岐阜市民病院 Gifu Municipal Hospital

予約変更専用
058-215-5876
代表
058-251-1101

産婦人科 内視鏡下手術

内視鏡下手術

当科では1994年以来内視鏡下手術(腹腔鏡下手術、子宮鏡下手術、卵管鏡下手術)に力を入れております。
2020年8月より良性疾患に対するロボット支援下手術も開始しました。
岐阜県はもとより東海地区でもトップレベルの病院の一つに数えられています。
患者様も岐阜地区はもとより、西濃、中濃、数は少なくなりますが東濃、飛騨地区、さらに愛知県(岐阜県に近い地区)はじめ他府県(遠方地域の大部分は実家が岐阜の方)から紹介されて治療を受けられています。

1)腹腔鏡下手術とは・・・

腹腔鏡(お腹の中を見る器具:胃カメラみたいなもの)で、主におへそより腹腔内に挿入し、あと2~3箇の小切開(通常は8~16mm:症例によっては20~50mmに拡張することもあります。逆に稀ですが3~5mmでできることもあります。)を加えてそこから手術器具を挿入して手術する方法です。開腹手術と比較して手術侵襲が少ないので、手術直後の痛みが少なく(と言っても手術直後はやはり痛いのですが、痛みの治りが早いです。)、術後回復が早く、社会復帰も早くできます。また手術野を拡大でき、より精密な手術ができます。創部が小さいという美容的効果もあります。また適応があればおへそ1か所の切開(25mm)手術、臍部16mmと下腹部8mmの3~4か所切開手術、下腹部1か所の切開(30mm)手術も施行しています。また腫瘍を膣式に回収して腹壁の切開を小さくする術式も施行しています。

sanfujinka-naisikyo01

また2020年8月より子宮筋腫、子宮腺筋症に対するロボット支援下子宮全摘術を施行しております。腹腔鏡に比べ体格が良い方での操作性に優れているため、原則BMIが28以上の方を対象としました。また癒着剥離が腹腔鏡より拡大視で手振れなく確実にできるため、骨盤腔内癒着症例(子宮内膜症,既往帝王切開症例など)も加えました。それから病変に極力触れないで丸ごと取ることができるため、子宮前癌病変(子宮頚部異形成,子宮内膜増殖症)も加えました。さらに2020年9月より骨盤臓器脱に対するロボット支援下子宮全摘術も施行しております。以前は創部5か所と腹腔鏡より1か所多かったですが、現在基本4か所でスタートし困難例のみ5か所に増やしています。腹壁がぶれないで操作するロボットの方が腹壁へのダメージが少ないため、印象として術後疼痛が軽いように思います。

sanfujinka-naisikyo20210104.jpg

欠点としては総じて手術時間が長い(短いのもありますが)(ロボットはさらに装置のセッティング,鉗子の出し入れ等でさらに手術時間が長くなります。)、ということもありますが、患者様は麻酔がかかっていますので醒めた時が終わった時になりますので、体でそれを感じ取る事はありません。また合併症(多量出血、臓器損傷、死亡)が多いという報道もありますが、通常の手術ではまずあり得ませんのでご安心下さい。但し難症例(既往手術・子宮内膜症などによる強度癒着症例、巨大腫瘍、肥満患者様)では、上記合併症が発生する頻度が最大5%程度まで増加しますのでご了承ください。
当科では、主に、卵巣腫瘍、子宮筋腫、子宮腺筋症、異所性妊娠、子宮内膜症、不妊症(卵管通過障害、多嚢胞性卵巣症候群含む)、卵巣出血、子宮付属器(腹腔内)癒着、卵管留水腫 (留膿腫,留血腫)、子宮奇形、慢性骨盤痛、避妊手術(次回妊娠が危険と思われる方)、初期の子宮体癌に対して施行しています。原則BMI 28以上の肥満症例や骨盤腔内癒着(子宮内膜症,既往帝王切開症例など)のある子宮筋腫、子宮腺筋症、子宮操作ができない子宮頚部筋腫、子宮前癌病変(子宮頚部異形成,子宮内膜増殖症)、骨盤臓器脱はロボット支援下手術としています。手術入院期間は6~7 (悪性は9)日間(手術後4~5(悪性は7)日目の退院)ぐらいです。
2024年12月末現在で8,524例(途中開腹変更134例、ロボット支援下手術252例含む)に施行し、重症合併症(手術中に開腹手術に変更あるいは術後追加治療(再手術)を要したもので、手術中に修復し得たものや短期間の外来薬物治療や処置程度で完治したものを除く。)は62例・発症頻度0.7%です。内訳は術後出血14例、術後感染症10例、血管損傷7例、尿管損傷5例、腸管損傷4例、術後尿管狭窄4例、膀胱損傷3例、術後尿管膣瘻2例、術後神経麻痺2例、術後腸管損傷1例、術後イレウス1例、術後膀胱膣瘻1例、尿膜管性憩室穿孔1例、神経損傷1例、術後妊娠子宮破裂1例,破損器具遺残1例、軽症コンパートメント症候群1例、高炭酸ガス血症1例、脱毛1例、腹壁瘢痕ヘルニア1例です。ただし現在まで手術が直接原因での死亡症例、身体障害者認定に至った後遺症症例はございません。2024年は351例(途中開腹変更4例、ロボット支援下手術74例含む)に施行し、重症合併症は1例(腹壁瘢痕ヘルニア1例)ありましたが、完治しております。

2)子宮鏡下手術とは・・・

レゼクトスコープ(子宮の中を見ながら子宮内病変を切除する器具)を子宮内に挿入し、子宮内の病変を手術する方法です。開腹しないので、術後回復も早く、社会復帰も早くできます。入院期間は2~4日間(手術後1~2日目の退院)ぐらいです。当科では、粘膜下子宮筋腫(子宮内に飛び出ている筋腫)、過多月経、子宮内膜ポリープ,子宮腔内癒着、中隔子宮に対して施行しています。過多月経に対してはマイクロ波を併用した子宮内膜アブレーション(MEA)を施行しています。子宮内膜ポリープは原則ファイバースコープ下での外来日帰り手術を施行しています。但し多発例や困難例は手術室での手術になります。統計を取り出した2006年以降2024年12月末現在で2,134例(途中開腹変更4例、中止1例含む)に施行し、重症合併症は8例・発症頻度0.4%です。内訳は子宮損傷4例、肺水腫2例、水中毒1例、術後感染症1例です。2024年は156例(うちMEA7例、腹腔鏡併施5例、外来日帰り手術28例含む)に施行し、重症合併症はありませんでした。

受付時間のご案内

診療 8:00~11:00※外来のみ11:30まで
面会 13:00~20:00※17時以降は夜勤帯となるため、17時までのご来院にご協力ください。
診療時間について
受付:月~金 8:00~11:00
面会について
13:00~20:00
休診日
土曜日・日曜日・祝日・年末年始(12/29~1/3)
※休診日・時間外での対応は、救急外来となります。

お困りの方はこちらへ