6 10 14 10 6 1 5 7 6 1
その他 3 3 0 1 2 2 6 4 4 12
総手術件数 105 116 142 126 129 123 122 123 118 99

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