病院事業管理者インタビュー(平成26年)

Q.HCUの整備を進めているそうですが詳しくお聞かせください。

HCUとは「high care unit」の略で、高度治療室を指します。
よく似た言葉にICU(集中治療室)があります。ICUは極めて重篤な患者さんを看護する施設ですが、HCUはICUまで至らなくても一般病棟での看護が難しい患者さんのための施設です。
市民病院では、来年度(平成27年度)の稼働を目指して準備を進めています。

開業医さんや周辺の病院さんに「市民病院に期待することは何ですか?」とアンケートを取った際、「救急患者さんを受けて欲しい」という答えが圧倒的な数を占めていました。

私が市民病院に着任した頃、救急車の受け入れは年間1,200台程でしたが、現在では昨年1年間(平成25年度)だけでも約4,500台と増え、多くの救急患者さんを受け入れてます。

Q.今年度(平成26年度)、高精度放射線治療装置を導入されましたが、がん患者さんや高齢者さんにとってどのようなメリットがあるのでしょうか。

高齢化社会を迎え、がん患者さんも増えています。
市民病院は地域がん診療連携拠点病院ということで、手術、抗がん剤、化学療法、それに放射線療法ができますが、特に現在は体への負担が少ない低侵襲治療を進めています。

例えば胃がん治療は、昔は開腹手術でがんを切除していました。病巣が進行している場合、リンパ節など周辺部の健康な組織も切除することもありました。他にも開腹手術の傷のため、入院期間が延び社会復帰が遅れたり、術後の痛みや下痢の症状に悩まされたりするなど、患者さんの生活の質が低下することもありました。

そこで現在は、病状にもよりますが腹腔鏡を使用するなど、傷口をできるだけ小さくする手術が増えています。将来的には切らなくても済むかもしれません。
また早期の胃がんであれば、消化器内科医が内視鏡で切除することも可能になってきました。

また、頭頸部がん、肺がんや脳腫瘍については放射線治療が進んでいます。
がんを切除するために胸や頭部にメスを入れると大きな傷となりますので、病状にもよりますが、体の外から放射線治療をすることで、体の負担を少なくできるケースが増えてきています。

昔は上顎(あご)にできたがんを治すには、がん周囲全体に放射線を当てざるを得ず、がんは治っても唾液腺に障害が起き、口が渇きやすくなるケースがありました。 今回導入した高精度放射線治療装置は、周辺部に影響を与えることなく、0.1mm単位でがん細胞のみに放射線を照射することができます。

このような低侵襲治療を行うことで、治療後の状態が良くなり、早く回復し社会復帰できることで患者さんの生活の質が向上するよう心がけています。

もう1つ大事なことは、高齢者の患者さんが増えてきている、つまりがんだけでなく喘息や心疾患など複数の疾患をお持ちの方が増えているということです。高齢者の患者さんにとって手術は体に大きな負担がかかります。 そのため、低侵襲治療はもちろん、複数の疾患に対応できるスタッフも揃えなくてはいけません。


ページの先頭へ